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第26話 暇

前回は戦闘だったので今回はコメディーオンリーです。・・・前回もろくな戦闘じゃなかったって言うツッコミは無しでお願いします

それから今回から後書きにミニシアター的な何かをお送りしたいと思います。とりあえず本編をどうぞ

「・・・暇だわ・・・」


皆こんにちは、じゃなくてこんばんわ。ミラよ。暇です。やることがない。

昨日までは食料調達とかコウモリたちの世話とか仕事があったんだけど、昨日もう全部終わっちゃったからやることないのよね~・・・。

あ、ちなみにコウモリの世話って言っても野生のコウモリなんだけどね。同じ吸血生物として放っておけないのよ。

しかし毎日こんな感じじゃさすがにつまんないわね~。あたしが起きる時って翔輝たちが寝る2時間前とかだから暇で暇でしょうがないわ。

いつもは仕事してるうちに時間が過ぎてくんだけど、今日はもう仕事もないし・・・。

ホンット、何しようかしら?


「読書・・・はこの前読み終わった本が最後だし・・・。洗濯物も洗わなきゃいけない食器も無いし・・・。本格的に暇ね」


こないだやっぱりサボって本読まないでちゃんと食料調達行っとけばよかったな~。

翔輝と譲葉が来てから二人とも色々やってくれるから洗濯物も食器も溜まって無いみたいだし。

家の掃除は・・・疲れるからヤダ。今度翔輝にでもやらせましょうかね。


「・・・こんな時はやっぱりイタズラでもしましょうか」


『暇な時はイタズラしよう』、これ常識。

そこ、「何言ってるの?」みたいな目で見ないの。


「まず譲葉には・・・天井にお化けの絵でも書いとけばいいかな。ウルには頭の横にクモの模型みたいなの置けばいいでしょ」


・・・うん、我ながらかなりランク高いんじゃない?滅茶苦茶ビビリそう。愉快愉快♪

後は翔輝よね。・・・あ、あたしアイツの弱点知らないわ。じゃあ適当に顔に落書きでもしようかしら。

さて、それじゃあ思い立ったが吉日、早速実行しましょう!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


~30分後~


「・・・よし、こんなもんね」


うん、満足満足♪

まず翔輝には落書き、しようとしたんだけど手元が来るって何が何だか分からなくなったから適当に顔を墨で真っ黒にしといた。

ウルのために枕元には超精巧な大蜘蛛の模型置いといたから、あそこで寝て朝ウルが起きたら素晴らしい悲鳴が聞こえるでしょう。

さて、残るは譲葉だけなんだけど・・・。


「困ったわね・・・」


譲葉の弱点はオカルトしか知らないからお化けしかないんだけど、あたしは、その、絵が苦手で・・・。

だから天井にお化けの絵を書いても多分ゴース○バス○ーズのお化けをさらにデフォルメしたようなのになっちゃうのよね~。さすがに譲葉もそれじゃ驚かないか。

しょうがない、他に方法も思いつかないし・・・。


「お化け狩りにでも行きますかね」


簡単な話だ。絵のお化けが用意できないなら本物を用意すればいい。さすがあたしね♪

というわけであたしは早速昨日餌を与えたコウモリ数匹を付き従え、マントを羽織って小屋を出る。目指すは譲葉のトラウマの地、ハロインの森。

あそこのお化けはかなりの霊力持ってるから普通の人にも見えるしね。あいつら何匹か捕まえて縛り上げて譲葉が寝てる場所の真上に吊るしとけばいいか。

善は急げ、ってなわけで出発進行~!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「・・・さて」


やってきましたハロインの森。この世界で唯一誰でも心霊体験を満喫できる心霊スポット。他のところは霊力の弱い霊ばっかりで基本的には見えないから100%霊が見える場所はここしかないのよね~。

まぁそんなこと今はどうでもいいわけで、早速適当な霊を何人(?)か捕まえて帰るとしましょう。

・・・あれ、でも霊って触れるのかしら?・・・まぁいいか、モノは試しよね。

って言うかそれを実証しようにもどこにも幽霊が見当たらないんだけど・・・。


「・・・あ」


いた、遠くにぼんやりと光ってる何かが見える。この辺りで光る物と言ったら霊くらいしかないはずだから・・・。


「獲物発見♪」


足音がしないように浮遊しながら霊に近づき、思いっきり抱きついてみる。すると意外や意外、なんと触ることが出来た。


『のわああぁぁ!?』

「あ、霊って触れるんだ。ラッキー」

『何するんだお前っ!?』

「うわっと・・・。危ないわね」


抱きつかれた霊は驚いて手を振り回したのであたしは慌てて手を離してちょっと距離をとる。

抱きつく前に確認してなかったけど、今ちゃんと見てみるとどうやらエルフの霊みたいだった。


『なんなんだよ!?』

「いや、ちょっと捕まえようと思って」

『何を?』

「あんたを」

『何で?』

「イタズラに使うため」

『拒否権は?』

「ある」

『じゃあ使わせてもらう』

「ふ~ん、別に構わないけど。でもいいの?」

『は?』


霊にそう問い掛けてからあたしは黒い塊で形を形成し、いつぞやの漆黒の大鎌を手に持ち、刃の部分を霊の首の裏側に当てる。


「イタズラに協力してくれないなら霊を武器で斬れるかどうかの実験台になってもらいたいんだけど」

『・・・イタズラに協力の方向で』

「そう?助かるわ~」

『・・・完全に脅迫・・・』

「何か言った?」

『言ってないです!』

「ならいいわ。さて、次行きましょうか」


こんな方法であたしは結局2時間かけて約5匹の霊を捕獲した。ハロウィンが終わっちゃったからもうあんまり霊もいなくなっちゃったのかな?

