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1.運命は静かに幕を開ける(神託の光篇)

UNITIA 神託の使徒×終焉の女神さんが

今年の3月の31日をもって配信が終了するそうなのですが

私はあの作品の世界観とストーリーが

大好きでして、是非とも残したいと思い

私的に何度も見て楽しむために

ここに残させてもらう事にしました

消すなんてもったいない上に寂しいです

星空にも似た、漆黒の世界で声がする。



1の天使「種蒔く光 静寂しじまなる秩序の園を望郷す。」


2の天使「花咲く地 豊穣たる楽土の園を追憶す。」


3の天使「理は交叉し 七災の御柱天地を穿つ。」


2の天使「星霜の御使みつかい 其は創世の流星たるや。」


1の天使「三位の御使い 其は救世きゅうせい聖翅せいしなるや。」


1・2・3の天使「我が終焉 至るに目見まみえしは 黄昏が為。」




-----------ある日、世界は1つになった。



場面は変わり、人々の争うような声と


逃げ惑うような声の中


3の天使は1の天使に抱えられるようにし倒れていた


横たわる3の天使の視線には


1の天使の顔から下の身体と


1の天使の美しい金色の翼が見えている


そして、その翼の向こうには真っ赤な世界が広がっていた


1の天使「お願い、行かないで……!

あなたがいなくなってしまっては、

わたしたちが守ろうとした世界は……人々は——————」

2の天使「くそ……大丈夫か!?

なんで……なんでお前が

ここまでしなくちゃいけないんだ……!」

1の天使の翼と、その向こうに広がる真っ赤な世界の間で

2の天使が悔しそうな声をあげる

1の天使「まだあなたの力が必要なんです!

だからどうか……!」


3の天使は声を出す力ももはやなく

薄れゆく意識の中

闇を深めていく世界の中で

心の中で言葉を発する

第3の天使「(彼女たちの瞳から涙が伝う。

拭いてあげようにも、もはやからだは動かない。

彼女たちの叫びも、人々の争う声も、

少しずつ遠くなっていく————)」


紫がかったような、暗い空が雲を従え

渦を巻いている。

その中心へと、紫がかった柱のような光が立ち昇り

そして、その光の柱を更に取り巻くように

2本の光が交差しながら空へと立ち昇っていた


3の天使「(七彩を帯びた光の柱が

天を穿たんと高く、高くそびえ立ち

やがて両翼を広げるように禍々しく歪み始めた。

心亡き塵は空を喰らい、世界の終焉を渇望する。

僕は少し眠り、

再び来たる目覚めの時を待つだろう————)」



――――――――――――――――――


アステリア「(今のは————……夢……?)」


コンコン


ノックの音が聞こえる


リュイン「入るね、アステリア。」


ベットで横たわるアステリア

そんなアステリアのベットに片手と片膝をつきながら

アステリアの顔を覗き込んでくるリュイン


リュイン「おはよー……って、まだ寝てたの?

珍しいね。いつも早起きなのに。」

覗き込んだ時に崩れた髪の毛を

指で戻しながらリュインが顔をあげる

アステリア「あれ、もう昼??ごめん寝坊した?」

リュイン「ううん、あのね、お客さんが来てるの。」

“向こう”からお父さんを訪ねて来たみたいなんだけど……。

私、向こうの人とまともに話したことないから

その……どうしていいかわからなくて……。」

リュインが困ったような笑顔を向けてくる

リュイン「だからほら、一緒に来て!

