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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第38話 ロックアリゲーターのクールな倒し方

 一階層は中等部ダンジョンと同じで敵はウィードとツノウサギなどで共通だったが、二階層は中等部ダンジョンとは違い動物系の魔物が出てくる。


 動物系といっても侮れないのは一度に襲ってくる数が多くなっているところだ。この二階層に出てくる魔物はフォレストウルフと呼ばれるオオカミの魔物なのだが、一度に10匹を超す数が襲いかかってくる。


 それもあまり時間をかけ過ぎるとどんどん追加される。そのためこの高等部ダンジョンの二階層はすぐに抜けることを推奨されている。そんなわけでもし戦闘をしているパーティーがいれば許可を取らずに共闘をすることが許されてもいる。


「助かりましたリン様」


「ここではお互い様だからね、怪我は無いかい?」


「はい、リン様たちのお陰で誰も怪我一つしておりませんわ」


 三階層を目指していたリンネ一行だが途中でフォレストウルフの団体に囲まれているパーティーと遭遇し、共闘の末フォレストウルフを全滅させた所である。


「よし、それじゃあまたフォレストウルフに見つかる前にゲートへ向かおうか」


 リンネ達は、共闘したパーティーと共に三階層のゲートへ向かっていく。途中一度の戦闘が発生したがリンネパーティーに加え共闘したパーティーで速攻で処理を済ませ三階層のゲートの前にたどり着く。


「それじゃあ俺たちは行くね」


「はい、リンさま、それとレイネさん、皆様ありがとうございます。私達はここを拠点としますので、お気をつけて」


 共闘していたパーティー以外にもゲート近くで集まっているパーティーがある。何かあればすぐに逃げられるようにゲート近くで戦うというのは基本的戦術とも言える。特にフォレストウルフは集団での戦いを強いられるので、近くにいるパーティーに救援も求めやすい。


 リンネたちは、それぞれ手を振りゲートをくぐっていく。


「ここが三階層か」


 リンネが辺りを見回す。周囲は草木が一本もなくゴツゴツとして岩山となっていた。


「さてと、じゃあここからは予定通り三組に分かれて行動だね。組分けは事前に決めていた通り私とリンちゃん、アカリとライチ、ミレイとアズサね」


 この辺りの敵ならそれぞれがソロでも戦えるという事でペアになって別れて戦うことに決めていた。仮に何かがあったとしてもμαのパーティー機能で、バイタルデータなどもわかるので問題ないといったところだ。


 リンネと一緒に行動したかったと思っている一部から不満が出たが、今回はレイネが勝ち取ったのである。ちなみにじゃんけんで決めたようだ。そんなわけでリンネとレイネは二人で敵を探して歩いていく。


「なあレイネ、ここの敵は何なんだ?」


「ここはねロックゴーレムとロックアリゲーターだね」


 リンネの問いにレイネが答える。


「どっちも硬そうな名前だな」


「名前はねー、でも対処方法を知ってたら大して固くないかな」


「そうなのか」


「うん、まあ見ててよお手本は見せるから」


リンネとレイネは警戒をしながらμαの情報を見ながら暫く歩く。そしてμαにロックアリゲーターが三匹いるという情報が表示された。


 ロックアリゲーターは全長が10メートル程あり、ゴツゴツした表皮を持つワニだ。主食はその辺りの石や岩となっており、それらを噛み砕くために顎の力がかなり強い。


「それじゃあまずは戦い方を見せるために私から行くね」


 リンネの返事を待たずに、レイネが鞘から刀を抜いてロックアリゲーターへ向かって歩いていく。レイネに気がついた三匹のロックアリゲーターは「ぐおぉぉぉ」と威嚇をしているが、そんなの関係ないといった感じでレイネはある程度の距離まで近づくとスキルのステップを使い一気に距離を詰める。


 そんなレイネに対してロックアリゲーターはゆっくりと口を開き始めるが、レイネが刀で突きを放つと泥となり消えた。残りのロックアリゲーターも同じように泥となって消えていった。レイネは刀を軽く振って鞘に納めるとリンネたちの元へ戻ってくる。


「こんな感じかな」


「すまん、ちゃんと見てたはずなんだが何をしたのか全くわからなかった」


 リンネからすると気がつけば三匹のロックアリゲーターが泥となって消えていったようにしか見えなかった。


「あー、うん、まあ簡単に言うとロックアリゲーターって口を開けるのにそこそこ時間がかかるんだよね。それに加えて一度口を開け始めたら空けきらないと閉じることができない習性をしているんだよね」


 それを聞いただけでもロックアリゲーターは残念な習性をしているとしか言いようがない。


「だから口が開き切る前に口内から頭に向けてずぶりとね、外は固くても中は柔らかいのってよくあることだよね」


「そういう事か、それにしてもあれじゃあ休み明けの肩慣らしにならないんじゃないのか?」


「あーそれね、本命はロックゴーレムの方だからね。ロックアリゲーターはこうやって倒すんだよって実践しただけだから」


「そうか、それじゃあ次にロックアリゲーターが出たら俺が戦ってみるわ」


「うん、次からは任せるよ、その代わりロックゴーレムが出たら私がやるからね」


「ああ、その時は頼む」


 その後ロックゴーレムを探しながら色々と探し回った。途中でロックアリゲーターと何回か戦闘をしたが、倒し方さえわかってしまえばリンネ一人でも簡単に倒すことができた。


 レイネが言うように、口を開け始めた所にステップで一気に近寄り口内を攻撃することで簡単に倒せてしまう。リンネは試しにゴツゴツした外皮を攻撃してみたのだが、外皮に浅く切り傷を付けるのがやっとだった。


 他に倒し方がないかと色々試した結果、腹のあたりは固くなく簡単に切り裂くことができた。ただし腹の部分を攻撃しようと思えば、一度ロックアリゲーターをひっくり返して腹を天井に向けさせないとまともに攻撃できない仕様になっていた。


 結局ロックアリゲーターを倒すならレイネに教わった、口内から脳天に向けてズブリと刺す事が一番簡単で楽な方法なんだろう。いわゆる先人の知恵といったところだろう。


 リンネとレイネはロックアリゲーターを倒しながらロックゴーレムを探すがなかなか見つけることができないでいた。途中で他のパーティーが4人がかりで戦っている所を見かけた以外に遭遇できないでいる。


「なかなか見つからないものなんだな」


「いつもなら結構すぐ見つかるんだけどね」


「そうなのか……。いつもと違うのって危険じゃないか? ほらゴブリンキングの時みたいにさ変遷が起きたりしないよな」


「変遷に関しては大丈夫だと思うよ、ロックゴーレムって見つからない時はほんと見つからないからね。今日は他にもパーティーがいるから余計にフリーのロックゴーレムが見つからないだけだと思うよ」


 なかなか目的のロックゴーレムが見つからない現状なのだが、レイネにとってはリンネと二人きりのちょっとしたデート気分を味わっていたりする。ここがダンジョンではなく、星空のきれいな海辺だったらきっとレイネはリンネを襲っていたかも知れないほど胸を高鳴らせている。


 アカリとミレイがやってきて共同生活が始まってからは、家でも二人きりになる機会がなくなっている。そんな中、今回ダンジョンの中とはいえ二人きりでいられるこの状況がレイネにとってはチャンスに思えて仕方がなかった。


 レイネは周りに誰も居ないことを確認をし、覚悟を決めてリンネに声掛ける。


「ねえ、お兄ちゃん少し話があるのだけど」


 隣を歩いていたリンネがレイネの方を向いて首をかしげる。


「あのね私―――」

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