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第48話 どうして?

更新遅れました、申し訳ありません。普通にやる気出なかっただけなのでさらに申し訳ないです・・・;

ですが今回、超大作です!6500文字強!

前の小説ではこれでも少ないほうだったんですが、この小説にしてはかなり長いほう!頑張りました!

今回かなり重くなってしまった感がありますね。前回に続き、少しコメディー少なめです

まぁそろそろ話を進めたくなってきてる感じもあるので、コメディー目当てで来て頂いてる方には申し訳ありませんが、もう少しお付き合いいただけたら幸いです

それではどうぞ~

学校中にベルが鳴り響くと共に学校が終了しました。日本の学校みたいな「キーンコーンカーンコーン」じゃなくてちゃんとした教会についているようなベルです。チャリティーベルみたいな。

さて、学校から開放されてホッと一息ついているのはこの私、譲葉です。

最近はこの学校にもさすがに飽きてきました。まぁ先生が明るい方なので授業中に眠くなるとかそう言うわけではないんですが、やっぱりちょっとレベルが低すぎてあんまり面白くないというか・・・。

・・・もし!万が一!忘れている方がいれば一応言っておきますけど、私こっちに来る前は全国トップだったんですよ?成績。だからこれくらいの授業なら問題なくこなせます。

まぁそれはさておき、とにかく本日の学校は終了です。さっさと帰るとしましょうか。


「翔輝さん、帰りましょう」

「悪い、俺今日はパス」


一応誘ってみたんですが、やっぱり返事はいつもと同じでした。予想はしていたものの、私はその返答にため息をついて、


「今日『も』でしょう?最近全然私と帰ってくれないじゃないですか。ひょっとして私のこと避けてたりします?」

「んなことするかよ、必要もなければ理由もないだろ?」

「それはそうかもしれませんけど、ここまで見事に全部拒否されるとさすがに自信が持てなくなるんですけど・・・」

「だから悪かったって・・・。しょうがないだろ、用事があるんだから」

「その用事というのは?」

「それは秘密」

「何ですかそれ・・・」

「とにかく悪かったって。また今度な?」

「それもう少なくとも十回は聞いた気がするんですけど」

「・・・そんなに帰ってなかったっけか?」

「帰ってません。最後に一緒に帰ったのはちょうど2週間前です」

「・・・」

「毎回少しでも期待して誘うこっちの気持ちにもなってくださいよ・・・」

「でもやっぱ今からはちょっと無理だな・・・」

「・・・そうですか」

「んな露骨に落ち込むなって。分かったよ、明日か明後日は何とか開けてやるから」

「・・・上から目線が気に入りません」

「ワガママ言うな」

「・・・いいでしょう、それくらいは譲歩しましょう。それじゃあ明日か明後日、絶対ですよ?」

「はいはい、約束するよ」

「破ったら?」

「何だよ、針千本呑めってか?」

「私と強制デートとかどうですか?」

「願ったり叶ったりだよ。じゃな」

「・・・まったく」


しょうがないですね、翔輝さんは。まぁ用事だという事は分かっているのであまり強く言う事にも抵抗を感じるのであんまり文句も言えないんですよね・・・。

・・・って、え?私と強制デート願ったり叶ったりなんですか?

・・・どこまでが本当なんでしょう・・・?

