表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

押しつけがましい愛情

作者: 十五

ふと寝る前見た一つの動画


かっこいいなと思った画面上の彼女


かっこいいなと、友人にシェアしたその時ふと思ってしまった

世界は勝手なものだ。


彼ら、彼女らに何を求めているのだろうか。


ふと思い起こされてしまったのは、好きだったアイドルがバライティ番組に出ているのを見かけたときのことだった。ステージの上では凛とした彼女が、無邪気に笑っていた。年相応のことだ。なにもおかしいことはない。その通りだ。それなのになぜだ。私はどこか少し、彼女はこうではない、もっと凛としていてほしい、そう思ってしまったのだ。私は好きでいたはずだったが、その感情がわからなくなってしまっていた。正確に言えば怖くなってしまったのかもしれない。


私は彼女に会ったことなどなければ、手紙やメッセージなどの類を送ったこともない。そう、直接の関わりなど彼女に対して持ってはいない。ただこのアイドルは凛としていてかっこいい、そう友人たちと会話をしていただけだ。


彼女に対してだけではなく、友人やクラスメイト、ふと見かけたかっこいい人。もちろんポジティブな意味での言葉だったが、吐いていた、勝手に吐いていた、勝手に決めつけていた。その人がどうあるべきかなんて決めるのはその人自身であるはずなのに、見かけただけの人間がある意味勝手に決めつけている。その性格が、印象が、彼ら、彼女ら本来のものかどうかも分からないのに。


果たしてそこに乖離があったからといって、褒められたなどと喜べる人もいるのかもしれない。だが、規模が大きくなってきたらどうだろうか、周りみんなに褒められ、知らない人からも決めつけられ、全国みんなが自分を監視している。


自分がそうなったとしたら耐えられる自信がない。


もちろん好きなものは好きと言いたいし、かっこいいものにはかっこいいといいたい。それを人と共有したい気持ちは十分にわかる。


ただふとその状況を想像してしまったとき、自分というものを保てる自信が私にはなかった。


相手に対するネガティブな言葉について問題になっていますが、ポジティブな言葉であれば何も問題ないのでしょうか。


好きであることを免罪符にした期待は、時に何より残酷な歯止めの効かない空気感を作り出してしまうような気がしてしまいます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