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第10章 ハロウィンだしね

さぁ、記念すべき第10章です!

内容かなり滅茶苦茶です。考えながら書いてました。

でもまぁ、壊れた譲葉が書けたのでまぁまぁ満足です

しかし、これがハロウィン話と呼べるかどうかは微妙ですねぇ・・・^^;

そして夜。


「じゃあ僕は寝るから後のことは夜の僕に聞いてね」

「・・・なぁ、結構前から気になってたんだがその入れ替わりとやらはどうなってるんだ?」

「見てれば分かるよ。じゃあおやすみ」


レイは特に説明するわけでもなくとっとと寝てしまった。が―――


「・・・何も起こらない」

「ですね。・・・あ」


3分ほど待つと、次第に髪の色に変化が現れた。薄暗くてよく見えないが茶色かった髪が次第に赤く変化し始める。

そしてさらに2分ほど待ち続け合計5分後。ゆっくりと起き上がったレイの髪は完全に赤く染まっており、半開きの目の中から真紅の瞳が覗いている。


「ふぁああぁぁ・・・。おはよ」

「おはよ、ってんな時間じゃないけどな」

「レイさん体大丈夫なんですか?」

「どういうことよ?」

「だってそれってつまり毎日24時間休みなしに動きっぱなしってことですよね?」

「その辺は人間じゃないんだし大丈夫なんじゃないの?」

「自分のことなのにその程度の理解ですか・・・」

「とりあえず大丈夫だからいいの。さて、じゃあ罰ゲームね」

「今更だけどなんでゲームなんだ?」

「見てるあたしは面白いから」

「予想通りろくな理由じゃなかったな・・・。っていうか何でお前それ知ってんだ?昼間は体の中で寝てるんだろ?」

「今外に出てくる前に昼のあたしに聞いたからね。さ、何はともあれ始めましょう」

「まぁ正直どうでも言いや。とっとと終わらせて寝るとしようぜ」

「そんなに簡単に終わるかしらね?じゃあ説明するわ」


そう言うとレイはタンスの上に置いてあった箱から一枚の葉っぱを取り出した。


「何ですか、それ?見たことない葉っぱですけど・・・」

「これはこの森にしか生えていない植物でね。あたししかこの存在は知らないわ。だから図鑑にも載ってないし、名前も無い」

「かなり珍しいものなんですね・・・。で、それがどうしましたか?」

「これは独特の匂いを常に放っててね。あたしはこの匂いが好きだから色んなところにおいてあるんだけど、今日キッチンが燃えちゃったからキッチンの分がもうないの。だからあんた達二人で森に行ってこれを5枚くらい取ってきて頂戴」

「それって相当珍しいもんじゃないのか?そんな簡単に見つけられるか?」

「そんなに大変じゃないと思うわよ?10%くらいの確率で木の根元に生えてるからあんまり時間掛からないわ。でもその木っていうのがちょっと遠くにあるからそういう意味では時間がかかるかもね」

「その場所にはどうやって行けばいい?」

「コウモリに案内させるわ。あんた達はそのコウモリについていけばいいだけ。帰りもコウモリに案内させるから」

「分かりました、じゃあ行ってきます」


譲葉はそう言いレイに借りたコートを羽織って小屋を出た。翔輝は正直自分も罰を受けることに納得していなかったが、二人を相手に勝てる自信がなかったのでしぶしぶ受けることにした。