あ!ちゃんと顔は洗ってきてね!」


そういって部屋を出ていくリュイン


アステリアは顔を洗い、着替えを済ませ

そのお客さんとやらが待つ部屋へと向かった


部屋のドアを開けると

青い髪の毛に紫色の目をした女性と

ぎこちない感じのリュインが

ソファーに腰かけていた

アステリア「お待たせしました。」

お客「いえ、気にしないで。

ごめんなさい、こんな朝早くに。」

リュイン「……いえ、大丈夫です。」

お客「改めて自己紹介させてもらうわね

ネオラントのアステル連邦からきました。

マキア・クロフトと言います。」

どうやらこの女性はマキア・クロフトと言う方らしい

マキア「ここはロベールさんの私宅だと伺ったのだけど

今は外出中かしら?」

そう言いつつ、辺りを見渡すマキア

それを見てリュインが不思議そうな顔で

リュイン「……もしかして、マキアさん、

お父さんのこと。知らない……のかな?」

とアステリアに問いかけてきた

マキア「え?どういことかしら?」

マキアが驚いたように聞き返す

リュイン「えっと……実は————

あ、その前に!紹介が遅れました。

私、リュイン・ドラサールです。

ロベールは私の父。

で、こっちが—————」

アステリア「息子のアステリアです、宜しく。」

そう言いつつアステリアはマキアに手を差し伸べた

マキア「ええ宜しく、二人とも」

マキアはアステリアの手を取り握手した後

リュインとも握手をし

皆で軽い挨拶を済ませた後で

本題へと入るのであった

マキア「で、ロベールさんはどうかされたの?」

リュイン「その……父は今、行方不明なんです。

私たちもどこに居るのか知りたいくらいで……。」

眉をひそめてリュインが答えた

マキア「うそ……そうだったの……。」

驚きを隠せないマキア

リュイン「ごめんなさい。せっかく来てもらったのに。」

申し訳なさそうにリュインが頭を下げる


せっかく来てもらえたのだ

せめて用件だけは聞いておこうと

アステリアはマキアに質問をした

アステリア「それで用事ってなんでしょうか?」

マキア「そうね…そこの事情から話をさせてもらうわ。

私は保安省という所で働いているのだけど————

まあ、いわゆるお役所ね

そこで私は世界のいろんな出来事を調べているの。」

リュイン「世界の出来事?」

マキア「そうね…例えば——————————虹災こうさい

虹災と言ったとたんマキアの顔が険しくなった

リュイン「虹災って……ダストが現れる時に起こる、あの————」

恐る恐るリュインが訪ねる

マキア「ええ、クロスインパクト後、

偶発的に起こる不思議な自然現象。

それに……世界の中心にある、あの天の柱ね。」

リュイン「……!それ……お父さんも調べてた—————」

思い出したかのように驚くリュイン

マキア「ええ、資料を読ませてもらったわ。

世界中の学識者、権力者がこぞって調べてるけど、

まだまだ分からない事ばかり……。」

目を伏せるマキア

マキア「私も自分なりに色々調べていたら、

冒険家・ドラサール卿に行き着いたってわけなの」

リュイン「そっちにまで名前が知られてるなんて……

お父さんってそんなに有名なの?」

リュインが首を傾げた

マキア「私も調べるまでは知らなかったのだけど…。

凄い人ね、あなたたちのお父さん。

大抵の資料には名前があったわ。」

リュインに笑顔で答えるマキア

マキア「まあ……だから。何か手掛かりになる情報を

知っているんじゃないかと思って、

このパクレット村を訪ねて来たんだけど……。

そっか……行方不明だったのね。

よく調べてこなかった私も悪いのだけど……。

なるほど、ここ最近の活動記録がなかったわけだわ。」


場にしばしの静寂が訪れる

鳥の鳴き声などが外でする

穏やかな朝


そんな静寂のなか

マキアが何かを思いついたように口を開いた

「ねえ?何か手がかりみたいなもの、残ってないかしら?

どんなものでもいいから!」

リュイン「ごめんなさい……。

手がかりになりそうなものはほとんどなくて……。

うーん……手記だったら残ってるんだけど。」

マキア「それ、是非見てみたいわ!

