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第43話 呼び出し

更新ペース驚くほど落ちてますね・・・;

いや、申し訳ありません。年末年始は大掃除やら何やらで忙しくなかなか更新できず・・・

多分しばらくこんなペースだと思いますが、それでもいいと言う方は読み続けてくれれば嬉しいです

少し遅れた挨拶になってしまいましたが新年あけましておめでとうございます、譲葉です。

今日はお正月から数日後なので本来ならまだ冬休みの真っ只中なのですが、何故か先ほど学校から呼び出しを受けたので向かっているところです。


「まったく、何が楽しくて冬休みに学校に登校しなきゃならんのだ・・・」


と、隣を不機嫌なオーラ丸出しで歩いている翔輝さん。ちなみに来るように命じられたのは私と翔輝さんだけなので、ウルさんは小屋でお留守番してます。


「知りませんよ、また翔輝さんが何かしたんじゃないですか?」

「そんな覚えはないぞ、少なくともこの学校では。ってか俺が原因って言うのは信じて疑わないんだな」

「当然です。覚えが無い、だなんて信用できませんよ、私達の世界の学校では問題ばっかり起こしてたじゃないですか。居眠り、遅刻、サボタージュ、その他諸々・・・」

「そりゃ確かにそうだけどさ・・・。ってか普通にサボりって言えばいいだろ」

「何となくです」

「でも俺こっちの学校ではまだ問題起こしてないぞ?・・・確かに一回だけ職員室に呼び出されたけどさ」

「結局起こしてるんじゃないですか・・・」


でもまぁ確かに妙な話ですよね、一回職員室に呼び出されたくらいでわざわざ休日に学校に呼び出すワケ無いですし、そもそも私が一緒に行かなきゃいけない理由が全くありません。

私は翔輝さんと違って学校では一応優等生を装っているので問題なんて起こしていないと断言できますし・・・。


「もしかしたらこっちの学校は私達の世界にある学校とは校則なんかが若干違うのかもしれませんね」

「って事は一回職員室に呼ばれただけで休日に呼び出されるのも・・・」

「可能性としては捨てきれないという事です」

「マジかよ・・・」

「どうしたんですか?あっちの学校では別に怒られてもどうってこと無いって感じだったじゃないですか」

「ん~、まぁそうなんだけどさ、何となく入ったばっかりの学校で問題起こすの抵抗あるじゃん?」

「『じゃん?』って同意を求められても私は問題なんて起こさないので分かりません」

「あぁそうですか、そりゃ悪うござんしたね」

「おかしな喋り方するのやめてください、ただでさえバカみたいなんですから」

「やかましいわバカタレ」

「はいはい、いいから行きましょう」


とにかく学校に行ってみましょう、そうすれば全部ハッキリするでしょうし。


「あ~めんどくせ~」

「いい加減にしてください、付き合わなきゃいけないこっちの気持ちにもなってくださいよ」

「だからまだ俺が原因だって決まったわけじゃないだろ・・・」


結局その後、私は延々翔輝さんを責めながら学校まで行きました。

まぁおそらく翔輝さんが原因で無い事は分かっているんですが、それでも私の休日を無駄にされたので若干のイライラもあるわけですよ。

と言うわけで学校に着きました。普段校門は閉まっているんですが、今日は私達が来るという理由があるからなのか開いてます。

校門を抜けて学校に入り職員室に向かうと、私達の担任の先生やその他の先生方が中で色々とやっていました。

とりあえず私達は担任の先生のところに話を聞く事になったんですが・・・。


「あの、先せ---」

「何!?あ、翔輝と譲葉ね!?今忙しいから依頼室にいる先生に話聞いてきて!」

「・・・あ、はい、分かりました・・・」


・・・何か物凄い剣幕で言われたので一瞬返事が遅れちゃいました。

って言うか目が血走ってたんですけど・・・。怖いです・・・。

でもまぁこれで少なくとも翔輝さんが何かして呼び出されたわけじゃなさそうですね。

だってもし翔輝さんが説教されるために呼ばれたなら依頼室に行けなんていわれないでしょうし、第一あんなバタバタしてる中で翔輝さんに怒るために時間を使うとは到底思えませんし。

依頼室に行けって事は・・・この間の幽霊退治のときの依頼に関する事でしょうか?


