30 文学は死んだ
死んだ、死んだ、全てが死んだ、
前向きではなく、
後ろ向きな方で、
どうして、
こんな考えをするのか、
事情通にさえ、Kは話していなかった。
神が死んだ、それに加え、文学も死んだ、
明るい未来を掲げて進もうとする旗に対して、
言えば、黙殺、絞首刑は避けられないものだった。
読んで、幸せになるものを書けば、
テストで満点を貰える、
絵を挿入すれば、
さらに称賛と言う褒美を貰える以上、
この戯れは虚無に等しかった。
流行に迎合する魚たちで一杯だった。
飼育員はその模様に眉を潜める、
しかし、魚が彼に話しかけると、
時たま、笑顔で答えるしかなかった。
そうすることでしか、
彼らは己の生存の意義を見いだせなかった。
悲しみを売店に売り、
己の生活を蔑ろにするものがいた、
それがKと同等であるように、
または、ひとつの未来であるように思えて、
途端に身体を強張らせる、
1つ、ひとつの言葉に目を向ける、
高尚と呼ばれるようなものは、
ある種の差別的用語のような感じがして、
Kの心理的ストレスは、
絵のある童話を作るよりも、
いっそう、孤独を深めた。
大衆向けではないことは分かっていると
Kは睡眠する爺さんに言った、
「起こさせて悪かった、だが、私はこれでよかったのだろうか?こんなに絵もつかない、話を、よく分からないものを読者に与えさせて」
爺さんは返答する
「悩んでる内が花ってね、少年よ苦しむことが、いつかは咲くかも知れない、苦もなく話を書けば、それは枯れている、ある種の諦観である」
擬音と擬態語を使う創作者が羨ましい、
そうはいっても、憂鬱と悲劇は、
誇っていいのかと思い、
ため息をついては書斎から放れた。




