2.碧い天使の降臨(神託の光篇)
マキア「これが最後のダストね……」
大型ダスト「——————□□□————……………。」
その瞬間最後の大型ダストが粉々に砕けた
リュイン「やった……これで、ダスト討伐完了っと。」
マキア「あなた、なかなかやるじゃない。」
笑みを浮かべるマキア
リュイン「えへへ……そういってもらえるのは嬉しいな。
マキアさんは戦い慣れてるみたいだったけど……。」
マキア「まあ、いろいろと経験してるのよ。
……あと、“さん”はいらないわ。」
リュイン「え?」
マキア「“マキア”でいいわ。改めて、宜しくね、リュイン。」
リュイン「う、うん!宜しく!マキア!」
するとそんな笑顔の二人の元へと
アステリアが走ってきた
アステリア「二人とも、大丈夫?」
リュイン「あ、アステリア!こっちは大丈夫だよ!
みんなにもう安心だって言ってきてあげて!」
アステリア「ああ、わか———————」
ザシュ
リュイン「——————え?」
アステリア「———————……っ……ぐ……。」
血が噴き出し
その場で倒れ込むアステリア
上空には翼の生えた
人型の青いダスト
X「ん……?……仕留め損ねましたか。
まったく……人間というのはなんて浅ましい。」
リュインがアステリアを抱き寄せる
リュイン「や……やだ……。
ま、まって……嘘でしょ……?
アステリア……!」
マキア「な……なに?アイツ……それにあの形状は……?」
予想外の事が起こりすぎて困惑するマキア
マキア「——————いや、今はそんなことどうでもいい!
くっ———————ハァァッ!!」
Xに切りかかるマキア
X「フッ…………。」
あざ笑うかのように軽々とその攻撃を避けるX
マキア「リュイン、私がコイツを引きつけるわ!今のうちに彼を!」
リュイン「……っ、わかった……っ!」
泣きながらリュインは返事をした
リュインは目元の涙をぬぐうも
涙は止まることなくまた流れてくる
リュインは強い口調でアステリアに語り掛けた
リュイン「アステリア!今、診療所につれていくからね!
絶対大丈夫だから……。大丈夫なんだから……っ!」
まるで、自分自身に言い聞かせるように
アステリア「(リュインが……泣いている……。
こんなところで……死ぬ、わけ……には——————)」
段々と、視界が狭まり
暗くなっていく
と、その時
真っ暗になったアステリアの目の前に
光の世界が現れた
左目がオレンジ
右目が青だろうか
髪の毛は緑色で
???「やっと、見つけました。」
目の前には少女のような
美しい女性が立っていた
???「…………。さあ……わたしの、手を——————」
アステリア「(誰……?でも、どこか……懐かしいような……?)」
場面は戻りXとマキアが戦っている
X「……この気配は——————」
マキア「よそ見してんじゃないわよ!!」
マキアの攻撃をXは軽々とはじき返す
X「……鬱陶しいですね。」
ひゅん!
マキア「くぅ……っ!ま、待ちなさい!
———————リュイン!早く彼を連れて逃げて!!」
Xはマキアを吹き飛ばし
上空からリュインとアステリアを見下ろした
X「やはり天使か……。
これは……厄介ですね。」
リュインはXを涙を流しながら睨みつけた
リュイン「……アステリアには……
手出しさせない……。命に代えたって……
絶対に……。」
その瞬間
アステリアの意識が少しだけ戻った
アステリア「だめだ、リュイン……!
