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幼馴染に好かれる、なんてのは幻想です  作者: 卯佐美 佳
第三章 なんでこんなめんどくさい事に…
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にゃるせ 恵というフォルダを追加しよう

俺と成瀬は、部活の為に図書室に向かっている。一週間ぶりに天使さんと会えるので、さっきからwktkが止まらない。


「何ニヤニヤしてんの。キモ」


すっごい久しぶりに言われた。どうも俺は天使さんの事となると、気持ちを抑えられないみたいだ。変態じゃん…


図書室のドアを開けると、中にはいつも通り受付で本を読む天使さんがいた。相変わらず…ふつくしい…


「あ。白峰くんそれに成瀬さん。来てくれたんですね」

「こんにちは、天使さん」

「お久しぶりです」


いつも通り、天使さんと挨拶を交わす。いつも通りがこれほど幸せとは…


俺達がいつもの席に座ると、天使さんも此方にやって来て、成瀬の横に座る。美女二人を正面から眺められるなんて幸せだニャー…


「試験、どうでした?」

「あたしは今までで一番よく出来たと思います」

「俺も、多分一番出来はいいです」

「お二人とも凄いですね。何か特別な勉強でも?」

「同学年の何人かで晃んちで勉強したんですよ」

「なるほど。その成果ですね!」


和むなぁ…。ずっとこのままいたい…


「勉強会といえば、こいつ酷いんですよ。勝手に俺の部屋に入って漁ってて」

「ちょ、ごめんって。ちょっと魔が差したっていうか…」

「ま、魔が差しちゃったなら、しょうがないと思いますよ?」

「まあ魔が差しちゃったのなら仕方ないな」

「ゆ、許してくれる?」

「いや、タダじゃ許さない」


そんなしおらしそうに謝られた程度で許すほど、俺は甘くない。天使さんなら間違いなく許すけど。むしろ部屋を明け渡すまである。絶対いらないよなぁ…


「わ、私に何をしろって言うの?」


ふっふっふっ…。それはもう決めている。


「俺は今、試験が終わって疲れている」

「誰だってそうだと思うけど」

「俺はその疲れを癒したいと思っている」

「肩でも揉めばいいの?それくらいならお安い御用だけど」

「まあ待て。肉体的疲労ではない。精神的疲労だ」

「それは、そうかもね」

「まあつまり、心の癒しが欲しいというわけだ」

「うん。大体分かった。で、あたしは何をすればいいの?」

「精神的疲労を癒すには、やっぱり好きな物を見るのがいいと思うんだ。そこで…」

「ちょっと待って?あんた何取り出してんの?それってまさか…」

「ん?猫耳カチューシャだが?」

「絶対嫌!お願い!それをあたしに近づけないで!」


めっちゃ拒絶してるなぁ。まあそりゃあ恥ずかしいよな。


ちなみに、俺は生粋の猫好きだ。SNSでは裏垢で猫動画botとかフォローしまくってる。


「大体何であんたそんな物持ってるの?まさかこの為に買ったの?」

「いや、ちょっと前に色々とあって、鈴井から没収した」

「あの子なにやってんの…」


あの時は色々あったなぁ…。正直思い出したくもない。


「でだ。成瀬にこれをつけてもらいたいと」

「やめて!他の事なら何でもするから!それだけは!」


俺は猫耳成瀬が見たいんだけどなぁ。他の事とかどうでもいい。


「あ、天使さんからもなんか言って下さい!」

「え?私ですか?」

「はい!あのアホに喝を!」


成瀬の奴、天使さんに助け舟求めやがった。いくら俺でも、天使さんになんか言われたら、引き下がらざるを得ない。


「大丈夫です!成瀬さんならきっと似合います!」

「違う!そうじゃない!」


どうやら天使さんも俺の味方の様だ。やったぜ。


「で、どうする?成瀬」

「うぅ……。や、やればいんでしよやれば!」


どうやら観念したみたいで、俺から猫耳カチューシャを引っ手繰る。


「……笑わないでよ…」


そう言い残し、本棚の裏へ隠れた。


俺はポケットの中で、スマホの電源ボタンを二回押す。バイブ!手応えあり!最近のスマホは便利になったよな。


「す、少しだけだから!」


そう言って成瀬は本棚の影から姿を表す。


その瞬間に、俺はポケットからスマホを取り出し、素早く照準を成瀬に合わせる。そしてカメラボタンを長押し。


カシャカシャカシャカシャカシャカシャ


図書室内に何度もスマホのシャッター音が響く。


成瀬は一瞬呆けた後、顔を真っ赤にして此方に近づいて来た。


「ちょ!何撮ってんの!消して!今すぐ消して!!」


猫耳を外すのを忘れて俺のスマホに手を伸ばしてくる。いやー、いいもん撮れたわ。パソコンの『ダーウィンの進化論』フォルダに永久保存だな。ちなみにこのフォルダには他に、仁美の部活シーン、鈴井がウトウトしている様子などがある。良い子の皆は真似するなよ!盗撮は犯罪だからな!


「安心しろ、成瀬」

「何?直ぐ消してくれるの?」


近距離でめちゃくちゃ睨んでくる。うん。ちょっとこれはあれだ。人によっては死人が出るな。犯罪級をゆうに超えてる。すっげー頭を撫でたい。やったら殺されそうだけど。


「後で荒川と鈴井にも見せるからな」

「貸して!叩き割るから!」


おー怖。女の子が言っていいセリフじゃないな。まあ猫耳つけてる時点で可愛さの方が勝っちゃってるんですけど。

写真は撮った瞬間、クラウドに保存されるから、スマホを壊すだけじゃ消えないんですけどね。


「成瀬さん。そんなに恥ずかしがる事ないですよ。凄く似合ってて、可愛いです」

「そういう問題じゃありません!」


天使さんも楽しんでんな。やっぱり猫は皆を癒してくれる最高の存在だな!