「あ、あのコウモリですね。さ、行きましょう」

「ラジャー・・・」

「翔輝さん、もっと気合入れてください」

「俺のせいじゃないのに気合入れろとか言われてもな・・・」

「何言ってるんですか、翔輝さんの説明不足が招いた事態ですよ?」

「あんなことまで説明しなきゃいけないバカだとは思わなかったんだよ」

「失礼ですね、誰がバカですか!」

「お前」

「分かってますよ!」

「あれ、分かってたのか?」

「もちろんです!・・・え、あれ、違います、そうじゃないです!」

「何が?」

「だから私は私がバカなのが分かってたわけじゃなくて翔輝さんが私のことを言ってることを知ってたんです!」

「・・・はい?」

「だぁからぁ!」


珍しく翔輝が譲葉を押している。そんな会話をしながらも二人はちゃんとコウモリについて行く。やがてコウモリは木の上に止まり、逆さまにぶら下がり羽を休めた。


「お、コウモリが止まったぞ」

「ってことはこの辺りに先ほどの葉っぱが生えてい・・・」

「ん、譲葉?」


最後までセリフを言い切らなかった譲葉が気になり翔輝は譲葉の方を向く。譲葉は木の根元の近くにしゃがんだまま硬直している。


「おい譲葉、どうした?」

「・・・しょ、翔輝さん・・・。こっち・・・」


震えた声で翔輝を呼ぶ。ただ事じゃないことを感じながら翔輝は譲葉に駆け寄る。


「どうした、おい?」

「・・・む、む、む・・・」

「む?」

「む、ムカデが・・・!」

「・・・は?」

「そこの木の根元に、む、ムカデがウジャウジャ・・・!」


譲葉が震える指で指差す方向を見ると、そこには確かに何か細長いものがうねうねと動いている。それも数匹。


「いや、確かにいるけど、それがどうした?」

「ムカデだよ!?気持ち悪すぎるでしょ!?何で足があんなにあるの!?頭のほうについてるのは何!?触覚!?足!?それともアレは目なの!?そうだったの!?」

「おおお落ち着け!とりあえず落ち着け!大丈夫だ、ただのムカデだから!」

「大丈夫じゃない!ムカデの中には毒をもってるのがいたはず!アレが絶対そうなの!死んじゃうの!」

「だから落ち着けって!大丈夫だ、それくらいじゃ死なないから!」

「ホント?ホントに大丈夫なの?」

「大丈夫だからとりあえず冷静になれ!」

「・・・も、もう大丈夫です。ご迷惑おかけしました」

「お前のその切り替えの早さにはホントに呆れるな・・・」

「それで、あそこには葉っぱありましたか?」

「ああ、あったぞ。取って来い」

「何言ってるんですかぁ!?私にあんなこの世で一番おぞましいところにある葉っぱを取りに行けっていうんですか!?」

「その通りだが?」

「理由を!」

「お前の罰ゲームだし」

「翔輝さんの罰ゲームでもあるんですよ!?」

「って言うかぶっちゃけ俺もあそこに行く勇気はない」

「この根性無し!」

「お前は時間止められるからいいだろうけど俺はガチで勝負しなきゃならねぇんだぞ!?どっちが簡単か考えてみれば分かるだろうが!」

「どんな理屈だろうと私は行かないよ!翔ちゃんは男の子なんだから自分で行けばいいでしょ!」

「どういう理屈だ!?」

「レディーズファーストだよ!」

「じゃあなおさらお前が行け!」

「嫌だ!」

「じゃあアレだ!お前が時間止めて俺が取りに行く!それでいいだろ!」

「そんなこと出来るの!?」

「出来ないのか!?」

「知らない!」

「自分の能力だろ!」

「そこまで熟知してるわけないじゃん!」

「って言うかまた動揺してる!また敬語がなくなってる!」

「もうそんなこと知るかー!」

「逆ギレするなー!」


暗い夜の森に二人の怒鳴り声だけが響く。その実にくだらないやり取りは実に1時間以上続いた挙句、そこの葉っぱはあきらめるというなんともへたれた結論に至った。


「まったく、翔輝さんのせいで時間を大幅に無駄にしました」

「お前のせいで葉っぱが取れなかった」

「翔輝さんがヘタレだからじゃないですか!」

「お前が臆病すぎるんだろ!」

「人のせいにしないでください!」

「どっちがだ!お前こそ人のせいにするな!」

「何です・・・!」


また言い争いが始まりそうな雰囲気の中、急に譲葉が動きを止めた。


「・・・なんだよ?」

「・・・あ、あ、あ、あれ・・・」

「あれ?」


また譲葉が震えだす。「今度は何だ、また虫か?」と呟きながら翔輝はもう一度後ろを見て、後悔した。

譲葉が震えだした理由が分かった。いたのだ、何かが。何かは分からないが、青白い人のような獣のような・・・。


「・・・何だ、あれ?」

「わ、分かるわけないじゃない・・・!」

「・・・幽霊?」

「!バカ言わないでよ!幽霊なんてそんなのいない!絶対いないの!?」

「何で疑問系なんだ?とにかく、幽霊じゃなかったら何だよ?」

「分からないから翔ちゃんに聞いてるんでしょ!?」

「お前が分からないものが俺に分かるわけないだろ!?」

