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第140話 他国との邂逅

『ここからは変わって、ここ第一ダンジョン都市に残っている原初ダンジョンについて話をさせていただきます』

「あ、ゲンタおじさんだ」

「ほんとだ。まあダンジョンの話ならおじさんがでててもおかしくはないかな」


 先程まで話していたコウヤに変わり、映像にはリンネとレイネの叔父である霧影ゲンタが映し出されていた。


『ダンジョンが減り続け現在ここ第一ダンジョン都市に残っているダンジョンは原初ダンジョンだけとなっています。そしてその原初ダンジョンを複数の探索チームが送り込まれいくつかのチームが帰還を果たしています』


 本来なら原初ダンジョンの百階層を攻略したリンネたちもその探索チームに加わる予定であった。だがリンネの検査や体調が考慮され、探索チームから外されることになった。


 ただ原初ダンジョンの最奥まで行ったという事で、情報提供をしている。どの階層にどういった魔物が出るか、安全地帯やショートカットの情報。そして特殊階層に関する情報を全て話すことになった。


 特殊階層がタイムアタックのようになっていることや、どの階層にどういったボスがでてくるのか。そのボスの対処方などを情報として売ることになった。


 リンネたちも元々秘匿するつもりはなかったのでちょうどよかったとも思っている。ただ百階層を攻略したことや、情報の発信源などは秘匿されている。


『情報提供者によりスムーズにダンジョン攻略は進み、百階層にまで到達したチームも帰還を果たしています。そしてそのチームよりもたらされた情報があります』

「情報ってなんだろうね。ボクたちが攻略した時は先に進むゲートもでなかったし、めぼしいものが手にはいらなかったよね」

「そうですわね。ただあの時はリンネさんが倒れてしまい、全てを確認できたわけではないですわね」

「そうなんだよね」


 オロチを倒しダンジョンコアに触れたリンネが意識を失い。それを見たレイネたちは戦利品の回収もそこそこにして帰還をしていた。そのためになにか見落としがあったとしてもおかしくはない。


『その百階層にたどり着いた探索チームがいうには、そこにいるべきボスは存在せずにダンジョンコアも見つけられなかったということです。ただし何もなかったというとそうではありませんでした』


 どうやら探索チームはリンネたちが見つけることが出来なかった隠された何かを見つけたようだった。


『百階層の奥、最初に百階層を攻略したパーティーによる報告通りならそこには地上への帰還用ゲートだけがあるとのことでした。そして今回百階層にたどり着いた探索チームはそこで更に下層へと続くゲートを見つけたのです』


「えっと、見落としてはいないよね?」

「うん、一応一通り見て回ったけど下層のゲートなんて無かったよ」

「わたくしたちが帰還したあとに出来たと考えたほうがいいですわね」

「もしくは俺がダンジョンコアに触れて気を失っている間になにかがあったのかも知れないな」


 そういうリンネだったが、なんとなく意識が過去に行っていたことが関係しているように思えた。そしてリンネが意識を取り戻したことが今起きている現象のトリガーになったのではないかと。


『そして推定百一階層へと向かった探索チームですが、そこである人物たちと出会うことになりました』


「それって次の階層に誰かがいたってこと?」

「そうだと思うけど、ほら続きが」


『そこにいた人物ですが……それは他国の人間でした』


「他国ってここ日本以外の人のことだよね。確かダンジョンが出来てから程なくして通信もできなくなって、交流自体が途絶えてしまって」

「詳しくは知らないけど、未だに健在な国の情報は得ているみたいだけど」


 陸地でつながっている同じ国内であっても、通信がままならず交通手段もほぼ途絶えてしまっている。ここ日本では海を超えた先にある他国との交流は完全に途絶されていた。


 ただ定期的に成層圏まで小型衛星を打ち上げることで情報収集をしていた。それはあくまで情報収集にとどまり、交流的なものはなかった。それが今ゲンタが言ったように、他国の者と出会えたのならダンジョンを通して他国へ行くことも可能になるのかも知れない。


 ゲンタの話は続く。接触した探索チームだが英語の会話が出来るものがおらず、なんとか身振り手振りで対話を試みた。後は簡単な単語だけのやり取りで情報を得て帰ってきた。


 次回は英語が出来る者を連れていき、改めて会うことにしたようだ。ちなみにリンネたちの中で英語が話すことができるものはミレイだけだったりする。他国との交流が途絶えたために多国語を学ぶものは減っている。リンネたちも学校の科目として簡単なものは学んでいるが、会話ができるかというとそうでもない。


「次の探索に応募してみる? ミレイが英語できるよね?」

「興味はありますわ」

「それじゃあ、おじさんに言ってみよっか」

「いいね。最近ダンジョンに潜れてないから体がなまって仕方がないし」

「参加かー。だけど問題がな」


 そういうリンネの視線は、スズネたちに向けられる。


「あー、カリンちゃんたちをダンジョンに連れて行くとなると色々と問題がありそうだね」

「流石に子どもの姿をしたスズネたちを連れてはな」


 今のところスズネたちが実体を持った後、リオンと相談出来ていない。そのためにスズネたちが今どういう状態なのか不明のままということになる。今のところ必要がないと思いワルキューレ化ができるかどうかも調べていない。


「それなら大丈夫ですよ」


 ただとうのスズネは何も問題ないというようにそう言った。

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