33 ミミの耳
ウサギはいいなと、
飼ってよかったと、
彼こと、ルテスは思うのだった、
彼はウサギの跳ねる運動に
興奮を覚える、
人間よりも、
その欲望が勝るのだった、
ある時、彼は、
耳を食べたいと思い始めた。
だが、その思いは
奇しくも破られてしまう。
今日、ミミは死んでしまったからだ。
もう、戻ることはない命に
嘆くルテスは暫し悲しみ、
そして、開き直る。
「まぁいいや替えはいくらでもあるし、」
ルテスは死んだ兎をそのまま放置して、
別の方向へと扉を開けて、
レインコートを来て、
暗い森を歩いて言って、
動物商人に連絡する。
「なんか、面白いことなくて退屈だったんだよ」
檻の中には、人間のようでいて、人間ではあるが、奇形児は見世物小屋として披露され、他には獰猛な虎が鎮座していた。
そこに弱った少女がいた。
「よし、これにしよう」
人間というものは、
各も生命力があれと同じくらい渋いものだ。
おまけに彼らの家、所謂、自然の住みかさえ、
破壊するちからは金を渡されて止めようとも語りきれない。
「よろしくお願いします」
少女はルテスの養子と言う形で、
玩具にされようとしていた。
いや、されていたのか、
分からない、
だが、本人はもう、いなくなっていた。
ルテスはいる。
そして、
なにもなかった木には
少女ミミのリボンが吊るされていた、
木の枝に、それも、
細く折れそうな木に、
「じゃあね、バイバイ」
ルテスは捨てた、
希望も絶望も人間の倫理も捨てて、
首を吊って血を流す、
臓物が出てきた、後の
大地は、たしか、
かつて、愛すべき妻が、
ルテスにはあった。
どうして、死のうと思ったのか、
明るく朗らかだった人がなぜ、
規則が多すぎる、
窮屈さのみが
教会の狭さが物語る、
解放なんてなく、
ルテスは高笑いしながら、
地獄の業火を歩き渡る。




