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Vierunddreizig 薔薇の死
颯爽と現れていた、かつてのヒーローはここにはいなかった。
暴虐と革命の混沌とした世界に
弱者を助けるヒーローなどいなかった。
だが、アンチヒーローなるものはいた。
彼はかつて、薔薇の意匠を込めた、
薔薇騎士団、ローゼンナイツに属していたが、
薔薇の反逆は王国の腐った権力者に叶うことはなかった。
死ぬるものなら、アルゴンへ、
蒼穹のリキュールを
一杯飲んで、
モロッコ王の傲慢さは、
この国の傲慢さと変わらない、
見えない地獄、
に足を落とす、権力者に誰が、
従うか……
反骨心が加速する。
だが、無意味であった、
見えるものはもう見えない、
あるのは一編の歌を残して、
この世から去るのみ、
「誰かの剣に殺されるより、自分の剣にて殺す方が、
よっぽどいい、」
最後は自身の血でvictoryと書く、
時が経てば、
皆、土に還る、
生きようとするのと、
死のうとするの、
その狭間で苦悩する内は人生だ。




