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第54話 第一回!ちょ~っと早い肝試し?新春大ホラー大会♪ 前編

とりあえず更新を最優先したので今回ちょっと短めです、ごめんなさい;

久々に完全コメディーです。やっぱコメディーは書いてて楽しいですね♪

起床。


「・・・」


外の様子を確認。


「・・・」


明るいけど、まだ若干暗いような気もするので8時前後と判断。


「・・・」


二度寝。


「翔輝さん、起きなさい!」

「うわああぁぁぁ!?」


いい感じにまどろもうとした所に譲葉の怒鳴り声が響いた事により、俺の素晴らしい二度寝の機会は完全に消え去った。

と言うわけでどうも翔輝です。言うまでも無く機嫌が悪いです。

いやな?別に今日が学校のある日ならいいよ。平日ならな。それなら渋々でも「しょうがないか」って気になれるさ。

でもさ、今日は日曜日だぞ?英語で言うならSunday、フランス語で言うならDimancheだぞ?

そんな日のこんな朝早くに起こされたんじゃ文句の一つも言いたくなるわけで。


「何だよ!?せっかく人が休日を有意義に二度寝で潰そうとしてるところをたたき起こしやがって!」

「何だよ、じゃありません!今日はエミーさんのお宅にお邪魔させていただく事になってるじゃないですか!とっとと起きて支度してください!」

「・・・そうだっけ?」

「そうです!」

「・・・はぁ、分かったよ」

「分かればいいんです。10時頃にお邪魔させていただく事になっているので、とっととしてくださいね?」

「・・・御意」


・・・何かちょっと譲葉カリカリしてないか?まぁあいつも朝弱いから分からない事もないけどさ・・・。

とは言ったものの、朝の支度なんて30分もかからない。結局小屋を今出ても早すぎるけど、何かをするような時間もないというとてつもなく中途半端な時間が流れる。

さて、そんなどう形容していいか分からない時間を過ごした後に小屋から出た。

ちなみにウルは今日は別行動だ。ウルはああいう性格だから友達が多く、今日はその友達と朝早くから遊びに行ったらしい。


「ったく、なんであんな中途半端な時間に起こすんだよ・・・」

「だって暇だったんですもん」

「・・・は?」

「いや、だから私だけ中途半端な時間に起きるのは何か癪じゃないですか」

「・・・要するにお前が早く起きすぎて、嫌がらせで俺を起こしたと?」

「まぁぶっちゃければそうなります」

「・・・」


・・・いや、まぁそうだろうとは思ったけどさ。

そんな会話を交わしてる間に、いつの間にかエミーの家の前。呼び鈴を鳴らすと数秒のタイムラグ後、エミーが俺達を出迎えてくれた。・・・笑顔で。


「あ、いらっしゃ~い!」

「エミーさん、今日はお招きいただきありがとうございます」

「どういたしまして、さぁ上がって上がって♪」

「・・・」


し、信用できね~!

エミーが笑顔で俺を出迎える!?ありえない、絶対にありえないって!

な、何企んでんだ・・・?・・・ん、まぁ絶対によからぬことだろうけど・・・。

ん~・・・いくら考えても分からない。何する気だこいつ?


