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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第54話 覚醒因子所有の条件

「えっと、カナさんに教えても良かったの?」


「リオンさんからは、なにかあれば教えていいって許可はもらっている」


 レイネの問いに答えるリンネだが、リオンのいう何かというのはこれの事を想定していたのかはわからない。


「ふむふむ、わしの中に見えない何者かがおるということでええかの?」


 ネックレスを付けたり外したりしているカナの反応を見て幸子がそう尋ねてくる。


「うん、妖精みたいな子がいるね二人も」


「ほほう、カナ少し見させてもらうぞ」


 そう言って幸子はカナの肩に手を置き目を瞑った。幸子はカナにふれ視界を借りることでカリンとスズネを見れないかと試している。


「おおう、この者たちがわしの家にいるからおかしな感じがするのだな、できれば家の外に出ていてほしいのだがの」


 カナからネックレスを返してもらったリンネがカリンとスズネに視線を向ける。


『それではボクとスズネはリンネお母さんのμα内で休眠しておこうと思います』


『リンネママ、お外を探検するときなんかは呼んでくださいね』


 カリンとスズネはそういうと、その姿を消して見えなくなった。


「えっと、どうやら二人は休眠したようです、どうですか? まだ何か違和感はありますか?」


「おぉ、違和感は消えたの。どうもダンジョンに関するものが家の中にあると気分がすぐれぬものでな」


「いえ、お世話になるのに配慮が足らなくて申し訳ありません」


 リンネが頭を下げて謝る。


「それではわしは、晩の用意でもはじめるかの、礼になるかはわからぬが晩飯は期待してくれて良いぞ」


 そう言って幸子は部屋を出ていった。


「それじゃあみんなどうされます? 晩ごはんまではまだ時間がありますし散歩でもしてきますか?」


 カナの問いにどうしようかと顔を見合わせる面々。晩飯まではまだ時間があるとはいえ、今から海で泳ぐというのも中途半端なので出来ることと言えば散歩くらいなのだと思われた。


「とりあえず海にでもみにいくか」


「そうだね、海水浴は明日の楽しみにして散歩でもする?」


「リンが行くならボクも行くよ」


 リンネ、レイネ、アカリは散歩に行くことになった。ミレイはレイネ達を見てどうしようかと思案している。お昼は過ぎたと言えどもまだまだ日差しが強くてミレイはあまり外に出たいと思っていなかった。


「カナさん何かお手伝いすることはありますかしら?」


「そうだねー、特にはないか───」


「カナー、すまぬが港に行って荷物を受け取ってきてもらえぬかの」


 襖を開けて幸子がカナに声をかけた。どうやら港に食材が置いてあるようだ。


「わかったー、叔父さんのところだよね」


「そのはずだ、頼んだぞ」


 それだけ言って幸子はまた部屋を出ていった。


「そういうわけで、港まで食材を取りに行くけど付いてくる?」


「お手伝いさせていただきますわ」


「うちもついて行っていいですか」


「わたしもついていきたい、です」


 ミレイ、ライチ、アズサがカナと共に港まで食材を取りに行くことになった。それぞれが外出の準備をして外へ出る。リンネ組は徒歩で砂浜へ向かい、ミレイ組はカナの運転する車で港まで行くことになった。


「それじゃあ気をつけてね」


 レイネがワゴン車に乗り込んだミレイたちを見送り、手を振る。ミレイたちもそれに答えるように手を振ると車は進み出していった。ミレイたちが乗っている車はダンジョン都市内では見ないタイプの車だ。


 ダンジョン都市内の車はほぼ全て魔石で動く用に作られているが、ダンジョン都市外では未だに電気に水素などが使われている。ただし電気だけは潤沢に使える。理由としてはダンジョン都市近郊で作られた電気を利用できるからだ。その電気は魔石を使用することで生み出されており、かなり高効率な発電を可能としている。


 化石燃料など殆ど入ってこなくなった現状では、ダンジョン都市外の生活はかなり大変である。だがそれでも、覚醒因子を持たないという選択をした人々はそういった世界で生活している。


 カナやミレイを見送ったリンネたちは海を目指して歩き出す。リンネと腕を組もうとしてくるレイネとアカリをじゃれ付きながら躱しつつ歩いていると、砂浜にたどり着いた。


 リンネたちは嗅ぎなれない海の匂いや、寄せては返る海のザーザーという音を聞きながら、太陽の光でキラキラと輝く海を見ていた。


「きれいだね」


 レイネがそうつぶやく。リンネとアカリはそんなレイネの言葉にうなずきながらも海を見続けている。家を出た直後にμαをONにしたことで、表に出てきているカリンとスズネもリンネたち同様に海を静かに見つめている。


 リンネたちのような、ダンジョン都市が完成して以降に生まれた世代は、どうしてもダンジョン都市から出て生活をする機会がほとんどない。特に学生の身分でダンジョン都市を出る機会といえば、研修として小型ダンジョンへ潜る時くらいだろうか。


 そもそもダンジョン都市内で衣食住が賄われており、娯楽の類も揃っているとなると、わざわざ移動手段の乏しい外に好き好んでいくものも少ない。


 ただ、好奇心旺盛な者はどこにでもいるもので、外へ憧れのような物を持つものが皆無かというとそうではない。だがそういった者も、外と中の暮らしの違いを体験し、外の覚醒因子に関する排他的な態度を体験するとその殆どはダンジョン都市内へ戻ってくることになる。


 それでも外に魅力を感じ旅をする者も極稀にいる。今リンネたちが見ているような海の他にも、山や森などの自然を体験し虜になった者たちだ。そういった者たちは、ダンジョン都市間を移動しながら様々な役割をこなしてもいる。


 小型ダンジョンの探索、外で暮らす集団とのつなぎなどもその役割の一つである。そしてどの集落にも最低一人はそういった覚醒済みの者が潜んでいる。それに関連して、覚醒因子を持つ者と持たない者との間に子供が生まれたとしても、その子供が覚醒因子を持っているとは限らないという結論に至っている。


 表には出ていない研究の結果としては、覚醒因子を出生時にもつ条件はダンジョンから近い場所であればあるほど確実性が増すといったものだ。結論としてダンジョン都市内で出生を迎えると確実に覚醒因子を所持することになる。


 それでは逆に覚醒者同士がダンジョンから離れ生活を行い、出生をした場合はどうなるかというと、覚醒因子を持って生まれるものと覚醒因子を持たずに生まれるものと別れる結果になった。その辺りの法則性などは未だに研究途中であるようだ。

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