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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第44話 情報の共有

「もう、絶対ミレイとは寝ないんだからね」


 ミレイに腕ひしぎ十字固めをされて涙目になっていたレイネが、目を覚ましたミレイに向かって言った第一声がこれだった。


「ごめんなさい、ですけど真夜中に抜け出そうとしたレイネも悪いと思いますわよ」


「へぇーレイネは真夜中にどこに行こうとしていたのかな? ボク知りたいな」


 ミレイとアカリがレイネに詰め寄っている。


「えーと、そ、そうだよトイレに行こうと思ったんだよ」


 レイネは目をそらしながらそんな事を言ってのけるが、まあバレバレではある。


「「ギルティー」」


「いや、でもさ、本当にトイレだったら大変なことにね、乙女の尊厳的なものがね」


「その時はちゃんと起こしていただければよかったのでは? 後ろ暗いことがあるので起こさなかったのでしょ」


 レイネは反論の言葉が見つからず、ガクリとうなだれた。


「それにしてもすごくきれいに寝技が決まっていたね」


「不思議なほど抜け出せなかったよ」


 アカリのその言葉に立ち直ったレイネが、められていた腕をぷらぷらと振ってみせる。


「ほらレイネもミレイもいつまでもそんな格好してないで着替え済ませて下までおいで。ご飯の準備は済ませてるから、アズサもライチもとっくに起きているからな」


「「あっ」」


 レイネとミレイはパジャマの前がはだけ、下着が見えている自分の格好に気がついて慌てて衣服を正す。


「俺たちは先に行っているから」


 リンネとアカリは連れ立って部屋を出て階段を降りていった。


「その、レイネごめんなさい」


 もう一度ミレイはレイネに頭を下げて謝る。


「もういいよ、その代わり今度寝技を教えてほしいかな」


「? ええ、そんな事でよろしければ」


 いったいレイネは教えてもらった寝技をどういった用途で使うつもりなのだろうか、といった疑問を覚えつつもミレイは教える事を約束した。


「約束だからね」


 レイネは嬉しそうにそう言ってミレイの部屋を出ていき自分の部屋に入っていった。誰もいなくなった部屋でミレイも急いで着替えを始めた。



 リンネたちは朝食を終えて、順番に洗面所を使い化粧や髪のセットを終える。今日は覚醒者協会へ行く日である。普段なら叔父であるゲンタの車で向かうのだが、今回は人数が多いのでバスで向かうことになった。


「うちは覚醒者協会に行くのは久しぶりだね」


「わたしもほとんど行ったことない、です」


「俺も少し前までは一度しか行ったことなかったな、覚醒出来なかった上に何年もずっと引きこもってたし」


「「「あー……」」」


 リンネは冗談のつもりでいったのだが、全く受けることもなく、むしろいたたまれない空気が漂っている。


「もう、お兄ちゃんはそういう事言わないの」


「すまん、ちょっとした冗談のつもりだったんだけど」


「流石のボクもどう反応したら良いかわからなかったよ」


『リンネお母さんはもう少し考えて話したほうが良いです』


 カリンにまでもう少し考えて発言しろと散々な言われようである。


「今はちゃんと覚醒出来たわけだし、引きこもってもいないから。あっあのバスかな」


 リンネがバツが悪そうに頬を掻きながら言い訳をしている所へ、バスがやってきたのでぞろぞろと乗り込む。バスに乗り込んで30分ほどで覚醒者協会前に到着した。



 リンネたちはいつもの通り覚醒者協会の地下へ案内される。


「さて、話があるとのことだったが今日は人数が多いな」


 リオンがアズサとライチを見てそう切り出す。


「はじめまして、うちは鈴ノ宮ライチです、よろしくお願いします」


「わたしは風鈴アズサ、です」


「私は祭音リオンだ、よろしく頼むよ。ここに連れてきたということはリンネくんの事情は知っているということで良いのかい?」


「そうですね、ある程度は話しています。学園での同じパーティーを組んでるので後々面倒なことになりそうだったので」


 面倒なことというよりも、めんどくさかったのが本音なのだが、対して違いがないのでどちらでも同じかも知れない。


「ふむ、まあ良いだろう、念のためゲンタには知らせておくように」


「そう言えばおじさんは今日はいないのですか?」


 レイネが言うように部屋の中にゲンタの姿はない。


「まだ大変遷の影響が各所で出ていてね、後始末に奔走しているよ。第一都市外の小型ダンジョンの処理にも追われているからなおさら最近は忙しくしてるよ」


「そうなんですか」


「そうなのだよ、それと学園生にも手を借りるといった案も出ていてな」


「そんな話が出てるんですね」


「まあまだ案が出ているだけだから今は気にしなくてもいいだろう、それで話というのはなんだい」


 リンネとレイネが一度だけ視線を交わす。


「えーっとその、俺とレイネのことなのですが……、試しにワルキューレをですね」


「そういう話か、ふむ、まあ良いのではないかな。正直な所、カリンくんだけのデータでは手詰まりと言った所だったのだよ。アカリくんのときとは違い、機器などで観測をさせてもらえると助かる」


 レイネが嬉しそうに笑顔を浮かべているが、リンネはどうしたものかと少し考えたが、レイネの嬉しそうな表情を見てまあ良いかとなった。


「えっと、何の話かうちにも教えてほしいかな」


 どうやらそこまで詳しい話はしていないということを察したリオンがまずはといった感じでリンネとレイネに話しかける。


「リンネくんとレイネくんは、今日このままやるということで良いのかな」


「はい、お願いします」


「今日を逃しちゃ駄目って気がするから今日お願いします」


「そういうことなら、私は少し準備をしに行く。その間に情報の共有でもしておくと良い」


「はい、リオンさんよろしくお願いします」


 リオンはチラリとμα(ミーア)で時間を確認する。


「時間もちょうどいいだろう、お昼を済ませてからまたここに来てくれ、その間に準備を済ませておく」


「わかりました」


 リオンたちはぞろぞろと部屋から出た所でリオンと別れ、覚醒者協会から少し離れた場所にあるファミレスに入り込んだ。


 それぞれが料理を注文して、料理が揃った所で食事をしながらリンネとレイネが今までの事をアズサとライチに説明を始める。途中カリンに関する所でアカリも交えて話は進んでいく。


 謎の白い空間、カリンの話ではリンネのμαが作り出した仮想空間といったことや、その中であった出来事など、レイネやミレイも詳しく聞いていなかったことが話される。


「そういうことだったのですか。アカリが怪我をしたというのは聞いてましたが、裏でそのような事があったのですね」


「接吻……、はだかで……、うきゅぅ」


 ライチは興味津々なようだが、アズサは仮想空間でアカリとリンネが暫くの間全裸だったという話を聞いて目を回している。


「カリンさんはそういう風に生まれたのですのね」


「そうだよ、ちなみに名前はボクの名前のアカリとリンネさんを合わせたんだよ」


 アカリのカリンの名付けを聞いて、レイネは自分とリンネの間に生まれるワルキューレの名前を色々と思い浮かべていた。

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