まぁ何はともあれ5匹捕まえたので急いで小屋に戻る。だってもう空が少しだけ明るくなってるんだもん。


『あの、俺達あんまり日の光は得意じゃないんだけど・・・』

「何、消えちゃうわけ?」

『いや、そういうわけじゃないんだけど・・・』

「じゃあいいわ。とっとと行くわよ」

『・・・鬼畜』

「なんか言った?」

『いいえ何も!』

「よろしい」


ホントはなんて言ったかばっちり聞こえてたけどもう時間がないからスルーすることにした。

小屋に戻ったら急いで全員縛り上げ、倉庫の天井から吊るして準備完了した。ついでにあたしも眠くなってきたから寝ましょうか。最後にもう一回イタズラ全集をチェックして眠りにつく。おやすみ~。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そして朝。


「うにぃああああぁぁぁぁぁ!!!!!」


・・・どうも、翔輝だ。ついでに言うと朝の安眠を悲鳴のような猫の鳴き声で妨害されてイラッと来た翔輝だ。あれ、猫の鳴き声のような悲鳴か?まぁどうでも言いや、寝ぼけてるってことで。


「んだよ、うるせぇな・・・」

「しょ、翔輝さああああああっはははははははああああああ!?」

「・・・それは泣いているのか笑っているのかどっちだ?」

「あっはっはっはっはっはあああああああ!!!」

「どっちかにしろ、朝から忙しい奴だな。どうしたよいったい?」

「う、上上ええええ!!」

「上?」


譲葉に言われたままに上を見てみると、なんだかよく分からん青白い・・・エルフ?が縄で縛られ天井から吊り下げられていた。


『ど、どうも』

「あ、どうも。朝からお勤めご苦労さんです」

『いえいえ、お互い様です』

「それじゃ俺は朝の支度してくるんで」

『あ、はい』


うん、悪い人じゃないからどうでもいいか。何で吊り下げられてるのかはものっそい疑問だけど。


「いいいぃぃxやあああぁぁぁ!!!!!」


・・・ホントに朝から騒がしい連中だ。


「ウル、朝からどうした?幽霊が天井からぶら下がってたか?」

「な、何それ!?ちちち違う、とにかく来てええぇぇ!!!」


・・・めんどくさいがしょうがない。ちょっと行ってやるか。


「・・・ウル、どうしたんだよ?」

「しょ、翔輝いいいぃぃぃ!くくく蜘蛛がああああっははははははは!!!」

「譲葉と同じようなリアクションするな。何だ、俺の顔がどうかしたか?」

「ど、どうかしたけどそれより蜘蛛を何とかして!!!!」

「どうかしたんかい。で、蜘蛛?」


ウルが9割以上泣きながら指差したベッドの上には、成程確かに巨大な蜘蛛がいた。・・・ひっくり返って。


「・・・あれどう見てもぬいぐるみか何かだろ?」

「何でもいいけど蜘蛛はダメなの!何とかして!」

「ヤダ」

「翔輝いいいぃぃぃ!!!!」


や、だって俺も蜘蛛は苦手だし。大体なんで俺がわざわざ蜘蛛退治をせにゃならん。朝から悲鳴で起こされて機嫌が悪いんだ俺は。そして何よりめんどくさい。

ちなみに譲葉のほうも同じ理由で助けない。俺は二人に心の中で棒読みで謝ってから洗面所に行く。洗面所といっても外にある桶に水を溜めるだけでできるものだが。あれ、じゃあ洗面所じゃねぇじゃん。

というわけで水を溜め、鏡がないので代わりに溜まった水を覗き込んで反射を利用して自分の顔を見てみる。


「・・・どういうわけか随分黒くないか?俺の顔。ミラか」


うん、まぁこんなしょうもないことをするのはあいつしかいないか。って言うかこの家でビビッてないのミラと俺だけだし。

って言うかぶっちゃけこんなイタズラなんともないわ、つかアイツ何歳だよ?

という感じで数回の自問自答の後、俺はさっさと顔を洗って墨を落とし、ほっとくわけにも行かないだろうということで譲葉とウルに手を貸してやった。

しばらくして落ち着いた二人がミラに激怒し仕返しを企んでいたが、俺はぶっちゃけどうでもいいもといめんどくさいので外に出て昼寝をしていた。

「譲葉って随分礼儀正しいよね~?親が厳しかったの?」

「いえ、逆です」

「逆?」

「親が失礼この上ない人たちだったのでフォローばっかりしてたらいつの間にかこういう性格になっちゃってたんです」

「・・・苦労したんだね」

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