その後、エミーさんが遊びに来る事になって、辺りが暗くなる直前までミカンとじゃれ合ったり談笑したりしながら過ごしました。

途中で翔輝さんが帰ってきたので一緒にどうかと誘ったんですが、これまた遠慮しておくといってとっとと寝袋に入って寝ちゃいました。

それからしばらくして、エミーさんもそろそろ帰った方がいいだろうというくらいの時間。


「それにしてもさ、翔輝どうしたの?いつもより元気なかったけど」

「分かりません、最近ずっとあんな調子ですし」

「学校でも最近居眠り多いよね」

「・・・女ね」

「・・・はい?」

「女よ。アイツきっと放課後は彼女と遊びに行ってるんだわ」

「か、彼女!?でもだって、翔輝には譲葉とかエミーが・・・!」

「何でそうなるんですか?」

「何であたしまで入ってるのよ!?」

「とにかくそれはないです。絶対に」

「分からないわよ?翔輝だって男なんだし---」


「ありえないです」


「「・・・」」

「・・・あ、ご、ごめんなさい・・・」


自分でも驚いてしまった、あんな声を出すなんて・・・。

何故だろう・・・とは思わない。だって、その理由を知っているから。

とにかく翔輝さんが女性とお付き合いするなんて、少なくとも今の段階では、ありえない。それだけは自信を持って断言する事ができた。


「・・・譲葉、もしかして・・・」

「ふぇ!?な、なんですか?」


ウルさんが心配そうに私の顔を覗き込んでくる。エミーさんも少し心配そうに私の様子を伺っている。

ま、マズイですね・・・。もしかして隠し事してるのばれましたかね?とにかく私は予想される質問に対する答えを10通りほど一瞬で考えて、万全の準備をする。

しばらくの沈黙をはさみ、やがてウルさんが一言。


「・・・妬いてる?」


その言葉に危うくずっこけてしまいそうになった。全身の力が一気に抜けてしまったので、もし椅子に座っていなかったら本当にずっこけていたかもしれません。


「そんなんじゃないですよ。第一私が何を妬く必要があるんです?」

「や、だって譲葉翔輝のこと好きみたいだし。ねぇ?」


ウルさんはに振り向きざまにエミーさんに問い掛けると、エミーさんもうんうん、といった風にコクンと頷いた。


「そんなワケ無いじゃないですか、いったいどこからそんな突拍子もない発想が出てくるんです?」

「全然自然でしょ。だってわざわざ一緒に帰ろうって誘ってたし、帰れないと分かったら拗ねたりしてたし」

「拗ねてません。誘うのは幼馴染としての礼儀です」

「・・・ホントに?」

「理由がない嘘はつかないようにしてるんです」

「照れ隠しって理由があるじゃん。よく凄く酷いこと言ってるけど、それも照れ隠しでしょ?」

「私に羞恥心はありませんから大丈夫です」

「・・・それはマズイって。羞恥心は持っときなさいよ」

「とにかく、私と翔輝さんは幼馴染です。それ以上でもそれ以下でもありません」

「分かったわよ。とにかくあたしはそろそろ帰るから。また明日学校でね」

「えぇ、また明日」

「バイバ~イ!」


私とウルさんはエミーさんが森の木々たちに覆われて見えなくなるまで小屋の外で見送った後、エミーさんが食事を用意してくれたのでそれを頂いて宿題をパッパと終わらせてあっという間に就寝時間。とはいっても時計はないので体内時計がそう告げてるだけなんですけど。いつも通りウルさんもミラさんと交代してます。


「ミラさん、今日も狩りですか?」

「今日は小屋の中でゆっくりするわ。食料結構溜まってるし。早く食べないと腐っちゃうしね」

「そうですか。いつも申し訳ありません、ミラさんは起きてるのにさっさと寝てしまって・・・」

「そんなの気にしなくていいのよ、もともとヴァンパイアって言うのは人と関わりをあんまり持たない種族だし」

「それにしたって・・・」

「気持ちはありがたく受け取っておくから。とにかく譲葉はもう寝なさい、明日も早いんだから」

「・・・はい、おやすみなさい」

「おやすみなさい」


罪悪感を感じながらも、ミラさんもそう言ってくださっているので謝罪だけして少し急いで倉庫に移動して寝袋に入る。隣では翔輝さんが寝袋に包まって規則正しく寝息を立てています。何気に寝癖いいんですよね、翔輝さんて。

しばらく寝袋の中でじっとしていると睡魔が襲い掛かってきたので、快く受け入れて差し上げました。私って優しい・・・。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


~翌日~


学校中にベルが鳴り響くと共に学校が終了しました。日本の学校みたいな「キーンコーンカーンコーン」じゃなくてちゃんとした教会についているようなベルです。チャリティーベルみたいな。

少し前に同じような文章をみた気もしないでもないですが、多分あれです、デジャブです。どうも、譲葉です。


「・・・で?どうなんですか?」


と言うわけで場所は再び翔輝さんの机。翔輝さんはまた机に突っ伏して寝ていたんですが、叩き起こしました♪


「・・・」

「安眠を妨害されたからって拗ねないでください」

「・・・帰れる。帰れるけどさ・・・」


ようやく開いた翔輝さんの口からはそんな呟きがため息に混じって出てきた。そう言いながら翔輝さんが外を見たので、私も少し暗い顔をしながらつられて外を見る。

えっと、とりあえず状況説明しましょうか。天気:大雨。以上。


「・・・傘持ってきてます?」

「それ以前に傘なんて持ってないだろ」


ウルさんの小屋には傘が置いていないので、私達は今日傘を持ってきていません。と言うかそもそもテレビがないので天気予報も見れませんし。新聞もさすがに来ませんしね。


「エミーは?」

「もう帰りました。今日は忙しいのか、物凄い勢いで帰っていきました」

「ウルは?」

「面白そうってエミーさんに着いて行きました」

「・・・つまり頼れる奴は誰もいないと」

「そうなります」


事実を突きつけると、翔輝さんはまた大きなため息を一つ。そんなにため息つくと幸せが逃げてっちゃいますよ?と言おうとしたんですが、途中でやめました。だってその理屈でいくともう翔輝さんに幸せ残ってませんもん。


