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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第11話 バレちゃった

 あちゃーといった表情を浮かべるレイネ。いたずらが成功したような表情を浮かべて笑っているアカリ。こういう時、どんな顔すればいいのかわからないといった表情を浮かべているリンネ。


「あはは、お久しぶりですねリンネさん」


「えーっと、アカリはいつからわかってたの?」


 諦めたようにため息をつきながらレイネはアカリに問いかける。


「それは食堂で二人を見たときだよ」


「えっバレる要素なんて無いと思うんだけど」


 レイネがアカリに詳しく聞こうと思ったタイミングで昼休みの終了を告げる予鈴が鳴った。


「おっとお昼も終わりだね、詳しい話は放課後聞かせてもらうよ、それじゃあまた後でね」


 そう言ってアカリはコーヒーカップとソーサーを返却口に返して走り去っていく。


「リンちゃん私たちも戻ろっか」


「ああ」


 すごく疲れた感じの二人もカップとソーサーを返却口に返し教室に戻る。再びリンネを眠気が襲う。お腹に物が入ったため午前よりもその戦いは厳しいものとなっていたがなんとか乗り切り放課後を迎えた。


 授業が終わりレイネがμα(ミーア)を使いアカリと連絡をしている。それを横目に見ながらリンネはレイネに付いて歩き出す。


「よし、リンちゃんアカリと合流するよ」


「どこに行くんだ?」


「とりあえず購買部に併設されてるカフェで集合だよ」


 そう言ってレイネは早足で歩き出す。二人が集合場所に到着すると既にアカリは来ていたようで、店の入口近くからリンネとレイネに向かって手を振っている。


「お待たせ」


「ボクも今来たところだから、とりあえず個室予約してるから行こっか」


 入り口の機械でそれぞれケーキセットを注文して学生パスで支払いを済ませ、受け取り口で注文品を受け取り個室へ向かう。個室はアカリが学生パスをかざすと開き、三人とも中に入り込む。


「さてと、それでリンネさんはなんでそんな事になってるのかな? 見た目がぜんぜん違うけど女装ってわけではないよね」


 三人が席につくと早速アカリがリンネに尋ねる。


「あー、まあ、まずはそうだな、アカリちゃん久しぶり、三年ぶりくらいになるのかなと、思ってたよりきれいになっていて驚いたよ」


「もうリンネさん、からかわないでくださいよ」


「いやいや嘘偽りのない本音だよ」


「そうですか、それならちょっと嬉しいかな」


 なんだかいい雰囲気を醸し出している二人に我慢できなくなったのかレイネが割り込む。


「はいはい、そこまで」


 リンネがコホンとわざとらしく咳払いをする。


「アカリちゃんが気がついたのはどうして? 俺の姿って自分でもいうのは何だけど前とぜんぜん違うと思うんだけど」


「んーそうですね、ぱっと見た瞬間わかったというか、レイネとリンネさんの距離感を見てピンときたというかそんな感じだね」


「そうなのか、レイネとの距離感と言われても特におかしなところは無いと思うけど、実際気づかれてしまってるわけだし気をつけたほうが良さそうだな」


「大丈夫だと思いますよ、きっと気づけたのはボクだからだと思うので。それよりリンネさんがそんな可愛い女の子になってる理由をそろそろ教えてほしいかな」


 リンネとレイネはどうする? という感じで目で会話をしている。バレてしまったわけだしいっそのこと協力者になってもらおうかとアイコンタクトで会話を済ませる。


「二人して見つめ合って、相変わらず仲がいいよね」


「もう、そんなんじゃないから。そうだねアカリは私たちに協力してくれるってことでいいんだよね?」


「変なことでもなければ協力するよ」


 いちごのショートケーキを食べ始めたリンネに変わってレイネが説明を始める。あの日、レイネが急いで帰った後から今日に至るまでのことを、隠すべきことは隠しながら話しきった。


「そういうわけでアカリちゃんにも協力してほしいと思ってる」


「ボクも変わったクラスを得て身体変化をしたってのは聞いたことあるかな。性別が変わったっていうのは初めてだけど。うんいいよ協力する、それより最初っから言ってくれたら良かったのに」


「それも考えたんだけどね。しばらく様子見してから話すつもりだったんだよ、流石に初日にバレるとは思っても見なかったけどね」


「それでとりあえずリンネさんを中等部のダンジョン実習を終わらせるのが最初の目的で良いんだよね」


「そうなるかな、中等部の実習を終わらせられたら、高等部のダンジョン実習を今の私たちのレベルまで進められればいいかなと思ってる、そこまで行ければ後は回数をこなすだけだからね」


「アカリちゃん改めてよろしく」


「はい、任せてください、ボクがいれば百人力ですよ」


 そう言ってアカリは力こぶを作る真似をするが、アカリの上腕二頭筋は見るからにぷにぷにしていて触ったら気持ちよさそうである。


「それじゃあ、そろそろダンジョンに向かおっか、お兄ちゃんの装備なんかはおじさんが用意してくれたんだよね」


「おう、なんかまだ実験段階の試作品という事で受け取ってる。まだ一度も使ってないからどんなのかわかってないけどな、使うのはダンジョンに入ってからとは言われてる」


 そう言って右手首につけているブレスレットを見せる。そのブレスレットには5つの色違いの宝石のようなものがついている。


「そうなんだ、まあ試してみたらわかるね、良さそうなものだったら私もお願いしようかな」


「まあ使い慣れてるもののほうが良いかもしれないけど、頼んでみたら良いかもな」


「よし食べ終わったし早速行こうか」


 リンネが立ち上がり食器などはそのままにして三人連れ立って出ていく。リンネたちが去った後、STAFF ONLYと書かれた通路から清掃ロボットが出てきて、食器を回収しテーブルを消毒して戻っていった。



 中等部で管理されている小型ダンジョンの前。リンネとレイネとアカリがダンジョンの入り口で入場手続きをしている。三人とも制服姿だが、レイネとアカリは小さめのバックパックを背負っている。


 今はダンジョンの入場を監視している女性の職員に事情を説明して、高等部に確認を取ってもらっている。


 中等部のダンジョンに高等部の学生が来る事は皆無ではないがそうあるものではない。なのでそこに高等部の制服を着た三人が現れダンジョンに入ろうとしていた所を、引き止めて話を聞くのは間違ったことではない。


「はい、確認が取れました。元々は二人の予定だったのが三人になったことは把握をされていませんでしたが、改めて許可が取れました」


「すみませんうっかりしてました、以後気をつけます」


「よろしい、それでは高等部のあなた達に言うことではありませんが気をつけてくださいね」


 気を取り直し門をくぐる。学内の小型ダンジョンは分厚いコンクリート壁にぐるりと囲まれていて出入りは一箇所だけある鉄門だけだ。施錠は外側の方からのみできるようになっている。


 門をくぐりダンジョンの入口の前に立つリンネ達。周りに他の学生がいないのは、この時期はまだ中等部の学生のよるダンジョン実習の頻度が多くて週一回しか無いためだ。そういった理由で今日このダンジョンに潜るのはリンネ達だけとなっている。職員が常駐しているのは、勝手に忍び込まれるのを防ぐのとリンネ達のような特例に対処するためだ。


「お兄ちゃん準備はいい?」


「おう、大丈夫だ」


「リンさんは初ダンジョンだね、中にはいったら驚くと思うよ」


 リンネ達の前にあるダンジョンの入口はアーチ型になっており、薄い光の膜が貼ってあるように見える。リンネは覚悟を決め、その膜へと手を突き入れ感触を確かめた後に一気に中へ飛び込んだ。

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