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女性って怖い…怖ひ…

見かけたのは本当に偶然だった。


この近くで仕事だったから、始まる前に少しだけ遊んで行こうと思って、何と無く入って見たら、椅子に座っている彼を見つけた。

何やら集中してスマホを見ているけど、何をみてるんだろ。気になるな。


一人かな。いや、誰かを待っているのかもしれない。でも今は一人だ。


話しかけてみようかな。無視…されちゃうかな…。でも折角久しぶりに会えたんだ。少しくらい、話したいな…


うん。話しかけてみよう。当たって砕けろだ!

話したい事が沢山ある。今、私が何をやっているかとか、彼の学校生活とか。あわよくば、どこの学校に通ってるか聞きたいな。多分無理だと思うけど。

私の事、覚えててくれてるかな…


彼に近づこうとすると、コスプレをした女の子が彼の元に近づいてるのが目に入った。私は慌てて少し離れる。

あれ?あの子…何処かで見たことある顔…。ってまさか玲華!?すっごい可愛い…。っは!駄目駄目、私の方が可愛いし。全然負けてないし。


凄い人だかりだなぁ…。べ、別に、私の方がもっと集めた事があるし!全然悔しくないし!って…人で二人とも隠れちゃった…


でもなんで玲華と彼が一緒に?まさか…!?いやいや、絶対ない。だって玲華には初恋の男の子がいるんだから。


玲華とは小学校からの友達で、中学校では離れちゃったけど、今でもたまにメールしてる。

あれから、彼氏が出来たとか、好きな人が出来たとか、そんな話はないし、きっとまだあの子の事が好きなんだと思う。


まさか彼があの子!?ううん、絶対ない。だって玲華からそういう話出てないし。きっと見つかったら、玲華から話してくれると思うし。


そうだ!今度玲華に聞いてみよう!好きな人の事。きっと、あの子だろうけど。

それと、彼の事も、それとなく聞いてみよう。どういう関係なのか、とか、彼の様子とか。ってそれじゃ玲華に私の好きな人バレちゃうじゃん。

まあいいや、彼の事は、自分で調べよう。もしかしたら、玲華と同じ学校かもしれないし。


今日はもう、彼と話すのは難しいかな。折角久しぶりに会えたのに、ちょっと淋しいな。

でも彼の顔見れたし、彼の手がかりも、少しだけ掴めた気がする。


大丈夫。絶対また会えるし、今度は絶対話すんだ。中学校の時よりうんと可愛くなったし、次は絶対振り向かせる。


あの時は恥ずかしくて呼べなかったけど、今度は絶対名前で呼ぶんだ。


そして、あの時言えなかった言葉を、絶対に伝えるんだ。




私の…この…想いを…





――――――――――――――――――


「ふぅ…。ここまで来ればひとまず大丈夫だろ」

「あそこまで人が集まるとは…。少し憶測を誤ったわ…」


イベントホールはロビーより少し暗く、人も多いため、あまり目立つ事はなさそうだ。ずっと止まっているとまずいだろうが。

逃げる最中も、鈴井は人を集め続けていた。お前もう二度とコスプレするなよ。


「でも、これからどうすればいいの。行く先々で囲まれていたらキリがないわ」

「お前は少しは自分の魅力について正しく理解しろ」

「それ、あなたが言う?」


俺に魅力なんて無いだろいい加減にしろ。


「目立ちたく無いなら、これ着るか?」


俺は、念のためロッカーには入れずに、手に持ってきていたジャケットを差し出す。いつか荒川から貰った物だ。他の女から貰った物を、他の女に貸すのはどうかと思うが、そこは見逃して欲しい。


「…え?これ…」

「嫌だったらいいぞ。男が着てた物なんて着たくないだろうしな」


一応、汗とかはかいてないし、多分そんな汚くないとは思うが、それでも生理的に受け付けないとかはあるだろうしな。


「い、いえ、そういうわけじゃないわ。ありがたく使わせてもらうわね」


鈴井は俺からジャケットを受け取り、それを羽織る。身長は然程変わらないが、体格が違うので少し大きいようだ。だが、今はそれが功を奏し、上手く彼女の衣装を隠している。


「でもこれじゃあ、コスプレしている意味があまりないわね」

「しょうがねーよ。人を集め過ぎちまうからな」


こればっかりはしょうがない。鈴井の可愛さに文句を言っても仕方ないしな。


『あ、あの!それ、ランサーのコスプレですよね?』

『私達、ランサー大好きなんです!』


いきなり二人の女性がやって来て、話しかけられた。可愛らしい感じで、大学生っぽい。


「あ、はい。そうですけど」

「やっぱり!凄いなぁ。こんな着こなし方があるんだ」

「ちょっとアレンジを加えるだけで、全然雰囲気が違う…」


女性に服を吟味されるのは初めてなので、凄く恥ずかしい。


そういや鈴井は?どこ行った?助けて欲しいんだけど。


「一緒に写真いいですか?」


…What!?


「え?ちょ、え?」

「ちょっとこっち来て下さい」

「え?え?」


一人に腕を取られ、人があまりいない方に誘導される。


「はーい、撮るよ〜、笑って〜」


状況が分からないまま、なんか進んでる。何?なんなの?


「はい、チーズ」カシャ

「どう?撮れた?」

「うん。いい感じ」

「おー。いいじゃんいいじゃん」

「じゃあ次は私の番ね」


What!?