「・・・しゃあねぇな。譲葉、5分この教室で待ってられるか?」

「はい?私は全然構いませんけど・・・?」

「そうか、じゃあちょっと待っててくれ。もしあれだったら校舎の入り口んとこで待っててくれてもいいから」

「え、ちょっと、翔輝さん!?」


翔輝さんはそれだけ言うと教室を飛び出していってしまいました。しかも鞄も何も置きっぱなし・・・。

もしあれだったらって・・・もしなんだったらですか?全然分かりません・・・。

まぁ5分で戻ると言っていたので、とりあえず入り口付近に待機してましょう。その方が帰ってくるとき翔輝さんも楽ですし。

・・・って、翔輝さんの荷物も私が移動させなきゃいけないんですね・・・。はぁ・・・。

あ、さっきの『ため息すると幸せが逃げる』って奴。多分私にも幸せ残ってませんね・・・。


~10分後~


「・・・遅い」


翔輝さん5分で戻るとか言ってませんでしたっけ?何で10分もかかってるんですか?

・・・もしかして私騙されました?ひょっとして翔輝さんもう走って小屋に戻っちゃったんじゃ・・・。

いや、翔輝さんがそんなことするわけ・・・。

・・・でも翔輝さんは違うって言ってたけど、なんだか最近私のこと避けてるみたいだし・・・。

・・・ホントに?本当に帰っちゃったんですか?

そもそも翔輝さん最近おかしいんです。最近ウルさんとかエミーさんにばっかり構って私に素っ気無いですし・・・。


「・・・嫌われた・・・んですかね・・・?」


『―――凄く酷いこと言ってるし・・・』

ウルさんに言われた一言が脳裏に蘇る。そう、確かに翔輝さんにはかなりひどい事をたくさん言ってきた。

照れ隠し・・・なのかどうなのかは良く分かりませんが、とにかく色々言ってきたのは確かです。

・・・もし翔輝さんがそれを根に持っていたのなら?それが原因で嫌われた?


分からない。


久々に感じた。このもどかしさ。疑問があるのに、答えが出てこないこのもどかしさ。

昔からこれが嫌で、勉強を頑張った。そしたら分からない事が減って、嬉しくなって、気付いたら全国トップという地位にいた。

そう、自分は全国トップ。なのに・・・どうして、答えが出ないんだろう?


「・・・どうして?」


口に出しても、答えは出ない。

私が悪いのだろうか?色々意地悪な事を言ったから、翔輝さんに嫌われたのだろうか?

それとも、何か他に理由があるのか?だとしたら何が悪かったのか?

どうして・・・こんなに胸が苦しいのか?どうして・・・こんなに切なくなるのか?


分からない。

分からない。

分からない・・・。


「・・・どうして?」

「な、何が?」

「ぇ・・・?」


誰にも聞こえないような小さな呟きに、答えが返ってきたことに驚いて顔を上げる。そこにいたのは・・・。


「翔輝、さん・・・?」

「わ、悪い、待たせたな・・・」


そう、そこには雨でずぶ濡れになった翔輝さんが息絶え絶えに膝に手を付いてたっていた。足元には無数の泥が付いている。


「しょ、翔輝さん、どうして?」

「だから、何が?」

「な、何でそんなに濡れて・・・?」

「・・・何だ、雨の中全力疾走して、疲れない方法、あったのか?」

「・・・え?」

「んだよ、先に、言ってくれれば、ここまで苦労しなかったってのに・・・」


雨の中を全力疾走?何でそんな事を・・・?