僕をおいて……逃げろ……!」
X「全く……煩い人間だ。天使もろとも——————死ね。」
再びアステリアは意識を失い
光の世界へ連れ戻される
???「—————いけない……。あなたの力を貸してください。」
先ほどの美しい少女のような女性が
コチラへ手を差し伸べている
???「さあ、わたしの手を取って。」
なおもその美しい少女のような女性が
コチラへと手を伸ばす
???「早く—————!」
その手を握ろうと、力を振り絞り
懸命に手を伸ばすアステリア
場面は戻り
マキアとリュインが協力しXに戦いを挑んでいた
マキア「さあ……やるわよ。リュイン!」
リュイン「うん、行こう。マキア!」
X「人間風情が……。」
Xが身構える
X「怖いでしょう……?レイジバルト。」
高速で動き回るX
マキア「(うそ……目で追えない…)」
X「がら空きですね……」
突如マキアの前にXが現れる
Xの右手がワニのような口に変化し
その口が巨大化しマキアを喰らおうとした
X「まずは一匹めです……アッハッハハハハハハ」
リュイン「危ない!マキア!」
リュインの攻撃でXを突き飛ばし
間一髪でマキアは回避できた
マキア「ありがと、リュイン。助かったわ!」
マキアは剣を握りなおす
マキア「私も本気出さないとね…」
Xに切り込んでいくマキア
マキア「ハァァア!」
ガキイイイイン
マキア「テヤアアア!」
ガキイイイイン
マキア「セヤアアアア!」
ガキイイイイイン
全ての攻撃を軽々と受け止めるX
マキア「っっ……!やるわね……。」
リュイン「だけど……ここを通すわけには—————っ!」
リュインの杖からたくさんの炎が
Xをめがけて飛んでいくも
Xに当たった所で、さほどダメージのを受けている様子ではない
X「……………。」
リュイン「そんな……効いてない……?」
マキア「なら、これはどうっ!」
マキアは剣を空へと振りかざした
マキア「決めるわ……!ブルーブレイズ!行くわよ!」
青い広範囲の冷気を帯びた斬撃と供にマキアがXを切りつけ
辺りには氷の結晶が散らばる
しかしXは無傷のままマキアを見つめている
マキア「くっ、これでもダメなのね……。」
悔しそうな顔をするマキア
リュイン「マキア、こうなったら同時に仕掛けるしかないよ!」
マキア「そうね、全力で行くわ!!」
リュイン「ドラサールの名にかけて!!!」
杖を目の前で横にし祈るように目を閉じるリュイン
リュイン「……私の炎の勢いは!誰にも止められない!逆針の羅針盤!」
ゆっくりと目を開けるリュイン
リュイン「最高火力充填!いくよ!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
ドガアアアアアアアアアアン
大地から炎が噴き出しXへと迫っていく
マキア「そこをどきなさい!アイディール・ブルー!」
氷をまとった斬撃をいくつも飛ばすマキア
マキア「私を怒らせた事を——————後悔しなさい!」
ババババババババ!
マキア「これで!終わり!」
リュインの炎と
マキアの氷をまとった斬撃が
Xにすべて命中する
ゴゴゴゴゴゴゴ…
蒸気のような煙の中ゆらりとこちらへ出てくるX
X「フッ……。」
まるでダメージを受けていない様子のX
X「相手の力量すら推し量れないとは……
やはり人間は愚かな。……ずたずたにしてあげましょう…」
空高くへと飛び上がるX
そして空には真っ黒い暗雲が立ち上り
雷鳴が鳴り響く
「己の無力を悔いなさい…ジェネシスアーダー」
目を見開くX
体中にマナをまといながら
Xが空から勢いよく落ちてくる
大地に叩きつけられた大量のマナが
大爆発がおこし大地を削っていく
X「虫けらに価値などないのですよ…」
迫りくる爆発
マキア「なんて……強さなのよ……。」
リュイン「ここで、負けるわけには……。」
爆発の中心でXがつぶやく
X「さて、天使諸共、息の根を止めるとしましょうか。」
???「————準備が出来ました。
わたしたちの力—————オラクルを使う時です。
さあ、あなたの意思で———―」
アステリア「僕は……二人を……守りたい……!」
その瞬間美しい少女のような女性が光を放つ
???「神託の子等よ—————女神の加護を!」
その瞬間、白く暖かな光がマキアやリュイン
そして村を守るようにすべてを包んだ