第14章 そのエルフ、フレイ
とりあえず更新です
今回すごくどうでもいい謎が解明します。たった数行の会話でですが
「とりあえず希望だけは聞いておくわ。天国と地獄、どっちに行きたい?」
レイが笑顔で普段と対して変わらない口調で聞く。しかし、その額には誰が見ても分かるくらいはっきりと青筋が浮かんでいる。
「んな怖い事言わなくたっていいじゃん?大した事聞いてないだろ、ただの質問さ」
「いったいあんたはどんな環境で育ったらそれが大した質問じゃないのかしら?」
「普通に育ったらそうだと思うけど」
「あたしが普通じゃないって言ってるのかしら?失礼なエルフね」
「何でもいいけど、俺の名前は『エルフ』じゃなくて『フレイ』だからそれでよろしく」
「・・・『何でもいい』ですって・・・?」
ミラがうつむいてそう呟いた直後、プチッと言う軽い音が響いた。
「あんたみたいなエロエルフの子供産むのが『何でもいい』!?ふざけんじゃないわよ!」
「お、何でもよくないのか?じゃあ真剣に取り組んでくれるんだな」
「黙りなさい!そして出来る限り迅速にあたしの視界から消えうせろ!」
「何でだよ~、いいだろ別に。それともまだやった事ないとか?」
「死ねえええぇぇぇい!」
耳を劈くような声を上げてミラはフレイに襲い掛かる。翔輝の特訓の時の3倍くらいのスピードで、それも殺意むき出しで襲い掛かる。
しかしフレイは臆した様子もなく、冷静にそれを避ける。一方、怒りで周りが見えていなかったミラはそのまま壁に顔面から激突し、地に沈んだ。
「うわっ、痛そ~・・・。おいミラ、大丈夫か~?」
「あんなに取り乱したミラさんは始めて見ましたね」
「そこの黒髪美人の嬢うちゃん、どう?俺とやってみない?」
「何をですか?新作ゲームか何かですか?」
「いやいや、そんなのじゃなくて---」
「あ、もしかしてこっちの世界には新しいゼ○ダの伝説とかあるんですか?それは楽しみですね、是非やってみたいです」
「も、もしもし嬢ちゃん??そういうんじゃなくて---」
「そうですよね、あなたみたいにリ○クにそっくりな人なら新しいのを持っていても不思議じゃありません。感動です、人間界の誰よりも先に大人気ゲームの最新版をプレイできるなんて!」
「じょ、嬢ちゃん?ちょっと人の話を---」
「それでは私は後日翔輝さんと一緒にあなたのお宅にお邪魔しますので、今日はこれでお引取り願います」
「え、ちょっとま---」
「ごきげんよう♪」
そう言って譲葉は有無を言わさずフレイを外に追い出し、間髪いれずにドアを勢いよく閉めた。
「・・・スゲー」
「ものすごいスムーズに解決したわね」
「これくらい楽勝ですよ。それよりミラさん大丈夫ですか?」
「えぇ、何とか。それにしても、アイツいったいなんだったのかしら?」
「エルフのフレイさんです」
「・・・いや、それは分かってるけど」
「とりあえず次に来たときは斬り刻みます。その時はお願いしますね、翔輝さん」
「ナイフを増やせと?」
「それ以外に翔輝さんに使い道ないじゃないですか♪唯一の見せ場なんですからしっかり頑張ってくださいね」
「あ~はいはい。せいぜいそうさせてもらいますよ」
「何にしても、もう二度と会いたくないわ・・・」
「それにしても『俺の子産んでくれ』って・・・。いつの時代のナンパ?っていうかそもそもそんなナンパ文句存在するのか?」
「ナンパ文句って何ですか?いや、意味は分かりますけど。って言うか多分ないです」
「それにしても、あんな容姿してあんな事言われたらリ○クのイメージ丸潰れね」
「・・・ずっと気になってたんだけどさ、何であっちの世界の物がこんなにこの世界にあるんだ?冷蔵庫とかゲームとか」
「こっちにも結構人間が来るのよ。あんた達以外にも。それであっちにどんな物があるのかを教えてもらって、こっちの科学者とか企業が色々開発するわけ」
「あっちの世界に存在する物はこっちの世界にも存在するってことか」
「そういうことよ。まだ『ひこうき』とか「ろけっと」何かはできないらしいけど」
「まぁそういうのはあちらの世界でも比較的最近開発されたものですしね」
「へ~。でもいいなぁ、特に『ひこうき』!あたしも一回でいいから空を飛んでみたい!」
「・・・はい?」
「・・・もう飛べるだろ、お前」
「え?・・・あ、ホントだ」
「・・・冗談だよな、ボケたんだよな!?」
「み、ミラさん?さすがに今のはちょっとないですよ?」
「ち、違うの!ボケたの!ホントは気付いてたよ、ホントだよ!」
「そうであってくれ、頼むから!お前までバカになったらまともな奴が誰もいなくなる!」
「し、失礼ですね!誰がバカですか、誰が!」
「だ、だからわざとだって言ってるでしょ!?これ以上言うと怒るわよ!?」
「ちょっとテリア連れてくる。あいつが一番まともそうだからな」
「翔輝さん、ちょっと待ちなさい!私をバカと呼んだことを後悔させます!」
「翔輝、ちょっと!だからあたしは冗談でやったんだって言ってるでしょ!」
「えっと、どっち行くんだっけか?」
「「人の話を聞いて~!!!」」
こんな感じに、つい三分前までいたフレイの事はすっかり忘れてしまった三人であった。
フレイの扱いちょっと酷かったですかね?まぁ翔輝に比べればこれくらい大丈夫ですよね
そんなことより人間界の物が異世界にある理由、あんなんで大丈夫でしょうか?^^;