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モスダイアリー      耽美的な女吸血鬼?映画。メアリー・ハロン監督 2013年 極私的映画レビュー

作者: 舜風人

(注)私の映画レビューはネタバレ全開ですのでご注意ください。






吸血鬼映画って結構たくさんあるんですが、、、


耽美的な吸血鬼映画となれば、、

ちょっと古いですが、、「血とバラ」ロジェバディム監督、、でしょうね。


で、最近作となれば


これ、、「モスダイアリー」 THE MOTH DIARIES

でしょう。

メアリー・ハロン監督2013年制作。






さて  モスダイアリー、、この映画のオハナシは、、




詩人の父の自殺から立ち直れないレベッカは

古い全寮制のゴシック風な女子学園に転校してくる。やがて、

ルーシーという親友もできて明るくなっていくレベッカだったが、、


ある日この学園にエネッサという謎めいた美少女が転校してくる。

ルーシーはエネッサに親しみを感じて次第にレベッカから離れていく。

レベッカは親友の心変わりに傷つくのだが、


そのころから学園では不可思議な殺人事件が起こるようになり、、


レベッカは授業で読んだ「吸血鬼カーミラ」ジョルジュ・レファニュ作、の影響?で


エネッサは吸血鬼だと信じるのだった。


この映画には、授業で「カーミラ」を教える男性教師くらいしか「男」は出てきません。

この男性教師は吸血鬼小説のキモとはズバリ「血とセックスと死だ」と喝破しますね。


、、、というわけで全編女性ばかりの女性映画ですね。


(この男性教師レベッカに下心を持ってたりして、、、)




とまあ、こんなあらすじですが


その間レベッカの見る悪夢とか白昼夢とか、、


トラウマの過去の経験の映像とかが挿入されて、、


その悪夢の中ではエネッサが不気味な予言を呟いたり、、


自殺して父の跡を追いなさい、、とか言って剃刀の刃を手渡したり、、


目ざめると、、剃刀の刃があるんですよね。


また、女子学園の日常生活も点描されていて、


女子学園の女生徒のコンサートとかドラッグとか初体験とか


そんな今風なエピソードもちりばめられて展開していきますね。


映像のムードはゴシックホラー全開という感じで


映像もきれいです。そしてなにより、、


エネッサ役のリリー・コールが、、とにかく不思議ちゃん全開で、無気味で圧倒的ですね。


あの「サスペリア」を、、より耽美的にしたような映像です。


そうこうしているうちにも第二、第三の殺人事件が、、、、、


レベッカの友人のドーラが転落死して発見されたり、


鬼女教師が森の中で他殺体で発見されたり、、と


それらの殺人事件にエネッサがかかわっているという確信を深めるレベッカ、、


エネッサの部屋を深夜に覗くと


そこには蛾がいっぱい飛んでいたり、、、、。


このモスというのが、


実はレベッカが死んだ(自殺)父と生前「月の蛾」というきれいな蛾を観察したことが


トラウマ的の記憶に残っていてキーワードになってるんですよね。


で、、レベッカがつけている日記が「モス・ダイアリー」という、、、、。



でもいくらレベッカがエネッサが犯人で吸血鬼といっても誰もレベッカを信じてくれません。


そんなある日ルーシーがげっそり痩せて入院してしまうのです。


エネッサに取りつかれて生気(血)を吸われたと信じるレベッカですが、


やっと退院してきたルーシーが夜の、、森で、、


エネッサと空中に浮遊する光景(幻?)を見たレベッカは


駆け寄るとエネッサは消えてそこには冷たくなったルーシーの死骸が、、、


ルーシーまでも死んでしまうのですね。


そしてレベッカは最終的なエネッサの目的は、私を殺すことだったのだと気付くのです。


意を決した


レベッカは、エネッサの秘密をあばくために


エネッサがしばしば人目を忍んで行く地下室の秘密の部屋へ


行くのだった。


そしてそこで見た物は、、


大きな大きな古めかしいスーツケースでした。


それを開けると、、、古い日記帖が、、、


開いて読んでみると、そこには1907年にこの学園で自殺した少女の日記で、、



レベッカは急いで燃料室へ行き、、、石油缶を持ってきて


戻ってくると、、あのケースを開けると、


中にはエネッサが死んだように寝ているではないですか。


辺りにガソリンをまき散らし、、火を着けるのでした。


めらめらと燃え上がる炎の中で


エネッサは火だるまになって燃え尽きるのでした。


そして、、、、


レベッカは駆けつけた警察に逮捕されて


車で護送されていきますが、


レベッカはこうつぶやくのです。




「いくら現場検証したって


エネッサの死骸なんて出てこない、


彼女は塵になって消えうせたのだから、、」





そういって彼女は握りしめていた剃刀の刃をそっと車の窓から外に捨てるのでした、、、、。





、、、、、と、こういう展開なんですが、、



でも?待てよ?



これってレベッカのすべてが妄想だったのではないでしょうか?


というふうにも解釈できますよね?


映画の中では


エネッサが実際に吸血するシーンは出てきませんし、


(エネッサとルーシーのからみシーンはレベッカの悪夢としては出てきますが、、、)


鼻血とか、月経血とかのおもわせぶりな?シーンはありますが、、


すべてがレベッカの妄想だったという風にも取れるのですね。


多感な思春期の、、しかも父の自殺というトラウマをかかえた少女の


すべて妄想という風にも取れるような、、、。



或いは、、ほんとにエネッサはバンパイアだったという解釈も


うなづけるし、


あるいはエネッサは


1907年にこの学園で自殺した少女の霊が


蘇ったというような暗示的なシーンもありますし、、


いかようにも解釈できるという


映画でしたね。


いずれにしろ、ラストはあいまいなままです。




まあそれにしても、


耽美的な、ゴシックムード全開の


映像はきれいなダークファンタジーでしたね。


というわけで結末はなんか


あっけないというか尻切れトンボというか食い足りないというか


物足りないラストではありましたがね。



でも映像ムードは、、ゴシック調で


耽美的で

私的には


好きなタイプの映画でしたけどね。














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