お願いできるかしら?」

暗い顔をしていたマキアの顔に

思わず笑顔が戻った

リュイン「ちょっと待ってね。」

部屋の本棚の辺りを探るリュイン

リュイン「えっと……あ、これこれ。

伝承のことばっかり書いてあるけど。」

そういいながらマキアに父の手記を手渡すリュイン

マキア「ありがとう、見せてもらうわね。」

マキアは手記を受け取りページをめくっていく

マキア「種蒔く光 静寂なる秩序の園を望郷す……。

これって……。」

リュイン「あれ?知ってるんですか?創世の謳を。」

マキア「……いえ、こっちの世界にもあるの……

創世の謳が……。どういうことかしら……。」

リュイン「えっ!?同じ詩が伝わっているってことですか?」

マキア「そう……なるわね。たまたま?いえ、そんな偶然————」

考え込みながら手記を読むマキア

マキア「—————ん……?これは……。」

リュイン「どうしたんですか?」

マキア「いえ……この記述を見て。

この詩には欠けている部分があるかもしれない……と。」

リュイン「えっ……そうなの?」

手記を覗き込むリュイン

リュイン「…………ほんとだ……。

ねえ、アステリア……知ってた?」

アステリア「僕も初めて聞いた。」

マキア「続きがあるってこと……?それとも間が失われているのか……。」

リュイン「……お父さんはこの伝承を調べていて、行方不明になった……

何か関係があるのかな……。」

マキア「伝承……なるほど……ただのお伽話でもないってことね……。」


マキアとリュインの会話を聞きながら

アステリアは先ほどの夢を思い出していた…

夢に見た1の天使と2の天使の事を


そんなアステリアに気づき見つめるリュイン


リュイン「——————どうしたの、アステリア?

いきなりぼーっとし—————―」


ゴゴゴゴゴゴゴ


リュインの話を遮るかのように

突如、地面が揺れだした

リュイン「きゃあっ!」

マキア「この揺れ…もしかして————!!」


外へと飛び出す三人


リュイン「……!虹災かもしれない……!

それに。この揺れの規模……

ダストが現れるんじゃ————」

すると一人の男が走って逃げてきた

おじさん「リュイン嬢ちゃん、大変だ!ダストだ!

村の外れにダストが!!」

マキア「……どうやら『仕事』のようね。

ここは私に任せて、

あなたたには安全なとことへ避難しなさい。」

アステリア「仕事って…きみは何物?」

村の外れへと向かおうとするマキア

手には青色に輝く剣を握っていた

リュイン「——————それは!!」

マキア「……私の部署は虹災特別対策課ってところでね、

こういう事態の収拾も仕事のうちなのよ。」

リュイン「待って、私も行きます!

この村を守るのは私の大事な役目なんだから。」

その言葉にマキアは強い口調で

マキア「だめよ!ダストが現れているのよ!?

素人が手を出すものじゃないわ、ここは———」

その瞬間リュインの手元に赤い杖が現れた

リュイン「素人じゃないよ!

私だってレリックを使えるんだから。」

それをみてハッとするマキア

マキア「————!なるほど……あなたも————。」

マキアの笑顔にリュインが笑顔を返す

マキア「……わかったわ、

だけど、危なくなったら下がるのよ!いいわね!」


村の外れへとそのまま走り出す3人

そんな3人の耳に女性の悲鳴が聞こえる

おばさん「きゃあぁああっ!だ、ダストがあんなに—————」

見ると小型のダストが空を飛びかい

大型のダストがこちらに向かって歩いてきている

赤、青、緑の大量のダストである

子供「うわぁん、ママーっ!!」

泣いている子供に歩み寄りそっと頭を撫で

周りで慌てている人々に対しリュインが大声を出す

リュイン「落ち着いて!ダストは私たちが足止めするから、

その間にみんなは今すぐ私の屋敷へ避難を!

アステリアは

怪我人の避難を手伝ってあげて!」

アステリア「リュインも無茶しないように!

マキアさんも頑張って!」

そういってアステリアは怪我人の元へと急ぎ

肩を貸す

ダスト「□□□□□□□——————!!」

ダストたちが叫び声を出しながら

リュインとマキアの元へと近づいてくる

マキア「どうやらお出ましのようね……。

リュイン、私が前に出るから、

あなたは後方から援護を!」

リュイン「背中は任せて……いくよっ!!」

走り出す二人

マキア「戦闘は慣れているみたいだけれど、

チームでの戦闘は初めてよね?

