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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第46話 リンネ×レイネ=◯◯

 リンネが作り出した椅子にリンネとレイネは座り、同じく作り出した丸テーブルにはアカリがペタン座りしている。


「それでカリンはどうしてここに?」


「それはですね、ボクの姉妹が生まれる所を見に来たのです」


「アカリは関係ないのか?」


「アカリお母さんですか? 特には何もありませんよ」


 リンネとレイネが顔を見合わせる。


「リンネお母さんとレイネさんがラブラブだとしても、アカリお母さんを捨てたりしないのはわかってますから」


「それは、まあそうなんだけど」


 少し歯切れが悪そうにリンネはレイネに視線を送る。


「私は別にお兄ちゃんに私だけを見てなんて言うつもりは無いよ、お兄ちゃんと相思相愛ってわかっただけで私は満足なんだよ」


「レイネ、ごめんな」


「気にしなくていいよ、むしろアカリを捨てるなんて言ったら軽蔑するからね、それに絶対まだ増えるでしょ」


「そうですね、ミレイさんとはいつでも可能だと思います、アズサさんとライチさんは何かきっかけがあれば可能になると思います」


「カリンにはそういったのがわかるのか?」


「はい、ボクには……ごめんなさい、これ以上は言えないようです」


「そっか、とりあえずミレイに関してはしばらく黙っておきましょう」


 レイネの提案にリンネとカリンは頷く。


「ちなみに答えられたらでいいのだけど、最終的にお兄ちゃんのハーレムって何人くらいになるとかわかる?」


「何人くらいになるか、ですか? 理論上は無制限ですけどボクの識る限りでは……ごめんなさい、これもお答えできないようです」


「そっか、それなら仕方ないね」


「そうですね、これは言えるようなので言っちゃいますが、ボクたちの姉妹が増えれば自然と話せることも増えていくと思いますよ」


「そういう感じなんだね、カリンちゃんありがとう」


「さてとそろそろ繭を探してワルキューレを生み出すか」


「そうだね、繭はどこかな」


 リンネとレイネは椅子から立ち上がり、アカリもテーブルから浮かび上がる。リンネは椅子やテーブルを消して周りを見回す。


「あれかな?」


 レイネの指差す方へリンネとカリンが視線を送る。しばらくその場所を眺めていたリンネたちは白い背景の元で薄く明滅している繭を見つける事ができた。


「あれだな」


 リンネたちはゆっくりと明滅をしている繭へと歩みを進める。近づくに連れ繭の輪郭がはっきりと分かるようになってくる。リンネとレイネとアカリは繭の目の前で立ち止まる。繭はゆっくりと明滅を繰り返している。


 その繭は、カリンが生まれてきた繭と同じで直径60cm程の大きさをしている。それを初めて見たレイネは繭をしげしげと見ながら、繭の周りをぐるりと回って観察をしている。


「ふーん、この中に私とお兄ちゃんの子どもがいるんだね」


「子どもというかワルキューレって方が正確なのかな」


「リンネお母さんとレイネさんの生体情報を掛け合わせた子どもでもあり、ワルキューレでもあり、そしてボクの姉妹でもあります」


 一通り観察して満足したのか、レイネがリンネの隣に戻ってくる。


「それでこれはどうしたら良いのかな?」


「えっと、アカリとの時は───」


「あっ、なんか来た」


「そうそう、こんな感じで何か語りかけてくるような呼びかけてくるようなのがあったな」


「これを私とお兄ちゃんの二人で触れればいいんだね」


「そうだな」


 リンネとレイネは自然な流れで手をつなぎ、繭の前まで移動する。そしてゆっくりと繋いでいない方の手でそっと繭に触れさせる。二人の手が繭に触れると同時に、繭が光の粒子となりほどけていく。


 繭が全て光の粒子となり消えた後には、身の丈50cmほどの少女が空宙に浮かんでいる。漆黒と言えるほどの黒い髪はポニーテイルにされており、顔立ちはリンネとレイネにそっくりだ。


 服装は初めてカリンを見た時と同じような現代風の貫頭衣ワンピースを着ている。カリンの時と違うのは、色が上が黒になっており、下へ向かうほどに色が薄まり最後は白になっている。


「この子が私とお兄ちゃんの子ども、顔立ちはお兄ちゃんにそっくりだね」


「いやいや、俺もレイネも顔立ちは同じだろうが」


「あはは、言われてみればそうだったね、それにしてもお兄ちゃんの要素が見当たらないね」


「そうか? 胸はどう考えても俺譲りじゃないか」


「おにいちゃんなにかいったかな?」


「いえ何も言ってないです」


 リンネとレイネにそっくりな女の子の胸の大きさは等身大にするとリンネ譲りなようで、そこそこの大きさがあるように見える。その部分に関しては確実にレイネ譲りではないことが誰の目にもわかるほど顕著だった。


 そのような話をしていると、目の前の少女の瞳が開かれる。その瞳の色はリンネと同じ碧色をしており、黒髪に碧眼というなんとも言えない神秘的な組み合わせに見えた。


「リンネママ、レイネママはじめまして、わたしはお二人の生体情報により生み出されたワルキューレです、よろしくお願いします」


 鈴を転がすような声を持つ少女は手を前で揃えキレイなお辞儀をしてみせた。


「よろしく、えっとレイネ名前は決めているんだよな」


「うん決めているよ、私とお兄ちゃんの子供の名前」


 頭を下げていた少女に頭を上げるように促し、レイネは少女と視線をあわせる。


「あなたの名前はスズネよ」


「スズネ……スズネ、これがわたしの名前……。ありがとうございますリンネママレイネママ、わたしの名前はスズネです」


「うん、良いんじゃないか、その声にぴったりだしな」


 リンネはいい名前だと頷く。それを見てレイネとスズネが笑顔を浮かべる。その笑顔は本当の親子のようにそっくりだ。


「スズネ、ボクはカリンだよ、よろしくね」


「はいカリン、わたしはスズネです、よろしくお願いします」


「硬いなー、姉妹なんだからもっと気軽に行こうよ」


「そう? わかったわ、改めてよろしくねカリン」


「こちらこそ」


 スズネとカリンは握手を交わす。リンネとレイネは気がついていないが、この時カリンとスズネはお互いの識る情報を交換していた。カリンからは今までの経緯を情報として話した。代わりにスズネからは《《この世界に》》生まれるまでの情報を共有した。


 ただスズネから提供された情報は、この世界に生まれた時点で既に穴だらけとなっており、その残った情報さえも時が経つにつれて消えることになる。それでもなんとかカリンとスズネは情報を寄せ合い解析し、新たに構築をすることにより、消えることのない情報をいくつか得ることに成功したのであった。

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