FUNF
逃亡する熊がいた。彼は熊として、元いた家での行動として何の間違いはなかったのだ。だが、人間を食ったことで彼は目をつけられる。どうして、人間は駄目なのか?世の中の不条理に悩める熊。卯や狐を食べることは何にも痛めないのに、人が死ぬと彼らは恐怖で顔が歪む。熊は逃げる。彼の住む森には鉄の道路が敷かれ、その事が彼の足を痛めた。熊は逃げる。文明の馬車とも言える車が走る。猟銃を携えて、彼を狩ろうと進みゆく、その目には利益が絡んでいる様な黄色い目をしていた。子供の純粋無垢なそれとは違う色だ。色鉛筆よりも違う何かが近代の殺し屋は進んでいく。彼の家に入る、土足で何の礼儀も知らずにだ。侵入者は熊が逃げていくのを見ると、犬を放つ。その犬は忠実で、疑う事を知らない素直な犬だった。その犬の目には正義の目が足を風のように靡かせた。森の中を抜け、悪である熊を見つけると吠える。熊は正義を憎んだ。けれども、彼の弁護をする人はいない。むしろ、ここで事件が再び起きたら、狩人が背後に犬を支援し、熊の周りで恣意的な裁判を下すのだろう。いなくなった者を嘆く民衆、熊が狩られる事を喜ぶ民衆、一時間が立つと、彼らの周りには熊肉の料理が並び舌鼓を打つのであった。




