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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第37話 ヴァルキュリア始動

 リンネとレイネの暮らすゲンタの家にアカリとミレイが加わり土日に協力して荷物の整理を済ませた。最初はレイネが反対もしたりと荒れるかと思っていたリンネだが、リンネの知らない所で協定が結ばれレイネたちは落ち着きを取り戻していた。


 そんな共同生活が始まって一週間が過ぎた。共同生活の初日からリンネの入浴時になぜだか全員突入してきたりというハプニングが……、レイネたちにとっては既定的な出来事が起きたり、リンネの寝室に侵入しようとする勢力との攻防が繰り広げられたりと、リンネの知らぬ所で飽くなき戦いが行われていた。


 そんな週明けの放課後、リンネたちは高等部ダンジョンの一階層に降り立っていた。早速着替えを済ませる面々だが、リンネたちの装備の様変わりしていた。


 リンネの装いは、純白のミニワンピースにチュールスカート、そしてその上には各部を守るように鋼で作られた白銀の鎧をまとっている。胸元と二の腕に太ももは露出しているが前回までに比べるとかなり充実した装いになっている。レイネの視線がそんなリンネの胸元に集中しているのは言うまでもないだろう。


 武器としてはゴブリンナイトが使っていた直剣を、新たに鞘をしつらえて腰に下げている。ゲンタの倉庫で一度武器を見繕ったのだが、結局はこの直剣を使うことにしたようだ。ちゃんと整備がされており、見栄えは最初手に入れた時よりも良くなっている。


 そしてレイネの装いも若干変化している。前回まではオーソドックスな巫女服だったのに対して、現在はどこからどう見ても、そっち系のお店で出てきそうなコスプレのような服になっている。ミニスカ巫女服とでも言えば通じるだろうか、上は二の腕が露出されていて、下は膝下辺りまでの長さしか無い袴となっており、足全体は白いオーバーニーソックスで覆われている。


 リンネからは色々と言いたそうな視線が送られているが、レイネとしては満足行く装いのようだ、無い胸を精一杯そらしドヤーといった表情を浮かべている。まあ、へそが出ていないだけマシなのかも知れない。武器に関してはゲンタの倉庫から新しく手に入れた刀を腰に帯取りを使い下げられている。その刀は今まで使っていた打刀ではなく、太刀となっていて反りが深くなっている。


 一方アカリの姿は前回とほぼ変わっていないし、ゴブリンキングとの戦いで全損したのを理由に新しく購入したのだが注文した所が同じだったので結局同じような感じになっている。ただし使っている素材はかなり上等なものとなっており、この防具ならゴブリンキングの攻撃も数回なら耐えられるようだ。


 武器に関してはゴブリンキングに砕かれた手斧の代わりに新調され誰が見ても業物だと思われる手斧より少し大きい斧が二本腰に下げられている。この斧はゲンタがダンジョンから手に入れたものらしく、魔導具となっており手に持つと重量の割には使用者に取っては軽くなるようだ。


 本人は戦士だと言い張っているが、はたから見るとやはりどこか蛮族めいて見えてしまう。露出に関しても今まで着ていたものと同じで、肩、お腹、太ももが露出されている。


 ミレイの服装は今までと同じシスターの服を着ている。元々いい素材で作られているものなので変更はされていない。ゴブリンキングの攻撃にも服自体は破損などもしていないところからその頑丈さはわかっていただけるだろう。


 武器に関してもトゲトゲの付いたモーニングスターが腰にさげられている。そちらの武器も前回から変わっていないようだ。


 風鈴ふうりんアズサは、リンネたちとおそろいのブレスレットに手を触れて着替えをすませている。クラスは弓師なのだが、その装いはレンジャーや弓使いといったほうが良いかも知れない。弓師というと、和装に胸当てを想像するかも知れないが、アズサの装備は露出する場所が殆どない。

 

 薄緑色のノースリーブのショートワンピースの上から薄緑色の長袖ボレロを着ており、更にその上から緑色のフード付きマントを羽織っている。下は迷彩柄の長ズボンとロングブーツになっている。武器としては背中に梓弓と矢筒を背負い腰元には小さめのボウガンとサバイバルナイフが下げられている。


 特になにか反応をするわけでもなく、目深にフードを下ろしていて表情は全く見えないが、視線はレイネに向いており苦笑を浮かべているように感じられる。


 最後に鈴ノ宮(すずのみや)ライチの格好は、これぞ陰陽師といった感じだろうか。藍色を基準としたスカート丈の短い今どき風な、こちらもレイネに似たコスプレ衣装とも言えそうな陰陽服となっている。


 スカート丈が短いが下にはショートパンツが履かれており全体的にレイネの2Pカラーと言えなくもない、この衣装を作ったのはレイネの巫女服を作った人物と同じ人なのだろうとわかるデザインになっている。武器らしいものを持っていないが、胸元からセンスの持ち手が見えている。


 そんなパーティーメンバーの装いを見て、改めてリンネはこう思った。ここはどこのコスプレパーティー会場なのかと。周りをぐるりと見回しても、今からハロウィンが始まるのかと思わされそうなほど、他のパーティーの装いも可愛い系からかっこいい系まで様々な衣装をまとっている。


「それで今日はどうするんだ?」


 リンネがレイネに声を掛けた。


「んー、久しぶりのフルメンバーだからね、どこまで行く?」


「今日は三階層辺りで新しい装備のチェックも兼ねる感じで良いんじゃないかな」


 レイネがパーティーメンバーを見回して聞くと、アカリがそう答えた。


「そうだね、私もこれを試してみたいからね、しばらくダンジョンに潜ってなかったし、今日は肩慣らしとちょっとしたお小遣い稼ぎもしよっか」


「わたくしもそれで構いませんわ」


「わたしもそれでいいです」


「賛成、うちも久しぶりだからね。それとお金は大事」


「うん、全会一致という事で、とりあえず三階層を目指すということで、それじゃあリンちゃん号令よろしく」


「俺が?」


「うん、このパーティーリーダーはリンちゃんになってるからね」


「いつの間に」


「そりゃあパーティー名決めた時に一緒にリーダー申請もしておいたんだよね。ちゃんとみんなには了承取ってるから」


「それこそいつの間にだよ」


 リンネがパーティーメンバーを見回すと、それぞれがうなずいて見せる。


「はぁ、それじゃあ、なんて言えば良いんだ?」


「なんでも良いよ、私がリーダーのときは、今日も安全に頑張ろーだったからね」


「そんなんでいいのかよ、それじゃあそうだな。まあ、久しぶりのダンジョンということで適度な緊張を持って行きましょう」


「「「おー」」」


 リンネたちはさっそくμα(ミーア)を起動し二階層へのゲートへ向かい歩き出す。μαには次の階層へ向かうゲートへの最短ルートが表示されているので迷うこと無く数分でゲートまで到着することができた。リンネ達は下層へと向かうための青いゲートへと、ためらいもなくくぐり二階層へと降り立った。

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