俺、ガチ恋したかもしれん
重要キャラがもう一人いたのを忘れてました。この先、話にどう関係していくか、お楽しみに。
「お待たせ晃!行こ!」
別に五分程度だからそこまで待ってはいないんだが、律儀なやつだ。
仁美に連れられ中庭に向かう。
うちの学校はロの字型の校舎で、真ん中は中庭として解放されている。その為昼休みには多くのリア充がそこで弁当だの購買のパンだのを食べている。
普通なら俺みたいな陰キャには縁がない場所だが、今は違う。なぜなら、仁美という、美少女がいるからだ!そう!俺は仁美という大義名分を手に、リア充への道を踏み入れ
「おう、遅かったな、二人とも。おかげで腹ペコだぜ」
そうだよ、俺なんかがリア充になれるわけないよ。
これは二人の仲を縮める為の作戦の一部で、中学からの仲である三人で一緒に食べようということなのだ。
二人が、いきなり二人きりで食べるのは不自然だしハードルが高いと言ってきたので、こういう場をセッティングした。じゃなきゃ俺がこんな場所来るわけがない。
「えへへ、友達と話してたら遅くなっちゃった」
嘘つけ、心の準備をしてたの見てたぞ。
「まあ、お互い急ぎでもないしいいだろ。ゆっくり食おうぜ」
そう言って、俺は来る途中で買ったコンビニのパン、二人は弁当を出して食べ始める。
「あれ?晃、今日はコンビニのパンなの?」
普段は俺も弁当なのだが、今日は違う。
「朝忙しくてな。準備する時間がなかったんだ」
俺は嘘でごまかす。実はこれも作戦の一環なのだ。それも二人には内緒の。
「ふーん、そうなんだ」
「まあ、お前朝弱いしな」
「ほっとけ」
そうして、三人で暫く会話をしながら食べる。
少しして俺が食べ終える。そして、俺は二人には内緒の作戦を決行する。
「喉乾いたし、飲み物買って来るわ。ついでにゴミも捨てて来る」
そう、ここで俺が立ち去ることで、自然と二人きりの空間を作り上げるのだ。
「いてらー」
「早く戻って来いよ」
二人には特に気付いている様子はない。よし、作戦成功だ。
もしここで弁当の場合、持って行くのはおかしい。よって一度ここに取りに戻ってこなくてはならない。
しかし、コンビニのパンなら残る物はゴミだけなので、ここで捨てに行っても不自然はない。
完璧だ。やはり俺は天才だったか…
さて、問題はこれからどこで時間を潰すかだが…
教室…は敵しかいない。空き教室…は誰かに見られたら死ぬな。精神的も社会的にも。
となると図書室か。特に読みたい本はないが時間を潰すなら最適だろう。
図書室に入ると、受付に一人の女生徒がいるだけで、他に人はいなかった。
昼休みなのに利用者が全くいないとは…。まあ、今まで利用してこなかった俺が言えた立場じゃないが。
受付に座っている女生徒は此方に気が付くと、軽く微笑みながら会釈をした。それにつられて此方も会釈をし返す。
同じ読書家でも、鈴井と大違いだ。
髪は肩より短いくらいのショートで、少しおっとりとした雰囲気が漂っている。
なんというか…すごい綺麗というか可愛いというか…めっちゃタイプなんだが…
まあ人見知りな俺は、この状況で話しかけるなんて出来る訳ないのだが。
俺は残りの昼休み、本を読みながら、ちらちら彼女の様子を見ながら過ごした。すごい幸せな時間だった。
…なにこれただの変質者…
教室に戻ると仁美が勢いよく此方に向かってきた。
「なんで戻ってこなかったの!私たち、心配したんだよ!」
「ああ、悪い悪い、ちょっと道に迷ってな」
「晃って一度道覚えたら絶対迷わないじゃん!」
「俺のことよくわかってんじゃん。なに?俺のこと好きなの?」
「すっ…!そ、そんな訳ないじゃん!晃のバカァ!」
顔を真っ赤にして怒り始めた。そんなに怒らんでもいいじゃん…
「もうっ!今度から早く戻ってきてよ!」
少し落ち着き、俺に文句を言ってくる仁美。
「ああ、分かったよ。で、二人きりの飯は楽しかったか?」
「…?、、、〜〜〜〜〜!!!!!!」
少し呆けた後、何かに気付いたように真っ赤になってうつむいてしまった。あ、少し上目遣いで睨んできた。全然怖くない、それどころかむしろ可愛い。
「もう晃なんて知らない!!!!!」
真っ赤になったまま、自分の席に向かって行った。からかい過ぎたかなぁ。まあ、いいもん見れたからいいや。
「なにニヤニヤしてんの。キモ」
席に戻ると、案の定成瀬に引かれてしまった。俺そんな気持ち悪いかな…
この人の再登場はまたちょっと先になります。本格参入は一章の終わりくらいです。