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第16章 変態再び

何つーサブタイトルだ^^;

今回は(今回も)何も考えずに書いていたら随分長くなってしまいました

まぁ長くて悪い事は無いですしね。とりあえず楽しんでくれれば幸いです

翔輝が画期的な進歩(?)を成し遂げたその夜。いつものように夕食を終え、のんびりとしていると誰かが小屋のドアをノックした。


「ん、誰か来たみたいだぞ?」

「翔輝さん、出てください」

「何で俺が?ミラが出ればいいだろ?」

「ミラさんはただいま狩りの最中です」

「お前は?」

「読書の最中です」

「キッチンを掃除している俺よりは動きやすいんじゃないか?」

「レディーにわざわざ席を立たせて見ず知らずの他人を迎えに行かせるつもりですか?」

「レディー?そんな奴どこにいるんだ?あ、もしかして今ドアの外に立ってる奴か?」

「つべこべ言わずにとっとと迎えに行ってください、と言うか行きなさい」

「最終的にそうなるのか・・・」


翔輝は掃除の手を一旦止め、ドアを開ける。ちょっと開けたその瞬間に長い金髪が目に飛び込んできたので、姿を確認する前にドアを閉めた。


「っておい!ちょっと待て!何で閉めるんだよ~?」

「ただいまこの家の住人は外出しております御用の方はここから3キロ南にある崖から落ちて二度と戻ってくるなバカヤロー」

「それは遠まわしに死ねって言ってるのか?」

「分かったなら実行してくださいもう二度と来ないでください死んでくださいと言うか死ね」

「今度は随分ストレートだな。人間ってのはみんなこんなにハッキリを言いたいことを言うのかい?」

「俺は昔からそうなんだ。分かったら消えろ、耳障りだ」

「耳障りなんて言葉あるのか?」

「あるならある、ないなら今作った」

「ちゃんと意味分かるのが嫌だな」

「それなら聞かなきゃいいだろ?その方法の一つとしてここから消えうせることだ」

「それ以外にもあるさ、気にしなければいい」

「黙って消えやがれコノヤロー」

「翔輝さん、さっきから何やってるんですか?」

「お、その声は黒髪美人の嬢ちゃんかい?」

「あら変態、いらしてたんですか?」

「・・・俺はフレイって言うんだけど」

「無礼?まぁ確かにそうですね。これは失礼しました無礼さん」

「や、無礼じゃなくてフレイ・・・」

「あら、また間違えてしまいましたか?申し訳ありません、もう間違えないように変態さんと呼ばせていただきますね♪」

「・・・いや、もうそれでいいけどさ」

「それは何よりです。それで変態さん、いったい何の用でしょうか?」

「な~に、暇だったからちょっと遊びに来ただけさ。それより嬢ちゃん、こいつに俺を入れるように言ってくれないかい?」

「お断りします」

「ありがとよ嬢ちゃ---って何で!?」

「嫌ですわ、どうして変態を家に招き入れる必要があるんですか?あなたを入れるくらいなら翔輝さんを入れたほうが2倍くらいマシです」

「俺とこいつの差はそんなに微妙なのか!?」

「翔輝さんも何を言ってるんですか?今更」

「って事はやっぱり結構微妙なのか!?」

「当然でしょう?と言うか、これでも結構譲歩しているほうですよ?」

「まぁ何でもいいけどさ、とりあえず入れてくれないなら実力行使だけど、それでいいかい?」

「どうぞお好きに。出来るものなら」

「言ったね?その言葉後悔させてやるさ」


フレイがそう言った直後、翔輝が張り付いていた壁から矢が突き出る。あと10センチずれていたら串刺しになっていただろう。

翔輝は慌ててその壁から身を離し、刀を手に取り構える。譲葉も「やれやれ、仕方ないですね」とため息を吐いてから本を閉じて立ち上がる。

その間もドアには無数の矢が刺さり続けていて、数秒後には完全に破壊された。粉々に崩れた木片が宙に舞い上がりドア付近一帯をを包み込んだ為、二人からはフレイの姿を確認することが出来ない。

翔輝は矢をいったいどういう風に使ったらそんな芸当が可能なのか疑問に思ったが、今はどうでも言いと判断して黙った構え続けた。

数秒して木の粉で作られた煙が晴れると、そこには巨大な弓矢を持ったフレイの姿があった。その弓矢はフレイの身長よりもさらに頭二つ分ほど高く、とてもじゃないが人間、少なくとも翔輝や譲葉に扱えるような代物では無かった。