「と、と、とにかくやっつけて!」

「バカ言うな!いいんだよ、こういうときは逃げれば!」


翔輝はそう叫び譲葉の手を掴んで全速力で駆け出す。そのスピードに譲葉は驚いた。

いつも体育や私生活の中で競争することは少なからずあるが、譲葉はいつも圧勝していた。

しかし、今の翔輝のスピードは譲葉より速い。それこそ譲葉が今までに見たことがないくらいに速い。

やがて後ろを見ても先ほどの青白い何かは見えなくなり、二人はようやく速度を落として一息ついた。


「はぁ、はぁ、ここまでくれば大丈夫だろ」

「しょ、翔輝さん、どうしたんですか?」


譲葉ももう冷静さを取り戻しており、先ほどまた敬語を忘れていたことに気付き元に戻す。

翔輝の方は既に呼吸を整えているが、譲葉は未だに息切れしている。


「何が?」

「な、何で、急に、あんなに、速くなったんですか?わ、私よりも、速かったですよ、あれ」

「お前は・・・。俺が本当にお前より身体能力劣ってると思ってんのか?」

「ど、どういうことですか?」

「いつもはほとんど本気で走ってないんだよ。めんどくさいし、何より疲れるし」

「ってことは、つまり、今まで、手を抜いてたってことですか?」

「つまりはそういうことだ」

「く、屈辱です・・・」

「お前最近そればっかりな」

「う、うるさいです。と、とにかく、魔闇さんに事情を説明して罰ゲームは許してもらいましょう」

「あれ、お前まだ気付いてなかったのか?」

「え、な、何がですか?」

「もう罰ゲーム終わってるぞ」

「・・・はい?」

「そうだろ、レイ?」

『なぁんだ、気付いてたの?』


翔輝が空に向かってそう言うと、一羽のコウモリが近くの木に止まった。そして次の瞬間、そのコウモリの中から手が飛び出した。


「ひぎぃぁう!?」


日常生活ではなかなか出せない叫び声を上げて譲葉が驚く。

翔輝も正直驚いたが、昨日のレイのナイフまみれの姿に比べればあまり大したことはない。それでも十分ショッキングなのだが。

その間にも手はさらにコウモリを引きちぎり、中からレイが這い出てきた。せめてもの救いは、レイが血まみれじゃないことである。

これでまたコウモリの血にまみれていたら譲葉は間違いなく気絶していたことだろう。


「お前、コウモリ殺すなよ」

「これはあたしの変化の方法よ。殺したわけじゃないわ」

「悪趣味な方法だな。コウモリになるときはどうするんだ?」

「秘密」

「・・・ま、魔闇さん、どうして?」

「おぉ、いい感じに怖がってるわね。いや~、満足満足」

「はい?あの、いったい何がどうなって?」

「つまり、本当の罰ゲームって言うのはお前が苦手なものだらけの森にお前を送り込むことだったんだよ。そうだろ、レイ?」

「御名答。それにしてもよく分かったわね。何で?」

「お前コウモリの格好で俺達追ってくるときクスクス笑ってたぞ」

「あ、コウモリの鳴き声ってキーキーだっけ?」

「いや、知らないけど少なくともクスクスじゃない事は確か。それにあからさまにいろいろ置きすぎだ。あのムカデお前が運んできたんだろ?あの時上見たらムカデくわえてるお前が見えた」

「よく見てるわね」

「そ、そうだったんですか・・・?魔闇さん、意地悪です・・・」

「たださ、あの亡霊はどうやったんだ?」

「あぁ、アレは本物よ?」

「「・・・はい?」」


翔輝と譲葉がハモって答える。


「だから、アレは本物。あの森は元々幽霊でやすいの。特にこの時期はね。あんた達の世界では今日ちょうどハロウィンとか言うのなんでしょ?」

「ちょ、ちょっと待ってください!という事はつまり、アレは本当に・・・?」

「えぇ、亡霊ね」

「・・・」

「ちょ、譲葉!だから黙って気絶するなって!」


翔輝はまたもや気絶してしまった譲葉を起こそうと試みるが、結局起きることはなかった。


「変な幼馴染がいて苦労してるわね、あんたも」


「まったくだ」と答えながら、翔輝は譲葉を背負ってレイと肩を並べて小屋へと続く道を歩き始めた。

気付いたら滅茶苦茶長くなってて自分でも驚きました^^;

そうだ、豆知識(?)を一つ

ハロウィンというのは今はもう怖い衣装に仮装して「Trick or Treat」、つまり「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」と言って家を回ってお菓子をもらう行事になっていますが、元々ハロウィンとは怖い衣装を着ることで近くに来ている悪霊などを追い払う行事なんです

・・・はい、どうでもいいですね^^;

まぁ何はともあれ、とりあえず10話書き上げることが出来ました。これも皆様読者様のおかげです

これからも頑張りますので、よろしくお願いします


それから、評価・感想どんどん送ってくださいね^^

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