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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第143話 順調に進んでいる

 リンネたちがダンジョンへ突入して一週間経った。探索は順当に進み、特にトラブルもなく五十階層へとたどり着いていた。この速度が遅いのかというとむしろ早いと言っていいだろう。


 リンネたちが最初百階層にたどりついた方法は、ひたすらタイムアタックを用いたショートカットだったために時間がかからなかった。だが今回のダンジョン探索は地道に一階層ずつ踏破していかなければいけない。


 ただ前回百階層まで行ったチームが持ち帰った地図があることから、次の階層へはほぼ真っすぐ向かうことが出来ている。それでも時間がかかってしまっているのは、各階層が広いからだ。


 そのための自転車ではあるが、それでも時間はかかってしまう。どうしても避けられない魔物の群れなどを倒しつつリンネたちは五十階層のボス部屋前へたどり着いた。


 ちなみに、五階層ごとに行き来が出来るゲートがある事から、リンネたちや他のチームはタイミングを見て帰還して地上で夜を過ごすことにしている。わざわざ野営をする必要もなく、魔物に襲われる危険を犯す必要はないということになる。


「さてと、今日は五十階層のボスを倒したらおしまいかな」

「それがいいだろうね」


 リンネの言葉にリオンが頷いてそう返した。


「私たちの進行速度って他のチームより早い感じですか?」

「そうだな。他のチームは四十階層あたりだったはずだ」

「そうなんですね」


 リンネたちのとっては、ボスよりも移動に費やす時間のほうが長いと感じている。だが他のチームは長い移動時間に加え五階層ごとに出てくるボスクラスの敵も厄介であったりする。


 この辺りは一度百階層までなら通常の階層ボスよりも強いショートカット部屋のボスを倒してきたリンネたちが異常とも言える。リンネたちに自覚はないが、仮にワルキューレ化を使わない状態だとしてもリンネたちの実力は日本で上位に入るほどである。


 その上でワルキューレ化を使った場合は日本のトップになることだろう。日本以外の覚醒者の実力はわかっていないが、もしかすると世界でも上位になると思われる。


 ただ海外の情勢を詳しく知るのには、百一階層へおもむき他国人との情報交換で詳しくわかることになるだろうと、リオンは考えている。百階層を超えてきている他国の者たちの実力を疑っているわけではないが、それでもリンネたち以上の実力者がそう多いとも考えていない。


「なにはともあれ、ちゃっちゃと終わらせて帰ろう」

「そうですわね」


 アカリとミレイもやる気十分のようだ。


「じゃあ行こうか。情報通りならこの階層はのボスはメデューサってことだからみんなサングラスをかけるように」

「「「はーい」」」


 誰が見つけた対策なのかは不明だが、石化能力のあるメデューサにはサングラスが有効だという話が広まっている。メデューサを見るものは石化するという逸話の中で、鏡のように磨き上げられた盾を見て倒したというものがある。つまりは直視しなければ効果がないのではというところから誰かが試したようだった。その結果がサングラスということになる。


 みんながサングラスを掛けたことを確認したリンネは、先頭に立ちゲートをくぐっていった。


 リンネたちの前に現れたメデューサはラミアのような姿をしていた。頭からは髪のようにも見える無数の小さなヘビがうごめいている。顔から体にかけては普通の人のそれである。そして下半身はヘビの姿をしていた。


 部屋の中央に佇むメデューサを確認したリンネたちは、それぞれが武器を持ち駆け出す。ある一定の距離まで近づいた所で、メデューサの目が怪しく光ったのがリンネたちにはわかった。


 ただメデューサの行動はサングラスに遮られ効果を表すこともなく、速攻で近づいたリンネたちの攻撃を受けあっさりとその姿を泥に変え消えていった。


「石化がないメデューサなんてこんなもんだよね」

「サングラスがなくても、わたくしのスキルで防げまずし、回復もできますわよ」

「まあいいじゃない。私たちならミレイはなんとか出来るけど、他の人たちはそうもいかないだろうからね。こういう裏技みたいなのは必要だと思うよ」

「アカリくんたちなら、サングラスすら必要はないのではないかな? 相手の初期位置さえわかっていれば目を瞑っていても倒せるだろう?」


 リオンのその言葉に、皆が確かにといったように頷いている。


「さてと、宝箱とゲートが出たことだし中身を確認して戻るか」

「それじゃあ私が開けちゃうね」


 レイネが念の為に罠がないかを確認した後に宝箱を空けた。


「盾かな?」


 レイネが宝箱の中から一つの盾を取り出した。


「んーいらないかな」

「そもそも私たちのパーティって誰も盾を使ってないよね」


 レイネの持つ盾は円盾で、その表面にはメデューサの彫刻が彫られていた。


「少し貸してもらえるかな?」


 リオンがレイネの手から盾を受け取ると調べ始める。


「どうやらこの盾には軽い麻痺のような効果があるようだ」

「石化ではなくて麻痺ですか?」

「そうだな。それもこの盾を見つめている間だけの効果のようだ」

「あまり役に立ちそうではなさそうですね。誰か使う?」


 リンネが尋ねるも誰も使いたいとは思わないようだった。結局丸盾はリオンに譲られることになり、暫くの間リオンの研究室で魔除けとして使われることとなった。

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