と言うわけで先生に言われたように依頼室に着きました。


「あの~・・・」

「ん?あぁ譲葉。どうしたの?何かに怯えてるように見えるけど・・・」

「えぇ、職員室の先生方の剣幕に少しビックリしたんです」

「あぁ、なるほど」

「それで、何のようです?わざわざ冬休みに学校に呼び出すなんて」

「あれ、翔輝も来てたの?」

「・・・どういう意味ですか、呼んだの先生でしょうが」

「いや、まぁそうなんだけどさ、翔輝のことだからどうせ来ないだろうな~って思って」

「・・・」

「そんなことよりどうして私達を?」

「そうそう、忘れるとこだったわ」

「・・・忘れるほどどうでもいいことなんですか?」

「いや、そう言うわけじゃないんだけど、ちょっとあなた達がこの学校に入った事が色んなところに知られちゃってね。人間は英雄ってことになってるから助けて欲しい人がいっぱいいるから物凄い量の依頼が来ちゃったってワケよ。だから今職員室は依頼を整理とかしなきゃいけないからすごく忙しくてね。だから譲葉が言った時も物凄い剣幕だったんでしょ。あ、ちなみに私は整理されて届けられる依頼を管理するだけだからすごい楽なんだけどね」

「・・・え、って事はあの剣幕は俺達のせい?」

「まぁそうなるわね」

「・・・」

「あ、別に気にしなくていいのよ!?ほら、この学校結構大きいでしょ?だからテストの採点とかしてるときもあんな感じだからいつもと変わんないわよ」

「は、はぁ・・・」

「とにかく、今日二人をここに呼んだワケね」

「そうだ、忘れるところでした」

「って事は依頼関係の話か?」

「えぇ。二人とも、物は相談なんだけど、この依頼受けてみる気はない?」


そう言って渡されたのは一枚の依頼書。依頼主は・・・。


「・・・マドリード王国女王、エナレス?」

「マドリードって・・・どっかで聞いたような・・・」

「マドリードとは私達の世界のスペインの首都です。人口は約313万人、標高655メートルの場所に位置し、イベリア半島の経済の中心地の一つです。また、マドリード州の州都であると同時にマドリード県の県都でもあります。とは言ってもこれは全て私達が住んでいた世界の話ですのでこっちの世界ではあまりあてになる情報ではありません。現にマドリードは確か王国じゃないはずですし、この女王様の名前、エナレスというのはマドリード州東部に位置するスペインの都市、アルカラ・デ・エナレスの事だと思うのですが、そのような名前は私達の世界では聞いた事ありませんし」

「さすが譲葉、何でも知ってるな」

「何でも知ってる人間なんていません。私が知ってる事は私が知っている事だけ、翔輝さんが知ってる事は翔輝さんが知っている事だけです」

「・・・つまり?」

「人間は自分が持っている知識しか持っていないという事です」

「・・・そう言う哲学的なことはいいから続き読んでくれよ」

「自分で説明を求めたんじゃないですか・・・。え~っとですね、依頼内容は・・・『反乱軍鎮圧の援護』ですって」

「・・・は?」

「いやだから、『反乱軍鎮圧の援護』です」

「そこじゃねーよ、反乱?」

「はい、そう書いてありますけど」


とりあえず何だか信じていないようなので翔輝さんに依頼書を渡す。翔輝さんもざっと目を通し、ようやく納得してくれたのか怪訝そうな顔をしながらも依頼書を私に返してくれました。


「確かにそう書いてあるけど・・・そんな依頼まで来るのか?」

「現に来てるじゃないですか。先生、説明お願いできますか?」

「うん、マドリード王国って言うのはずっと前からこの世界にある王国でね。あなた達が来る数ヶ月前に反乱始まっちゃってね。理由は・・・何だっけな」

「オイ」

「あ、あはは・・・それは受けた時に王女様に聞いて。で、その反乱のせいでそろそろ色々やばい事になってるから助けが欲しかったんだけど、そこにちょうどいいタイミングで二人が来たってワケ」

「随分適当ですね・・・」

「まぁ詳しい事は依頼主にちゃんと聞いてよ。で、どうする?」

「どうするって・・・無理ですよ。いくらなんでも荷が重過ぎます」

「だよな、さすがにそれは厳しいぞ。第一俺達実戦らしい実戦はまだ一回しかやった事無いし」

「経験不足、実力不足なので行っても全然力になれないと思うんです。だから申し訳ありませんがその依頼を受けるわけには・・・」

「まぁそうだと思ったよ。気にしないで、ダメモトで聞いてみただけだから。多分この以来受ける生徒はあなた達以外いないと思うから、もし受けられると思えるようになったら来て頂戴」

「・・・」


その後、私達はお互いに何も言う気になれず、静かに学校を後にして家路についた。

「・・・暇だな~」


これが翔輝と譲葉が出かけてる間にウルが口にした唯一の言葉だと言う・・・。不憫すぎる・・・。

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