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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第34話 カリンという存在

 いつも通り地下の研究施設に通されたリンネとアカリの正面にはリオンが座る。


「さて、わざわざ来てもらったわけだが、検査結果としては何も問題は見受けられなかった」


 それを聞いてホッとするリンネとアカリ。当然といった感じで胸を張っているカリン。ちなみに、レイネとミレイはゲンタの倉庫で新しい装備を物色中だったりする。レイネが使っていた刀なのだが、ゴブリンキング戦の時に薙刀と入れ替えでその場においたのだが回収を忘れてしまっていた。


 それから薙刀の方もゴブリンキングの攻撃によって持ち手が割れてしまい、そちらもダンジョンに置いてきてしまっていた。既にダンジョンは消滅しているので回収はできなくなっており、そういった理由で新しい武器を物色している。


 そのようなわけで今部屋の中にいるのはリンネとアカリとカリン、それとリオンだけである。


「さて、一つ実験に付き合ってもらいたいのだが良いだろうか?」


「実験ですか?」


「そうだ、危険は……多分無い。ちなみに手伝ってほしいのはカリンくんにだな」


「カリンに? どういったものなんですか」


 アカリがカリンに視線を向けて尋ねている。


「それはだな」


 リオンはよっこいしょと言いながら一つの大きな装置をテーブルの上に置く。


「これの上に乗ってみてほしいのだよ」


 そう言って指さした場所はμα(ミーア)が世に出る前に使われていたホログラム装置のように見えた。その装置の台座にフィギュアなどを乗せると空宙にホログラムとして表示されるといったものだ。


「見た目は我々が生まれる前に使われていたホログラム装置なのだが、それを少しいじってな、そこの台座の部分にカリンくんが乗ると君たち二人以外にも見える……かも知れないといったものだ」


「かも知れないですか」


「そうだ、実験しようにもカリンくん以外に試せるものがないのでな」


「カリンはどう思う?」


「『ボクはかまわないかな』だそうです」


「そうかでは早速お願いしたい、乗ったら言ってくれ」


 リオンの言葉を聞いてカリンが台座の部分にぺたん座りをする。


「乗りましたよ」


 それを聞いてリオンはカチリとスイッチを押し装置の電源を入れる。ブゥゥゥゥという音とともに装置が立ち上がり、空宙にぺたん座りをしているカリンの姿が映し出された。


「おぉこれがカリンくんか、見た目はアカリくんにそっくりだが目元はリンネくんに似ているな」


 ホログラムとして映し出されたカリンの姿を見て、リオンは興奮気味に話し始める。カリンはカリンで自分の姿がリンネとアカリ以外にも見える状況を面白がっているのか、立ち上がり色々なポーズを決めている。このなんとも言えないノリの良さはリンネ譲りなのだろう。


「ははは、我ながらうまくいくとは思わなかったよ、残念なのは音声までは出力できないことだろうな」


「この装置だと音声は無理そうですね」


 リンネは未だにノリノリで踊っているカリンを見ながら答えた。


「だがこれでわかったことはある、カリンくんはリンネくんとアカリくんとは別の独立した存在だということがね」


「えっと、ボクにはよくわからないんだけど」


「そうかい? ちなみに今、リンネくんとアカリくんにはカリンくんの声が聞こえているかね」


「そりゃあ……、えっ聞こえない」


「ボクも聞こえないよ」


「そうだろうそうだろう」


 そう言ってリオンは紙に「装置から降りてもらえるかな」と書きカリンに見せた。それを見たカリンは踊るのをやめて台座から降りた。


『すごいですね、ボクが他の人にも見れるようになるなんて』


「あっ聞こえる」


「ボクにも聞こえるようになった」


「まあそういうことだ、あの台座に乗ることで擬似的にリンネくんとアカリくん二人とのリンクを遮断するようにしているのだよ」


「でも見えてましたよ」


「それこそがカリンくんが独立した存在だという証拠でもある」


「えーと、ボクにはよくわからないから、ボクも新しい武器選びに行ってくるよ」


 アカリは早々に考えるのをやめて、そう言って部屋を出ていった。アカリも前回の戦いで手斧を二本とも壊されてしまっていて、そのためゲンタから新しく武器を譲ってもらえることになっている。


 それを仕方がないなといった感じでリンネとカリンは見送る。再びリオンに向き直り話を再開する。


「えーっと、俺とアカリのμαにはカリンが主体として何らかの通信がやり取りされているってことですか」


「そういうことだろうね、リンクを遮断したことにより声のみが届かなくなったというわけだ。最初話を聞いた時はリンネくんのμαが主体だと思っていたのだが、どうやら生まれてしまえばワルキューレは独立した存在となるようだ」


「それではまるで本当の子どものような」


 リンネがカリンに視線を向けると、カリンがニコリと笑ってうなずいてきた。


「そうだな、今後はアカリくんとリンネくんとは別の存在としてカリンくんは成長していくことになるのだろう」


「あれ? カリンが主体ならなんで俺とアカリ以外には見えないんですか?」


「それはだ、リンネくんとアカリくんのμαが、我々のものと違うからだな」


『リオンさんの言う通りです、アカリお母さんとリンネお母さんのμαは特別なものになっているからです』


「ふぁっ、なんで、いつの間に?」


「どうかしたかね」


「いえ今カリンが俺とアカリのμαが特別なものになっているって言ったので驚いたんですよ」


「ほほう、やはりそうか」


「やはりそうかって何か知ってるんですか」


「全貌がわかっているわけではないがね、リンネくんのμαが変化したのは君が覚醒したときだと思われる、最初に検査した時にはわかっていたことだな。そしてアカリくんのμαが変化したのは、君たちが三位一体となったときだろうな、昨日の検査でそうではないかと思われる結果が出ている」


「そうなんだ、いや確かに言われてみると変化したタイミングはその時くらいしか思い浮かびませんね」


「事後承諾になるが君たち二人のμαに関しては、今現在解析をさせてもらっている、この結果次第ではなにかがわかるかも知れない」


「それはかまわないですけど、カリン俺とアカリのμαは他とは違うということだが、それによって俺たちに悪影響みたいなものはあるのか?」


『悪影響はありません、それに関しては断言できます、理由は今現在はお話できませんが』


「そっか、ならカリンを信じるよ」


「カリンくんはなんと?」


「今は話せないけど悪影響はないとのことです」


「そうか、さて興味は尽きないが今日はこれくらいにしておこうか、このホログラム装置を少しいじりたいのでね」


「わかりました、それじゃあ俺も武器を選びに行ってきます」


「そうすると良い」


 リンネはお辞儀をして部屋を出ていく。それを見送ったリオンはホログラム装置のさらなる改造と小型化のための作業を開始した。

9日に連続投稿をしたために予約投稿がズレまして、全部修正するのがめんどk……げほごほ

次話は11日18時公開となります、その次の話も翌日の18時公開へと変更させていただきます。

それ以降の公開に関しましての詳細は36話のあとがきをご確認くださいませ。

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