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幼馴染に好かれる、なんてのは幻想です  作者: 卯佐美 佳
第一章 どうやら俺は、トラブルには好かれるらしい
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俺はどうも、女には弱いらしい

ブクマ数が急激に伸びて、とても驚いてる私です。ありがとうございます。

皆様がお楽しみいただけるよう、これからも頑張ります。

翌週月曜日、俺は相変わらず七時に学校にきている。


「おはよう、鈴井」

「おはよう、白峰くん」


いつも通り、鈴井と挨拶を交わす。敬語は堅苦しいので、普通に挨拶をしてみたら、何も言われなかったので、今はそうしている。もしかしてあれはただのジョークだったのか?


「うぃーっす、おはよう晃、委員長」

「おう、おはよう、健」

「おはよう、灰田くん」


ちなみに先週、健も鈴井に挨拶について怒られていた。『うぃーっす』は挨拶として認めない、だそうだ。…なんだけど、委員長呼びはスルーなのか。分からん奴だ。


「じゃあ朝練行って来るわ」

「おう、いってら」


健は朝練に行き、教室は俺と鈴井の二人となる。先週からの流れだ。


「ねえ、白峰くん。あなたは誰かに遊びに誘われたらどうするかしら?」


…質問の意図が見えねぇ…


「普通に対応するとしか…どうしたんだ急に」

「少し気になっただけよ。あなた友達に誘われることが少なそうだから」

「友達は少ないが、誘われることが少ないことはないぞ…」


むしろほぼ毎日誘われている。殆ど健だが…


「まさかお前…男にデートに誘われたとか!?」


こいつは見た目だけはマジでいいから可能性はあるだろう。


「そんな訳ないでしょう。告白はよくされるけど、流石にデートのお誘いはないわ。むしろいきなり誘ってくる男とか無理よ」


さりげなく自慢された気がする…やっぱりモテるのね…


「じゃあなんであんなこと聞くんだ?」

「あなたは逐一私の言動の意味を知らないと生きられない訳?独占欲と性欲が強いのね。いつか性犯罪を犯すんじゃないかしら」

「独占欲まではあまんじて受け入れるが、性欲に関しては意義を申し立てたい」


男子校生がいつも不埒なことを考えていると思ったら大間違いだ。図書室のあの人の顔とか、声の想像とか…自分で考えてて気持ち悪くなってきた…


「あなたはいつも、家に帰ってから、私の声と姿を思い出して致すのでしょう?下衆な男どもの考えなんてお見通しよ」

「お前…自分で言ってて恥ずかしくないのか?」

「恥ずかしいわ」

「じゃあなんで言うんだよ」


マジで考えてる事がわからん。


「あなたの頭の中では、私はもっと(はずかし)められているのでしょう?ならこの程度、なんとも思わないわ」

「なぜ俺が考えている前提…」


少なくともお前では絶対考えない。


たが、ずっと攻められてるのも癪にさわる。ならばこちらもカウンターを打たせてもらおう。


「じゃあお前はどうなんだ?俺と話してるって事は、お前もしてるんじゃないか?」


「そうね、金曜日はとても(はかど)ったわ。いつもお世話になっているわ。ありがとう」



「………………は?」



「嘘よ」


ですよね〜〜〜〜〜〜!!!

やべぇ、マジで騙された。つーかマジで顔が熱い、というかめちゃくちゃ恥ずかしい。

なんなん!なんでそんなとんでもない嘘を何事もなくつけるん!?

さっきから鈴井の方を見れない。というか顔を上げられない。鈴井ってあんな悪女だったのか!?


ん?足音が聞こえる。というかこっちに近づいてきてね?…俺の近くで止まっ…



「…想像した?」

「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」



耳元でそんな事囁かれたら無理だって!なんで追い打ちをする!


「私を現実で辱めようなんて百年早いわ。知能の低いお猿さんは想像の中だけにしておきなさい」


上から声が聞こえる。今顔を起こせば顔を見る事が出来るだろうが、生憎(あいにく)、俺にそれができるほどの精神はなかった。



それから朝のHRまで、顔を上げる事ができなかった。


途中、仁美に

「大丈夫?体調悪いの?」

と、耳元で言われて更にダメージを受けたり、成瀬に

「なんで机に埋まってるの?意味わかんないんだけど」

と言われ、少し回復したりした。


鈴井玲華、絶対に許さん…



昼休み、二人きりで食べさせよう大作戦(今命名)を遂行し、時間を潰そうと、図書室へ向かっていると、

「ねぇ」

後ろから声をかけられた。声の主は成瀬だ。


「だから俺はお前の姉ちゃんじゃねえって。何の用だ」

「あんた、最近黒井くんに余計な事してるみたいね。そういうのやめてくれない?」

「なんでお前に言われなきゃいけないんだ?勝手だろ」

「こっちにも都合があんのよ。だからやめてって言ってんの」


こっちの都合?あぁ、そういう事か。


「なるほどな。お前、勝樹の事が好きなのか」


そういうと、成瀬の顔がどんどん赤くなっていく。あ、こっちに近づいてきた。なにするのかしら。


「ふ ざ け ん な 〜〜〜〜〜!!!!!」

ドスッ!!

「うっ!…」


成瀬の振りかぶった拳が、深々と俺の鳩尾に突き刺さる。俺はその場で床に蹲る。


「ほんっとサイテー!ムカつく!死ねば!」


上から罵倒が聞こえる。言い返そうと顔をあげると、あるものが目に入った。


「えーっと、成瀬。言いにくいんだが」

「なによ、早く言いなさいよ」


本人からの許可もいただいたし、言っても大丈夫だよね!


「お前さ、そこに立ってもの言うのはいいんだけど」

「なによ、なんか問題ある?」

「…見えてるぞ…」

「!!!!」


みるみるうちに真っ赤になっていく成瀬。そして、足を振りかぶった。

あ…俺死んだわ…


「死ね!!変態!!!」

「ぐふぅっ!!!」


再び鳩尾に衝撃が走る。


「信じらんない!変態!クズ!ゴミ!もう死ね!さっさと死ね!今すぐ死ね!」


物凄い勢いで俺を罵倒する成瀬。これはこの程度で済んで良かったと考えるべきか?


「金輪際あたしに顔を見せないで!」


そう言い残して成瀬は立ち去って行った。このあと教室で顔を合わせるんですが…


薄れゆく意識の中、俺はさっきの光景を思い出す。


…白…だったな…超意外…だ………


鈴井さんは悪女です。でも、可愛いから許せちゃう。

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