3.暁紅の目覚め(神託の光篇)打ち込み中
???「……すみません。
わたしが分かっているのはこれだけです
でもあなたなら任せられる。
これが私の…そして、
“あなたの力”なのですから———―」
真っ白い世界で
それだけがはっきりと聞こえた
マキア「な、なに……今の光……?
アイツを……一瞬で吹き飛ばした……?」
呆然とするマキア
リュイン「そんな事より、早くアステリアを
お医者さんに診せなくちゃ……!」
慌ててアステリアを見つけ
走り出すリュイン
???「その必要はありません、わたしが治癒をしています。
動かさないでください。」
その少女のような美しい女性が
光を放つ
アステリア「(温かくて、懐かしい光だ———―
それに……なんだかすごく、眠く———―……)
気が付くとアステリアは
真っ暗な世界にいた
ホタルのような青い光が下から上へ昇っていく
まるで夜空のようだ
少年の声「目が覚めたみたいだね……
いや、キミは眠りに落ちたっていう方が正しいのかな?」
アステリア「誰?」
少年の声「……ごめん、今はそのことを話してる時間はないんだ。
でも、いずれ分かるよ。
だから今は……僕の話を聞いてほしい。」
頷けているのか暗闇でわからないが
頷いてみるアルケミア
少年の声「やっと出会えたようだね。彼女の名前はテラ……。
君の力をテラに貸してあげてほしいんだ。
今、テラは全てを喪っている……。
本来の力も……記憶も……。
彼女の“翼”を取り戻してあげてほしい。
それが、この世界を救う唯一の方法なんだ……。
……身勝手なお願いだとはわかってる……。
でも、僕にはもう何もできない。
君にしか、出来ないことなんだ。」
っとその時
リュイン「アステリア……頑張って……!」
リュインの声がどこからともなくする
辺りを見渡すも暗闇しかない
少年の声「ああ、君の仲間が呼んでいるようだね。
どうやら話せるのはここまでみたいだ。
最後にこれだけは言わせてくれないか。
どうか、彼女を———―いや、彼女たちを……
助けてあげてほしい。
そして……ごめん、君を巻き込んで———―」
その言葉を最後に
少年の声はしなくなった
所々アステリアは頷いてはいたものの
暗闇で相手に自分は見えているのか
あるいは相手がどこに居たのか
それすらもわからない状態だった
しばらくすると
鳥の鳴き声が聞こえる
風と草の感じも伝わってきた
ゆっくりと目を開けると
見知った顔が覗き込んでいた
リュイン「あ……目が覚めたみたい……!
どう、痛む?動ける?」
アステリア「うん、大丈夫……あれ?
もうだめだと思ったのに……。」
マキア「この子が治してくれたのよ。
レリックかと思ったけど……どうも違うみたい。」
???「……。」
マキア「はあ……さっきからいろいろと聞いてみたんだけど、
どうやら、この子、記憶喪失みたいなのよ。
でも、なぜか、あなたのことは知ってるみたいなの。
ずっと探してたらしいんだけど、
もしかして、知り合いかしら?」
アステリア「わからない……でも、懐かしい感じがする
彼女と会ったことがあるような気がするんだ……」
???「……。」
リュイン「ほんと!?でも、どこで知り合ったの?」
アステリア「……夢の中……」
場の空気が静まり返る
リュイン「……それ、本気で言ってるの?」
マキア「……怪我人とはいえ怒るわよ。
こっちは真面目な話をしてるんだから。」
アステリア「本当だよ。この子の名前は———―」
見た目が少女のような美しい女性が
こちらを見つめている
アステリア「テラ」
リュイン・マキア「————!」
テラ「はい。わたしを呼びましたか?」
どうやら少女のようなこの美しい女性は
暗闇の中で少年が言っていた
テラという人物らしい
驚きを隠せないリュインとマキア
リュイン「な……なんで知ってるの?
私たちだってさっき知ったのに。」
アステリア「だから、本当なんだって。」
マキア「……にわかに信じがたいけど……。
でもさっきの光景を見た後では、
納得せざるを得ないわね……。」
マキアはテラに顔を向けた
マキア「ねえ、テラ。
さっきの力の事も覚えてないの?」
テラ「あの力は……『オラクル』です。
彼がいる事で使える、私のチカラのようです。」
マキア「……オラクル?聞いたことがないわね……。」
興味深そうにテラを見つめるマキア
リュイン「ねえ、アステリアはわからないの?
なにかこう、すごい力に目覚めたー、とか。」
考え込むアステリア
アステリア「よく分からない。
力を貸して欲しいって言われて手を握っただけだから。」
マキア「そっか……。また一つ調べないといけないことが増えたわね
製作中 9」;」08