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第8章 現実主義者(リアリスト)?

少し余裕が出来たので連続更新です

しかし特に話が進展するわけでもなく、ただ前回の続きですね。

自分でも何がしたいのかいまいち分からない回です^^;

「翔輝さん、おはようございます」

「ん?あぁ、譲葉。どうだ、こっちの世界最初の朝は?」

「最悪です」

「どうした?何か嫌なことでもあったか?」

「遅刻の常習犯の翔輝さんに朝起きることで負けるなんて、屈辱です」

「ざまぁ見やがれ、だ」


本当はレイに起こしてもらったのだが、なんとなくいい気味だったので黙っておいた。


「それで、翔輝さんはこんな朝早くに起きて何をなさっていたんですか?」

「朝飯の準備」

「そうでしたか。それでは、私も何かお手伝い―――「丁重にお断りするおとなしくしてやがれコノヤロー」」


何かを言い切る前に翔輝は譲葉の言葉を遮って提案を拒否する。


「どの辺が丁重ですか?・・・まぁいいです、じゃあ私は説明書読んでますから」

「あぁそうしてくれ、永遠にそうしてくれ。あ、そういえば譲葉」

「返事がない。ただの永遠に説明書を読んでいる譲葉のようです」

「真に受けるなよ、しかも何だその無駄に長い説明」

「返事がない。ただの永遠に説明書を読んでいる譲葉のようです」

「分かった、謝るから俺の話を聞け」

「仕方ありませんね、何ですか?」

「昨日の特訓でやったあのナイフ流星群」

「ナイフ流星群・・・。もうちょっとネーミング何とかなりませんかね?」

「今はそれいいから黙って聞け。あれっていったい何をどうしたんだ?」

「あれですか?時間を一旦止めて全方向からナイフを魔闇さんに投げたんです。停止した時間の中で私の手から離れている物は速度を失うので、それを利用したんです。魔闇さんを包囲し終えたら時間を元に戻しナイフは全て速度を取り戻し、全て魔闇さん目掛けて飛んでいったというわけです」

「何か複雑だけど・・・とにかく時間を止めてナイフを投げまくったってことか?」

「翔輝さんが分かるレベルで説明するとそう言うことです」

「それはそれは、優しい心遣いありがとうございますコノヤロー」

「いえいえ、バカに分かるように説明するのは秀才の義務ですから」

「笑顔でそういう事をサラッと言うな。それと自分で秀才とか言うな」

「失礼しませんでした。それで、他に聞きたいことがあるんですか?」

「失礼してないのかよ?まぁいいや、もう一つ質問だ。あの時コウモリを簡単に落としてたのも時間止める能力使ったからか?」

「えぇ、正確に言うと時間の流れを遅くしたんです。そうすればコウモリの動きなんてナマケモノの動きと同じですから、ナイフで斬るのなんて翔輝さんを惨殺するくらい容易い(たやすい)です」

「言ったなコノヤロー、やって見やがれ」

「いいんですか?」


そう呟いたかと思うと、譲葉は突然翔輝の視界から消える。それと同時に、翔輝は首筋に何か冷たい感触を感じた。


「・・・やろうと思えば、本当に()れちゃうんですよ」

「・・・いきなりだな。何した、今?」

「時間を止めて急接近しました。それで、どうします?この先に行きましょうか、それとも降参ですか?」

「はいはい、分かりました。降参だ、降参。それとどっから出したそのナイフ?」


翔輝は自分が命の危機に晒されているにもかかわらず、のほほんとした口調で尋ねる。


「昨日寝る前に魔闇さんに渡されました。スカートで見えませんが、腿の上のほうにナイフホルダーを仕込んであります。」

「腿の上の方って・・・。マニアが喜びそうな場所だな」

「言っておきますが見せませんよ?」

「分かってるし見せてくれとも言ってない」

「そうですか。翔輝さんが変態じゃ無くて安心しました。では私は外で読書でもしているので、出来たら呼んでくださいね」

「了解」


譲葉はようやくナイフを翔輝の喉元から離し、ナイフホルダーに戻した。


「お前、ホントにそんなとこに隠してるのかよ・・・」

「・・・っ!?み、見ましたか!?」

「どっちを?って言うかお前が自分でやったんだろうが」

「見たか見てないかを聞いてるんです!」

「見てはいないけど、見えた」

「それは見たってことじゃないですかああぁぁ!」

「自分で見せたんだから、見たんじゃない。あくまで見えただけだ」

「だからぁ!」

「翔輝~、ご飯出来た~?」


『見た・見えた談議』を繰り広げていると、小屋の外からレイのやや衰弱した声が聞こえた。

・・・『見た・見えた談議』って何だ?


「あちゃ、レイの奴相当腹減ってんな・・・。譲葉、お前外に出てレイと適当に話してろ」

「・・・分かりました。私もおなか空きましたし、この事はまた後日決着をつけましょう。そういえば翔輝さん、魔闇さんのあの姿なんですか?」

「あぁ、それは本人に聞いてくれ。俺もいまいちよく分からんから。もしお前が聞いて分かったら俺に分かり易く説明してくれ」

「嫌です。何で私がそんなことしなくちゃいけないんですか?」

「バカに分かるように説明するのは秀才の義務とか言ってなかったっけ?」

「大丈夫です、翔輝さんはバカなんかじゃありませんから」

「都合いいな、お前」

「本心ですよ。それでは失礼します。調理頑張ってくださいね」


譲葉は微笑んでそう言うと小屋を出て小走りでレイの元へと向かった。


「それが本心ならずっとそのまま素直でいてくれ、ホントに斬りやがって・・・」


先ほど譲葉が翔輝の喉元にナイフを宛がった時、わざとなのか間違えたのかは知らないが少しだけ斬られてしまった。

わざとやったのなら別にいい・・・わけではないのだが、少なくとも安心できる。後者ならとてつもなく怖い。一歩間違えば死ぬところだったのだから。


「後で問い詰めてやる。さて、材料は何があるかなっと・・・」


適当に小屋の中を探索し材料をそろえようとするが、見つかるのは調味料ばかり。そこで昨日レイが冷蔵庫があると言っていたのを思い出し、冷蔵庫を探し始める。

数分もしないうちに隣の部屋にあるのを見つけ、随分あっちの世界のものが開発されているんだなぁと感心しながら中を見たのだが―――。


「何々?『鹿の血』『イノシシの血』『ネズミの血(いらない)』『鹿肉』『猪肉』・・・。肉と血ばっかりじゃねぇか。偏りすぎだろ、栄養バランス」


とは言ったものの、他に何も見つからないのでとりあえず鹿肉と猪肉のサラダを作ることにした。もはやサラダではないが。幸い調味料は色々あったので、味が単調になって飽きるという事態にはならなくて済みそうだ。

すると不意に、外から譲葉の『お、狼・・・!』という絶望したような声が聞こえた。恐らくオカルト大嫌いの譲葉が狼女のレイの話を聞いて狼男、つまり怪物を連想したのだろう。


「・・・本人は現実主義者と自称しているが、それって単なるオカルト嫌いの言い訳なんじゃないか?」


謎は深まるばかりである。

本当は特訓を少しでも書きたかったんですが、未だに朝食すら取ってませんねww

今思うと、この回で少し第1章に出てきた譲葉を書きたかったのかもしれません。最近あいつ黒いからな~www

まぁ結局ほとんど出ませんでしたけど・・・

今後も慌てふためく譲葉はチョコチョコ書きたいと思います。本当はあいつそういう感じのキャラだったのに、何をどう間違ったらああなったんだ?ある意味あいつが一番二重人格かも知れませんね^^;

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