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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第119話 それぞれの新しい武器

「さてと、次はレイネの刀だね」


 レイネはサキナから渡された刀の鯉口を切り、ゆっくりと抜いていく。


「……」


 鞘から抜かれた刀の波紋がなんとも美しい太刀だった。普段レイネが使っているものよりも、大きいその太刀はその見た目よりも軽く感じられた。息を止めしばらく太刀を眺めていたレイネは、ゆっくりと鞘へと刀を仕舞う。


「ふぅ、ここまでうつくしい太刀は初めて見ました」

「そうだろう、私もこれほどのを打てたのは初めてだよ」

「これもあのミノタウロスと一緒にですか?」

「うん、まあ、そうだね。今回の武器づくりはミノ太郎に手伝ってもらったんだ。流石に焼入れなんかは私一人でしたけどね」

「じゃああの波紋はサキナさんが作り上げたものなんですね」

「そうだね。自分でも上出来だと思ってる」


 サキナは照れくさそうに笑っている。


「大事に使わせてもらいますね」

「太刀だから、今までのより大きいけど重さは変わらないはずだよ」

「確かに大きさから想像していたよりも、持ってみたら軽かったですね」

「まあ、重さは変わらなくてもリーチなどは変わっているから気をつけてね」

「はい」


 レイネは太刀をそっと横に置く。


「次はアカリだね。これは結構苦労したかな」

「それってナックルとかメリケンサックって言われている物ですよね?」

「そうだね。まあ一度付けてみてくれるかな」


 アカリの前に置かれているのは、いわゆるナックルやメリケンサックと言われる四つの輪っかのある物だ。


「二つあるから両手につければ良いのかな?」


 アカリは首を傾げながら両手にナックルを付けた。


「意外と着け心地はいいかも

「付けたね。それじゃあその両手のナックルをお互いに打ち付けてもらえるかな」

「打ち付ける? こうですか?」


 疑問に思いながらもアカリは言われるままに拳と拳をぶつける。するとナックルからカシャカシャとなにかが動く音が聞こえ始まる。


「えっ、えっ、なにこれ」


 ナックルが分解されるようにカシャカシャとパーツが伸びる。そして気がつけばアカリの両手は鉄甲で覆われていた。


「なにこれ面白い」


 鉄甲をニギニギしながらアカリが面白そうに笑っている。


「最初はその鉄甲と作ったんだけどね。鉄甲って装備するのに意外と時間がかかるでしょ? だから変形出来るようにしたらどうだろうかと思ってね」

「確かに鉄甲って意外とかさばるし付け替えるのが面倒くさいからね。こういうナックルから鉄甲に変形するなら持ち運びには便利だね。あとかっこいい」

「気にいって貰えたなら嬉しいよ」

「ちなみにこれってどうやったら元に戻るの?」

「戻すには、手のひらで二回拍手をしたら戻るようにしているよ」


 さっそくアカリはパンパンと手を打つ。すると先程の逆回しをするようにカシャカシャと音が鳴りナックルへと変わっていく。あえて言うのなら鉄甲よりもナックルのほうが小さいはずなのに、なぜか収まっている事だろうか。


「これって普段はナックルとして使ってもいいんだよね?」

「ナックルだけでも強度は高いから問題ないよ」

「そっか、サキナさんありがとう」


 アカリは変形をする機能が気に入ったのか、鉄甲に変形させてはナックルに戻すのを何度も繰り返して遊び始めている。


「次にこれがミレイのになる」


 ミレイの前に置かれているのは大ぶりのメイスだった。


「まずは手にとって見てほしい」

「失礼いたしますわ」


 ミレイはメイスを手に取る。


「重いですわね」


 そのメイスは先程のリンネやレイネのもののように見た目よりも軽いわけでもなく、逆に見た目よりも重いようだ。


 「うん、重いと思う。軽く作れなくもないけど、ミレイの場合は重いほうが良いかなと思ってね」

「はあ、この程度でしたら特に問題はありませんわ」

「えっとそのメイスはちょっと特殊でね、ここで説明するには狭いから道場の方へ移動しようか」


 サキナが立ち上がり、それぞれが武器を手に移動する。移動先は敷地内にある道場だ。この道場はなにか武術を教えたりする場所というわけではなく、サキナやその祖父が作った武器を試すための場所だ。


 そのために道場とは名ばかりの、半分ほどが物置な状態になっている。試し切りのための稲わら人形や、その稲わら人形に防具を付けたものなどが壁際に寄せられ置かれている。


「えっと、これでいいかな」


 壁際に置かれていた防具付きの藁人形を道場の中央まで運び立てかけた。


「まずはそのメイスなんだけど、持ちての底をひねるとトゲが出ます」

「トゲ?」

「そうトゲだね。試しに持ちての底の部分を回してみてもらえるかな」

「こうでしょうか?」


 ミレイは片手にメイスを持ちながら、片手で持ち手の底に触れて回す。するとメイスからジャキンという音がなり複数のトゲが飛びだした。


「おぉーかっこいいね」

「すごく物騒な見た目になったな」


 アカリはかっこいいといい、リンネは物騒だという。


「あれで殴られたくはないね」

「これがあるから重かったのですわね」

「重いのはそれだけじゃあないけどね。えっと危ないから一度トゲを収納してもらえるかな。収納の仕方は出したのと逆に回せばいいから」


 ミレイが再び持ちての底を回すとでていたトゲが内側に収納された。


「それのもう一つの機能なんだけど、ちょっとコツが必要でね。やり方は底の部分を軽く押し込んでから、振り上げて振り下ろすだけだよ」

「スイッチですか?」


 ミレイが試すようにまずは底部分を押し込む。そしてミレイは重いはずのメイスを片手で振りかぶり勢いよく振り下ろした。すると振り下ろされる途中でメイスの先端部分が外れ、その先端部分は鎖に繋がれていた。


「モーニングスターですわね」

「そうだね、その認識でいいかな。鎖の長さはある程度調整できるからミレイの使いやすい長にしてくれればいい」

「ミレイさんありがとうございます」


 新しい武器の引き渡しが済んだ所で、本日の話は終わりということになった。この後リンネたちは時間ギリギリまで今いる道場で新しい武器の使い勝手を楽しんでいた。

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