数字を止めてしまった人間
何てことをしてしまったんだ。
博士は頭を抱えて塞ぎ混む、
思いつくのも無しに、
壊れてしまったのだ。
この、唯一の誇りというものを失ってしまったからなのだろう。
何を便りにして生きていけばいいか、分からず、
この研究に何の意味が……
博士は苦悩している、
自殺をしたい気持ちと命に対するルールというもの
との拮抗の狭間にいるのだ。
かくてお金を手にした人間が幸せなのか?
反対は幸せなのか?
博士は徐々に人間の形から、
何かに、名前では形容しがたい
何かに変わりつつある。
笑顔はなにか?
悲しみはなにか?
分からなくなる前に、
博士は動いた。
自身の料理用のナイフで喉元をかっ切った。
辺りには血が飛び散った、
一種のトマトスープの池の完成だ。
弟子の発見で、
警察は動く、
判断できるのは自殺だが、
実のところ、なぜ、自殺に至った経緯は
死人にしか分かり得ないことだった。
つまらない、人生でした……。
そう、置き手紙を残したようで、
居留守を使う人間がいる。
毎回、インターフォンを鳴らす、
誰か、息をひそめる住人、
ウイルスという国境線が彼らの間に境界線を作ったのだった。
迷惑だ、非常に迷惑、
むしろ、訪問販売員は苦しい状況、
人との繋がりが、
危機だと思いもしなかった
昨日までの私達、