そんな私の疑問はそっちのけで、翔輝さんは懸命に息を整えている。


「・・・ふぅ、少し落ち着いたな。さて、帰るか」

「・・・え?あ、はい・・・。・・・ぁ」


今、気付いた。翔輝さんの右手。そこにあったのは・・・傘。


「翔輝さん、それ・・・?」

「今買ってきたんだよ、コンビニで。近くにあると思ったんだけど意外に遠くてな。それでちょっと予想以上に時間喰っちまって・・・」

「今、買って・・・」


・・・何だ、そうだったんですか・・・。

単に、傘を買いに行って、そしたら予想外にコンビニが遠くて、遅くなっただけなのに、私は勝手に勘違いして・・・。


「・・・ぷっ」

「ん?どした?」

「・・・あ、あははははっ!」

「・・・な、何だ?どうした?」

「・・・私ったら、バカみたいですね」

「そりゃぁな」

「・・・そうですね」


今だけ、本当に今だけですけど、翔輝さんと同意見ですね。

でも、あっさり納得した私がそんなにおかしかったのか、翔輝さんは目を大きく見開いて私を見る。


「・・・なんですかそのいかにもありえないって感じの視線は?」

「・・・ありえない・・・」

「図星ですか」

「熱でもあるのか?それともボケたか?老衰にはまだ早いんじゃないか?」

「どの口が言いますか、どの口が」

「この口」

「だからこそ問題なんですよ」

「んだとコノヤロー」

「野郎じゃないです」

「まぁな」


そんな感じのやり取りをしつつ、私達は肩を並べて校舎を後にする。

予想通りと言うか何と言うか、翔輝さんが鞄を持ってくれた。濡れないように傘の取っ手のフック状になっている部分に引っ掛けてるだけなんですけど、傘自体を翔輝さんが持っているのでこれは翔輝さんが持ってくれているって事でいいはずです。

そんな中、ふと気付いたんですが、鞄がやたら私に当たるんですよね。


「翔輝さん、わざとやってます?」

「何が?」

「鞄が当たるんですけど」

「文句言うな、濡れるよりマシだろ?」

「え?あ・・・」


また今気付いた。翔輝さん、私のほうに傘凄い寄せてたんですね。


「翔輝さん、何やってるんですか?もっと翔輝さんのほうに寄せないと濡れますよ?」

「いいんだよ、俺もうビショビショだし」

「そう言う問題じゃないですって。大体なんで二つ買ってこなかったんですか?」

「金がなかった」

「・・・」

「・・・」

「・・・いいんですか?」

「傘?」

「はい・・・」

「気にすんな」

「・・・じゃあお言葉に甘えさせてもらいます。ありがとうございます」

「ん」


やっぱり、翔輝さんは翔輝さんだと思う。だけど、やっぱり不安は拭いきれない。

本当に今までの事怒ってないのだろうか?幼馴染だから仕方なくやっているのだろうか?

本当に・・・嫌われていないのだろうか・・・?


「・・・翔輝さん」

「ん?」

「・・・最近私のこと避けてますか?」

「どうしたんだよ急に?昨日も―――」

「翔輝さん。真面目に、真剣に、本当のことを答えてください。私を避けていますか?」

「・・・んなことするワケ無いだろ?」

「じゃあ何で最近一緒に帰ってくれないんですか?何で素っ気無いんですか?」

「放課後に用事があったから。用事が何かは・・・言えないけど、とにかく本当にそれが理由だ。素っ気無いのは・・・多分ウルとかエミーとか仲間が増えてそいつらと行動する事増えたからな。それで俺がお前意外と話す事が多くなったから素っ気無くなった気がするんじゃないか?」

「・・・」

「・・・」

「・・・本当に?」

「本当だ」

「誓いますか?」

「何に?」

「私に」

「それでお前が信じられるならな」

「じゃあ言ってください。私のことをどう思っていますか?」

「お前は俺の幼馴染もとい家族兼仲間。要するに大切な人。これで満足か?」

「・・・分かりました、信じましょう」


翔輝さんは今、私に誓ってくれた。なら、私は翔輝さんを信じる。だから―――


「・・・ごめんなさい」


一瞬でも、翔輝さんのことを疑ってしまって・・・。


「・・・お前本当に大丈夫か?お前が俺に謝るとかありえないだろ・・・」

「・・・翔輝さんのバカ・・・」


どうしてこんなにホッとしているのか?ただ翔輝さんが私を避けていないと分かっただけなのに、どうしてこんなにホッとしているのか。

分からない。何も分からない。でも、学校で感じたあのもどかしさは、不思議と消えていた・・・。

ブログ作ってしまったので書くことが無くなってしまって困っている作者ですw

今後どうしよう・・・;とか一日中考えてますw

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