「・・・エミー、お前絶対何か企んでるだろ?」


と言うわけで単刀直入に聞いてみた。単刀直入過ぎ?知るか。


「翔輝さん、失礼ですよ!?せっかくエミーさんが呼んでくれたのに!ねぇエミーさん!?」

「ん?あぁ、企んでるけど」

「・・・」

「・・・即答かよ」

「まぁ隠しきれると思ってなかったし、と言うかそもそも隠す気なかったし」

「・・・え、じゃあ何ですか、ホントに何か企んでるんですか?」

「うん」

「で、何する気だ?」

「うふふ、聞きたい?」

「・・・微妙に聞きたくない」

「そう?じゃあ教えてあげる」

「耳鼻科行け耳鼻科」

「今日はね・・・」


俺の言葉になんか目もくれず(耳もくれず?)、エミーはさっき俺達を玄関で出迎えてくれた時よりさらに眩しい笑顔で俺達に向け、


「第一回!ちょ~っと早い肝試し?新春大ホラー大会~♪」


譲葉の表情が凍りつくのを、俺は見逃さなかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


・・・要約すると、だ。

先日エミーがFunStation3(略称FS3)を買った際に一緒にソフトを二本購入した。

そのソフトと言うのが、何と見事に全部ホラーゲーム。

まず一つ目は「Bio Evil 5」と言う襲い掛かってくるゾンビを撃ち殺すゲーム。

二つ目は「壱」と言う、亡霊を特殊なカメラで除霊しながら進んで行くホラーゲームだと言う。

エミーは俺達を招き肝試しのようなことをするためにわざわざ「怨呪」とか言う超怖いホラー映画まで借りてきて、一緒にそれらを見たり遊んだりしようという魂胆らしい。

・・・全部聞いた事あるような話ばっかりだが、気のせいだ、気のせい。

さて、というわけなのだが・・・当然問題が。勿論この方である。


「絶対に嫌です!」


・・・まぁそうだよなぁ・・・。

案の定と言うか何と言うか、エミーが話を終えたと単に譲葉は物凄い勢いで反論し始めた。


「何を言ってるんですかエミーさん!そんなバカバカしい!何が『ちょ~っと早い肝試し?』ですか!?ちょっとどころじゃありません、まだ極寒じゃないですか!そもそもこんなの肝試しって言いませんしね!第一ホラーなんて存在する意味が分かりません!人が恐怖するものを作って何が楽しいんです?人が普通恐怖するものをやって何が楽しいんです!?そういうバカな事を考える人がいるから日本は迷走を始めているんです!加えて・・・!」


・・・それから十数分、何故か俺まで一緒に譲葉の説教を延々聞かされた。最終的になんか全然関係ないことを言っていたような気がするのは俺だけじゃないはずだ。


「はぁ、はぁ・・・。わ、分かりましたか!?」

「わ、分かりました」


エミーはそんな譲葉の様子にビクビクしながら小さくそう答えた。


「分かったならいいんですよ、分かったなら」

「は、はい・・・」

「・・・終わったか?」

「はい!」

「よし、じゃあやるか」

「へ?」

「ホラーゲーム」

「・・・ごめんなさい翔輝さん、そういえば翔輝さんは日本語分からないんでしたっけ。申し訳ありません、私の配慮が足りませんでした。確か英語なら分かりましたよね?それでは・・・コホンッ。Wha―――」

「いやいや、そういうことじゃないから!」


このままだとまた譲葉の長ったらしい説教を今度は英語で聞かされそうだったので慌てて静止する。


「だから要するに、お前はやりたくないって事だろ?」

「・・・そうですけど」

「じゃあお前はやらなくていいじゃん。俺は普通にそういうの楽しめるからこのままエミーと一緒にやるけど」

「なっ・・・!?」

「え、翔輝もホラー好きなの?」

「まぁ普通に好きだな、あっちの世界では普通にやってたぞ」

「やった、じゃあやりましょう!譲葉はどうする?」

「へっ!?な、何がですか!?」

「いや、だってホラーゲームできないんじゃここにいてもしょうがないでしょ?ウルんとこにでも行くの?」

「そ、それは・・・」

「まぁでもどの道ここにいても何もやる事ないしな」

「う、うううぅぅぅ・・・」

「・・・や、そんな恨めしそうに俺を見られても困るんだけど」

「ホントにどうする?」

「・・・いいですよ、やってやろうじゃないですか」

「何を?」

「ホラーゲームですよ」

「・・・いや、無理しなくていいぞ?素直にウルんとこにでも行けば・・・」

「上等じゃないですかぁ!ゾンビが何です?幽霊が何です!?そんなもの存在するワケ無いんですから全然平気ですよ!えぇそうですとも!ドンと来い超常現象ですよ!」

「Don't来い?」

「英語じゃありません!」

「良く分かったな」

「ホントに言ったんですか!?」

「分かってなかったのか。前言撤回」

「うううぅぅぅ・・・!とにかく!私はやりますよ!さぁ行きましょう!」

「譲葉、怖い・・・」

「私だって怖いですよ!ホラーと言うのはそういうものでしょう!?」


や、ホラーじゃなくてお前が怖いんだって。お前がホラーなんだって。発狂してるようにしか見えないぞ?


「どうしたんですか二人とも!散々言っておいて怖気づいたんですか!?情けないですね、まったく!」

「・・・譲葉、ホントに無理しなくていいよ?」

「まだ仰いますか!?無理なんてしてません!勘違いしないでください!」

「その割には震えてるぞ?」

「武者震いです!」

「ゾンビとか幽霊と決闘にでも行くのかお前は」

「そうですとも!ゾンビだろうが幽霊だろうが全部虐殺すればいいんですよ!」


・・・いや、どっちももう死んでるから。


「さぁ行きますよ二人とも!」

「・・・御意」


譲葉はそう言うとズカズカとエミーの家の奥に入って行った。

もう止まらない、か。俺は観念して譲葉の後に続く。その時、ふと俺の服の裾が掴まれているのを感じた。

振り向くと、エミーが今にも泣きそうな顔をして俺にしがみ付いていた。随分表情豊かだな、ついさっきまでは満面の笑みを浮かべてたくせに。

・・・ま、気持ちはわからなくはないが・・・。


「しょ、翔輝ぃ・・・譲葉が一番怖いよぉ・・・」

「・・・奇遇だな、俺もだ」


今日もし俺達が死んだら、絶対に死ぬほどびびった譲葉の首絞め攻撃による窒息死だろうな・・・。

ブログでも書いたとおり、補習校の卒業式で答辞を読む事になったのでそっちにしばらく力を入れたいと思います。詳しい事はブログに書いてあるので、お暇な時にどうぞお越しください♪

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