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掌握  作者: 猫乃つづり
13/42

Dreizehn

「すいません、よく聞こえません」

手を挙げた。

だが、バスの音がそれ以上に煩くて、

試験監督官は、

彼の声に耳を貸すことはできずに、

続けられた。

これで、リスニングの試験は、

公正とはいかなかった。

恐らく、文部科学省の注意書きでさえも、

桜舞い散る、風のごとき、

風流を述べる詩へと変わるのだろう。


カフェ

本でも読もうかと、本を取り出す。

珈琲の香りが

精神世界の奥底で落ち着かせる。

疲れた時にはどうして、珈琲豆が落ち着くのだろう。

歴史的にはグロテスクなのに……

人間の欲望は美しくもあり、

時には悲しくもあるのだろうか。


目を覚ます、

試験終了のチャイムがなる。

あの時、見た夢というものは嘘なのだろうか。

いずれにせよ、

終わったことには変わりはない。

その証拠に監督者の、

怒りや不条理を受けない身分にも見える学生

という階級に対する不満を、

眉と口を歪めながらにこちらへ向けてくる。



最悪だ………


家に帰ったとしてもこの悩みは無くなることは無く。

増えていき、暗い坂道を降りて行く。

書きかけ途中の投稿作品に目をやるものの、

削除ボタンに手をやる。


きっといつかは夢への希望も、

現実生活で生きるためには

足枷になるであるだろうから。


そのために、彼は

語学を勉強しようと意気込むものの、

明日へと繰越して、生命の借金を犯すのだろう。

それは地獄への清算時に重たい十字架となるというのに……


「誰かに見られるまでは怖くはなかったんです」


電車、

夕焼けに染まり、

電信柱が所々変わっていく、

車掌の声が聞こえる。

ダミ声みたいな不快な声、

僕は彼が嫌いだった。

子供の頃は、

真面目な顔をして、

僕を傷つけたから、

そして、

逆に

僕が彼を傷つけたら、

いつも、一枚上手で、

僕の土下座を許さないという顔をして、

立っていた。


もう、あの頃には戻りたくはない。

だから、田舎に来ると抱くのは

嫌悪感だった。

その、素朴で牧歌的な、

都会の人々が形容するそれは無責任さからだと彼は思った。


扉が開く、

社会のレールはかくも儚くボロく消えていく。

きっと、偉い高級官僚でさえも、

最期は誰にも看取られずに死んで行くかもしれない。

自分の愛を与えたつもりが、

与えられずに我が子に殺されるかもしれない。

不安と深淵が人々の心には

雑居している大都会、

田舎でさえも同じ、

小さいコミュニティーでは、

尚更だ。


書いていいのか?

わからない、

書くものは、

フォローなんてしない方がいいのか?

孤独な方がいいってきっと、後悔する。


朝になれば同じ世界だって証明、

誰が出来る、

きっと、自分の決断に後悔するのだろう。


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