成瀬は俺からスマホを奪う事を諦め、席に座る。


「…もう…お嫁に行けない…」


そこまでか!?実は俺、結構最低な事をやったのでは?まあ普段から鈴井に同じ様な事やられてるし、問題無いな。


「そんな事ありませんよ。凄く可愛かったですし」

「…天使さんはやってないからそんな事言えるんです…。やってみれば分かります…」


やってみればね〜…

次の瞬間、成瀬の瞳が怪しく光った。なんか思いついたなこいつ。


「…天使さん。あたし、似合ってたんですよね?」

「はい!とてもお似合いでした!」


あ、何しようとしてるか分かったわ。天使さんはまだ気付いていないみたいだ。鈍感なのかな?


「あたし、思うんです。きっと天使さんも似合うんじゃないかって」

「え?私、ですか?」

「はい。きっと凄く可愛くなると思いますよ」


猫耳を外し、満面の笑みで天使さんに語りかける成瀬。笑顔の筈なのに、どこか空恐ろしい。


「じょ、冗談、ですよね?」

「きっと、天使さんならあたしより似合うと思います」


最早唯のゴリ押しだな。まあ気持ちは分からんくもない。


「わ、私は大丈夫かな〜。なんて…」

「大丈夫です。直ぐ終わりますから。ちょっと髪触るだけですから」


成瀬の奴、目がめちゃくちゃ輝いている。意外とSなんだよな、こいつ。


「し、白峰くん。な、成瀬さんを止めて下さい!」

「今日はラーメンでも食べに行こうかな〜」

「白峰くーん!!」


俺は関係ないね。成瀬と天使さんの問題だ。というか、どっちかって言ったら俺は成瀬側だ。天使さんの猫耳、是非見て見たい。


「じゃあいきますよ天使さん」

「あ、ちょ、やめ…やめて〜!」


………………


「…………」

「…………」

「…………」


…なんか…見てはいけない物を見ている気がする。


天使さんは猫耳を着けたまま、真っ赤になって少し俯いている。


色々と言いたい事があるが、まず一言。可愛すぎてヤバい。何がヤバいってマジヤバい(語彙力)


これはあれだ。生物兵器だ。下手をすると、国を支配できるまである。生み出してしまったのは間違いだったか…


俺の隣で見ている成瀬も、絶句してしまっている。今の天使さんを前に、言葉を発せられる者はいないだろう。


「…もう…お嫁に行けません…」


生物兵器という事を自覚してしまったのか…。結婚するという事は、天使さんと長い時間を共にするという事であり、そんな事になれば、間違いなくその人は尊死を遂げるだろう。天使さんはそれを危惧しているのだ。やっぱり天使さんはマジ天使。


流石にこんな生物兵器を世に出す訳にはいかない。写真に収めるなんて以ての外だ。この事は、俺達だけの秘密にしよう。


「こ、今度は、白峰くんの番ですよね!」


…………え?


「そうだよね。あたし達はやったんだから、今度は晃の番だよね」


成瀬が天使さんから猫耳を受け取り此方に近づいて来る。ちょっと待て?色々とおかしいぞ?


「待て。早まるな。俺に着けるなんて間違ってる」

「あたし達がやったのに、晃だけやらないなんて不公平でしょ」

「お前は自業自得だろうが!」


まずい。逃げ場がない。成瀬はジリジリと近づいてくる。


「あ、天使さん!さっきの言葉は冗談ですよね!?」

「晃くんはさっき私の事を助けてくれませんでした。可愛くなっちゃえばいいんです」

「天使さんさぁーん!!」


めっちゃ根に持ってるじゃないですか〜。少し頬を膨らませてそっぽ向いている。めちゃくちゃ可愛いから許せちゃうのが辛い。


「晃〜。早く諦めなよ」

「絶っっっ対、着けねえからな」

「大丈夫。写真に撮って、学校中にばら撒くだけだから」

「どこが大丈夫なのか、三十文字以内で説明してもらいたい」


俺は強引に猫耳を着けようとしてくる成瀬の手首を掴み阻止する。衣替えをしたので成瀬は長袖だ。素肌に触れるとか無理だったから、そこは助かった。


「いい加減、離して、大人しく、着けられなさいよ」

「力で、俺に、勝てると、思うなよ」


取っ組み合いをしたまま、硬直する。持久戦に持ち込めばこっちの勝ちだ。


ガチャッ!


「こんにちは!大樹祭広報部の藤宮です!慈活部の皆さんにお話が…あっ…て…」


突然、首からカメラを下げた、短い髪が特徴の女子生徒が入って来た。これ、まずいやつじゃね?


俺と成瀬は、取っ組みあった体制のまま固まり、女子生徒の方を見ている。女子生徒も固まったまま此方を見ている。


急に女子生徒はハッとし、カメラをこっちに向け(パシャ)


「失礼しました!お楽しみの最中だったとは!また出直して来ます!ごゆっくり!」


そう言って、女子生徒は立ち去って行った。


「「ちょっと待てえぇぇぇぇ!!!!」」



寝落ちしました。申し訳ないです…

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