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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第63話 胃の中での戦い

「「「わーーーーーーー」」」


 リンネ、ライチ、アズサはホーンホエールの体内を、ウォータースライダーを滑るように流されている。辺りは真っ暗で何も見えないし、止まろうにもつるつると滑って止まることが出来ない。リンネは武器である直剣を突き立てようともしたが、刺すことが出来なかったことで収納に仕舞いその代わりに空いた両腕でライチとアズサを抱き寄せている。


 止まることも出来ず加速していく中しばらく滑り続けていると、ホーンホエールの胃に到着した事でやっと止まることが出来た。


「やっと止まった。二人共大丈夫?」


「なんとか大丈夫です」


「だいじょうぶ、です」


「なら良かった。それにしてもカッコつけて飛び込んだのは失敗だったかな」


 抱いていたライチとアズサを開放して、リンネは立ち上がりμαを操作して視界を暗視モードに切り替えた。切り替わった視界により辺りを見回すと、上の方をフライフィッシュの群れが浮遊しているのが見える。


 リンネはライチとアズサにも暗視に切り替えるように言った後、フライフィッシュに見つからないように見つけたくぼみに移動する。くぼみに入り込みホッとしたリンネだが、突然視界にノイズが走った。


「リンネお母さん、ここはどこですか?」


「リンネママ、大丈夫ですか」


「えっ、カリン、スズネ?」


 唐突にここ何日か聞こえなかったカリンとスズネの声が聞こえたことに驚いたリンネだったが、ここで二人が現れたことで光明が見えた気がした。


「二人共今までどうしていたの?」


「どうしていたですか?」


「えっと、少し待って下さい確認してみます」


 カリンとスズネは向かい合い、目を閉じて手を合わせる。その間にリンネはライチとスズネにネックレスをするようにお願いする。ネックレスをしないとライチとアズサにはスズネとカリンの姿が見えないからだ。


 ただしネックレスをしても姿は見えても声は聞こえないのだが。ネックレスをした二人はスズネとカリンの姿を確認して少しホッとしている。しばらくすると情報の共有と確認が終わったのか、二人は手を放しリンネに顔を向けた。


「状況の確認が出来ました」


「それを教えてもらえるかな」


「はい、わたしとカリンが眠りに入っていた理由ですが、ダンジョンからの干渉があったようです」


「ダンジョンからの干渉? それはどういったものなんだ」


「それはわたしたちにも詳しくはわからないのです」


「そっか、まあこの小型ダンジョンがなにか悪さをして二人が出てこれなくなったってことでいいんだな」


「はいそうなります」


「それでいま出てこれている理由はわかるのか」


「それはリンネママがこの魔物の体内に入ったからですね。魔物とダンジョンは同じものと思われていますが、実際は別の存在なんですよ」


「そうなのか、つまりは魔物の体内に入ったことで、ダンジョンからの干渉が遮断されたから出てこれたというわけだな」


「そうなります」


「なにか対策とか出来ないのかな、仮にこの魔物を倒して外に出た時またスズネとカリンが眠ってしまったらワルキューレにもなれないわけだし」


「それに関しては──」


「よし、スズネ対策プログラムができたよ」


「──と言った感じです」


 カリンがずっと喋らずに目を閉じていたのだが、ダンジョンの干渉を退けるプログラムを作っていたからだ。再びスズネとカリンが手を繋ぎ対策プログラムを共有している。


「お待たせしました」


 対策が済んだ所で、この魔物の中から脱出するための作戦会議が始まった。今のところ胃酸によって溶かされるといった事にはなっていないが、いつまでこの状態のままなのかはわからない。


「さてと、どうしたものかな。とりあえず下に攻撃をしてみたけど剣が刺さらなかった」


「うちの術も効果がなさそうですよ」


「試してないですけど、わたしのも駄目な気がします、です」


「それに上のあれも邪魔だよね」


 リンネが視線を上に向けるとそこにはフライフィッシュが飛んでいる。


「それじゃあ、どうしようか、上のあれを先になんとかするのがいいのかな」


「うちはそれがいいと思う」


「フライフィッシュを倒すならわたしががんばります、です」


「外も心配だし、まずはフライフィッシュをちゃっちゃとやりますか」


 方針が決まったということで、ライチとアズサが攻撃体制に入る。リンネは流石に空を飛べるわけではないので、降りてきたフライフィッシュをライチとアズサに近づけないように守ることになる。


 アズサはライチから受け取った札を一枚ずつ矢に巻き付けていく。とりあえずは10枚の御札を10本の矢に巻きつける。


「それは?」


「うちとアズサの合わせ技って所だね」


「それでは行きます、です」


 アズサは矢を1本つがえ上空を飛んでいるフライフィッシュに狙いを定め矢を解き放った。アズサは放たれた矢の行く末を確認することもなく次々と矢を放っていく。


 一本目の矢が空飛ぶフライフィッシュの先頭に当たると爆発を起こし、そして続けて少しずつずれた位置のフライフィッシュに矢が当たり爆発する。10本の矢がすべてフライフィッシュに当たりその数を大幅に減らすことに成功した。


 そんなフライフィッシュだが、流石に攻撃元がわかったのか、爆発によりバラけていたものが集まり一つの塊となりリンネたちめがけて突き進んでくる。それに対してリンネは直剣で薙ぎ払い、ライチが札を投げ雷を放つ。アズサが遠方のフライフィッシュを率先して倒していく。


 それを繰り返すことでフライフィッシュは数を減らし、最後の一匹をアズサの矢が貫き全滅させることが出来た。


「はぁはぁはぁ、少し休憩だな」


「ですね、はぁ、疲れたー」


「わたしも疲れました、です」


 三人ともその場に座りこみ息を整える。少しの休憩を終えてリンネたちは立ち上がる。


「さて、残りはコイツだな」


 直剣で足元をつつくが全く効いているように思えない。


「奥へむかう?」


「それも手かもしれないな、このまま胃の場所にいるというのもなんか嫌だしな」


 そういったわけで、リンネたちは入ってきた方向とは逆へと向かって進み始める。

 どこからともなく突然現れた巨大な妖魔に飲み込まれたライチとアズサ。


 何とか脱出しようと奮闘する二人ではあったが、時間が過ぎていくばかりで疲弊していく。


 そんな中、リンネと名乗る美少女が現れ脱出するには新しい力が必要だと、そしてその方法を聞かされる。


 ためらいながらも向かい合う二人。


「アズサはうちが守る」


「ライチちゃん、わたしずっとライチちゃんの事が」


「わかってる、うちもそうだから」


 目を閉じ顔を近寄らせる二人。

 そして唇が触れあったとき二人は光に包まれる。


新番組

陰陽少女ライチとアズサ

第一話「新たなる可能性の開花」


『この想いみんなに届け急急如律令♡』


 次の話はおおよそこんな感じです。


 うん、ごめんなさい嘘です、全然違います。

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