一人で戦うのとでは勝手が違うから、

しっかりついてきてね。」

リュイン「うん!よろしくね!」

マキア「戦闘はリアルタイムで進行していくわ。

戦況は常に変化しているから、目を離さないでね。」

リュイン「うん!わかったよ!」

マキア「それじゃ、まずは私から行かせてもらうわ!」

大型の赤いダストが

二人にめがけて拳を振り下ろそうと

手を振り上げた

その瞬間二匹の小さなダストが

素早い動きで二人の元へと迫ってきた

マキア「せい!」

マキアは素早い動きで

その二匹の小型のダストを切り伏せた

マキア「ふぅ。先手必勝ね。」

リュイン「マキアさん凄い!」

とそんな二人に

先ほどの大型のダストが振り下ろした拳が襲う


ドゴオオオオオオン


瓦礫と土ぼこりが辺りに立ちのぼるも

二人はその攻撃を軽々とかわしていた


リュイン「なら私は魔法を使って、大ダメージ狙いで行くよ!」

マキア「……魔法……?」

リュイン「うん!まあ見てて。」

マキア「あら、自信あるみたいね。」

マキアが笑みを浮かべる

大型のダストが二人に気づき

再びこちらへと迫ってくる

マキア「さあ、リュイン。あなたのその力を見せてもらえるかしら」

リュイン「うん。まかせて。私も良いとこ見せなくっちゃ!」

そういうとリュインは両手を広げた

リュイン「私の力、見せてあげる。思いを昇華した炎の一撃!

思い出の篝火かがりび!」


ドオオオオオオオオオン


炎の壁が目の前に現れた


ゴオオオオオオ


炎の壁で燃え、一掃されるダストたち

だが、巨大なダストはまだ此方へと向かってくる

リュイン「倒しきれなかったみたい……。」

あれだけ言ったのに倒しきれず

がっくりと肩を落とすリュイン

マキア「落ち込んでる暇なんてないわよ。後は私に任せて!」

リュインに笑顔を向けた後、走り出すマキア

マキア「そこをどきなさい!」

尚も向かってくる大型のダスト

マキア「聞き分けが悪いわね!いいわよ。

私を怒らせた事、後悔しなさい!アイディール・ブルー!」


バリン!


大型ダスト「□□□□□□□——————!!!!」

一瞬の出来事だった

マキアがダストに近づいたと思ったとたんに

大型ダストに無数の剣の傷が現れた


リュイン「マキアさん凄い、何をしたのかわからなかった。」


バリン!


音がした時にはすでに無数に切り刻まれているダスト

一瞬で何度マキアが剣を振るっているのかわからない


マキア「これで!終わり!」


バリイイン!


その瞬間大型のダストが微塵に砕け散った


リュイン「やった!」

マキア「ふう、まだ向こうにダストがいるみたいね。

気を抜かずに行きましょう!」

リュイン「はいっ!」


マキアが小型のダストを切りつけると

もう1匹の小型のダストがマキアへと迫ってきた

リュイン「マキアさん!危ない!」


どおおおん!


リュインの杖から炎の玉が飛び出し

ダストたちを一撃で焼き祓った

リュイン本人もその威力には驚いてしまった

マキア「凄いじゃない、リュイン!」

リュイン「えへへ、無我夢中で……

運よく弱点に当たったみたい。

それよりもマキアさんが無事でよかった。」

マキア「ふふ、ありがとうリュイン。

でもさっきのは運じゃないの。

私たちの扱うマナには属性色があって、

それぞれ有利な属性が決まっているのよ。」

リュイン「……え……?」

マキア「リュインは……きっと赤ね。私は青。

青は赤に有利で、赤は緑に有利

緑は紫に有利で紫は黄色に有利なの

そして黄色は青に有利。」

リュイン「と、言う事はさっきのダストたちは

緑の属性色をもっていたってことだね!」

マキア「ええ、そういうことになるわね。」

リュイン「ということは、青の属性色の敵には注意しなきゃ。」

マキア「ふふ、その時は私がリュインを守るから

大丈夫よ。安心して。」


と、その瞬間ふらつくリュイン


マキア「リュイン!どうしたの!?」

リュイン「くぅ……どうしよう……

何か急に身体の調子が……」

マキア「ダストの毒かも知れないわね……

リュイン、あなたはここで休んでいて。後は私が—————」

リュイン「こんなの、全然平気だよ!

それよりも、残りのダストを早くかたずけちゃおうよ。」

マキア「……リュインでもあなた—————」

リュインの力強い目にマキアはそれ以上反対できなかった

マキア「……ええ、わかったわ。

それじゃ、毒が回る前にこいつらを全員倒しましょう

くれぐれも無理しない事。いいわね?」

リュイン「うん!」


マキアが大型のダスト2体を切り伏せる


リュイン「熱いの行くよ!」

杖から炎をリュインが飛ばし

小型のダストたちが次々と燃えていく

マキア「この調子で片付けるわよ!リュイン!」

リュイン「はい!」


最早、二人の息は

初めて一緒に戦ったとは

思えないほどに

ぴったりであった

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