「また変なもん持ってんな、どこに隠し持ってたんだ?」

「隠し持ってなんていないよ。ずっと普通に持ってきたさ。君が今日俺の姿をハッキリと確認したのは今が初めてだろ?」

「って事は最初からこうなってたってことか・・・」

「いいや、君がおとなしくこのドアを開けてくれていればこんなことはしなかったさ」

「お手柄ですね翔輝さん。ご褒美は後程私が一時間ほど説教をしてあげますので楽しみにしていてください」

「・・・御意」

「とにかく今はあの変態を家から追い出します。しっかりやってくださいね」

「それには快く協力させてもらう」


翔輝がそう言うと、譲葉は素早くナイフを取り出してフレイに投げつける。

フレイはそれを冷静に避け、一旦外に逃げ出す。翔輝もそれを追って外に飛び出す。


「いきなり攻撃しなくてもいいんじゃねぇの~?」

「お前が先に来たんだろ!」


そう反論してから抜刀して斬りかかる。フレイはまたそれを避け、一度距離をとろうとする。


「逃がすか!」


翔輝がそういった瞬間、手に持った刀から光が発生し、フレイが逃げる方向に刀を出現させる。

それはフレイの逃げる道を塞ぎ、それを予想だにもしなかったのかフレイに多少の隙を与えた。翔輝はその瞬間を見逃さず、一気に距離を縮める。


「とりあえず死んどけ!」

「とりあえずじゃ死ねないね!」


フレイはそう言ったかと思うと目にも留まらぬ速さで弦を引き、いつでも矢を放てる体制をとる。

しかし、翔輝は迷わずフレイに向かって突っ込み、刀を振りかぶる。


「マジで来るの!?だったらこっちも容赦できねぇぞ!?」


怖気ついて止まると思ったのか、驚いたような声を上げて弦を放す。


「譲葉!」


翔輝が叫ぶ。すると、さっきまで翔輝に向かって飛んできていた矢が消えた。


「なっ・・・!?」

「ナイス!」


そう言って翔輝は振りかぶっていた刀を振り下ろす。完全に()ったと思ったが、手応えがほぼ全く無い。


「あっぶね~・・・」


上から声がしたので見上げると、フレイが木の枝の上に座って翔輝を見下ろしていた。


「逃げんのは早いな、お前」

「まぁ死にたくは無いしね。それにしても君容赦ないね」

「何の話だ?」

「今完全に殺す気だっただろ?」

「お前も殺意丸出しだった」

「だってやらなかったら俺が殺されてたからね」

「黙って殺されてればよかったんだ」

「恐い恐い。それからさ、さっきの矢はどこに行ったんだい?」

「教える必要は無い。とっとと消えうせるか死ぬか、どっちがいい?」

「冷たいね。まぁ、今日のところは退散するよ。また会おう」

「二度とゴメンだ」


ヤレヤレ、と言う具合に肩をすくめてからフレイは翔輝の視界から消えた。


「ったく、あの変態め・・・」

「翔輝さん、大丈夫ですか?」

「問題ない。それよりさっきはありがとな」

「まったく、大丈夫だったからいいものの・・・。私の反応が間に合わなかったらどうする気だったんですか?」


小屋から出てきた譲葉は右手に先ほど投げたナイフ、左手には矢を持っていた。

さっき翔輝が譲葉の名前を叫んだ時、譲葉が時間を止めて飛んでくる矢をキャッチしたのだ。


「私の能力を利用するのは勝手ですが、命の保障は出来ませんよ?」

「大丈夫だ、信頼してるからな」

「なっ・・・!?」

「・・・ん?あ、いや、違うぞ!?そういう、変な意味じゃなくて!」

「しょ、翔輝さん、言動には気をつけてください。誤解を招かないためにも・・・」

「わ、悪い。でも信頼してるのは本当だぞ?」

「・・・仕方ないですね、ちゃんとサポートしてあげますよ」

「・・・一応お前の命も懸かってるんだからな」

「大丈夫です、私の命が危ないときは真剣にやります」

「・・・俺の命のときは?」

「死なない程度にはサポートします」

「・・・期待してるよ」

「しないでください、気持ち悪い。それにしても---」


譲葉は浮かない表情をして小屋のドアを見る。


「・・・これどうしましょう?」

「・・・さぁ?」

「ただいま~、ってうわっ!何これ!?」

「うわぁ~、そして最悪のタイミングで帰ってきやがった・・・」

「翔輝、何があったのよ!?」

「何で俺限定だ?」

「み、ミラさん、違うんです!実はかくかくしかじかで・・・」

「知らないわよそんなの!現実でかくかくしかじかが通ると思ってるの!?」

「いや思ってませんけど、とにかく話を聞いてください!」


二人の必死の弁明も虚しく、ミラにこっ酷く怒られたのであった。

何でこいつらいきなり殺しあい始めたんだ?^^;

とにかく、これでフレイは変態確定ですね。哀れ・・・

今回の戦闘は自分的にはそれなりによく書けた感があるんですが、いかがだったでしょうか?

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