「はいじゃあ撮るよ〜」

「うん。いいよ〜」


え?何?何でこんな事になってんの?意味分からんのだけど。


「はい。チーズインハンバーグ」

「何それ。変なの」

「新しい掛け声だよ〜」

「それより撮れた?」

「うん。撮れた撮れた!」

「うん。いいね。かっこい〜」


なんか二人で盛り上がっていらっしゃる。置いてけぼりだにゃ〜…


「写真送りたいんで、チャットの交換いいですか?」


What!?


「え、ま、まあ、いいですけど」

「ありがとうございます!シェイクでいいですよね?」

「あ、俺、使った事ないです」

「え?そうなんですか?」

「はい、使い方分からないです」

「じゃあ使い方教えますね〜」


一人が俺の横に並び、横からスマホを覗き込む。ちょっと、肩とかくっついてる。やめて!


「これですこれです!これで、あとはスマホを同時に振れば、登録出来ますよ」


え?この状態で振るだけでいいの?嘘でしょ?


「それじゃいきますよ。せーの」


えっと、振ればいいんだな。


ピコーン


「これで、登録完了です!」


マジかよ。便利過ぎんだろ…。いつもQRでやってたから凄く画期的に感じる。


「へー、晃さんっていうんですね。って高一!?嘘!同じ大学生だと思ってた!」

「ほんとに〜?大一の見間違いじゃないの?」

「ほんとほんと!ほら、見てよ!誕生日!」

「うっそー!すっごいいがーい!」


俺そんなに老けてるかな。ちょっとショックだよ…


「次は私とも交換しよー」

「え、あ、はい」


もう一人の人ともシェイクとやらで交換する。慣れないなこれ。


「うん!ありがとー!」

「あ、はい。どうも」

「後で写真送るね〜」

「ねえねえ、この後暇?一緒にご飯食べない?」

「え?え!?」

「いいでしょ?行こ!」


俺が年下と分かるや否や、タメ口になった。というか凄いグイグイ来るな。晃くんこういう時どうしたらいいか分からないよ。


「ほらほら!早く!」

「いや、俺、この後予定あって…」

「えー、そうなの〜。残念」


そう残念そうな顔されると心苦しいな。


「じゃあまた今度遊ぼうね!」

「え?あ、はい。そうですね」

「じゃね。後でチャットするね〜」


二人の女性は去って行った。凄い嵐だったな。水無月先輩なんか比じゃない。


「流石、エロ大王ね」

「なんだよその不名誉な称号は。俺は何もやってないぞ」


全然話に入ってこないな〜、と思っていたら、いきなりなんて事言いやがる。


「少し離れて見守っていたけど、本当に慣れていないのね」

「慣れていないって、何にだ?」

「分からないの?逆ナンよ、逆ナン」

「逆ナン!?」


逆ナンってあれですよね?女が男を遊びに誘うとか、なんかそんな感じのやつですよね?え?嘘。


「はぁ…。まさか状況を理解すらしていなかったとはね…」

「いや、逆ナンではないだろ。きっとゲームの事を話したかったんじゃないか?」

「典型的な手口よ。相手が興味ありそうな話題をふっかけて、遊んだりする口実を作るの」

「い、いや、ナンパの手口と被っただけだと…」

「ナンパじゃなかったら、チャットの交換なんてすると思う?」


ぐうの音も出ねぇ…


「ちなみに聞くけど、今まで逆ナンされた事ってある?」

「ない、と思うが」

「はぁ…。聞き方を変えるわ。今まで学校以外で、初対面の女性とチャットを交換した事ある?」

「に…二回ほど…」

「はぁ…。されてるじゃない…」


あれもこれも逆ナンだったのか…。いや待てよ?


「俺が逆ナンされるなんてあり得ないだろ」

「何故かしら?」

「そもそも、俺に逆ナンされるほどの価値無いだろ」


何よりお前らに、俺に彼女が出来るなんて、天変地異でもあり得ないとまで言われてるしな。


「…あなたは自分の魅力を正しく理解した方がいいわ…」

「どこにそんなもんあるんだよ」

「一人でいるちょっとヲタクな感じの顔がいい男。チョロそうだと思わない?」

「いや知らねーし」


あと顔は決して良くない。誰がこんな根暗の陰キャ顔をいいとか言うんだよ。それこそあり得ねーよ。


「つまりあなたは、傍から見れば、狙い目のチョロそうな男だと思われているの。彼氏が欲しい女性からしたら、格好の的ね」

「褒めてんのか貶されてんのか分かんねーな」

「本当にチョロかったらどれだけ良かったか…」


チョロいのかチョロくないのか、はっきりしてくれませんかね?


「そう言うお前はどうなんだ?お前だってナンパされた事あるだろ?」

「ええ。酷い時だと週一でされるわね」

「次元がちげぇ…」

「全部断ってるけどね」

「暴言とか吐いて相手にドン引きさせてんだろ」

「失礼ね。あなた相手じゃないんだからそんな事しないわ」

「俺だったらするのかよ…」


酷すぎる差別を見た。


「それより、そろそろお昼にしましょう」

「ん?もうそんな時間か?」


スマホの画面を見ると、十二時を回っていた。以外と時間経つの早いな。


「そういや持ってきてるんだっけか?」

「ええ。今はロッカーにあるわ」

「そうか。じゃあ取りに行くついでに場所探しもしようか」

「そうね。そうしましょう」


鈴井は手作り弁当を作ってくれたのかしら。wktkが止まらないぜ。


すいません。実は晃くんそこそこイケメンです。その代わり、性格はあまり良くないんでプラマイ0だよね?

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