はたして、俺はこのメンバーでうまくやっていけるのだろうか…
突然ですが、私のなんとなくの可愛さ順は、
鈴井=成瀬>天使≧仁美>>荒川
というイメージです。
こう見ると、荒川が可愛くない様に見えるかもですが、普通に美人です。他が異常なだけです。
「ところでこれは何部なんだ?」
俺は一番大事な事を聞いてなかった事に気付く。
「ふっふっふっ…新部創設といえば答えは一つしかあるまい」
「お前、笑い方それしかないよな」
バリエーションの少なさにびっくりだ。
「我らの部活動、その名も!」
「慈善活動部、略して慈活部だってさ」
「だっせぇ…」
ネーミングセンスの欠片もねぇ。というかセリフ成瀬に奪われちゃったよ…
「お、俺だって一生懸命考えたんだぞ!それをお前…お前…!」
だから素が出てるぞ素が。
「活動内容は…大体聞かなくても予想はつくが」
「ふむ、一言で言えば、迷える子羊達を我らの力で導く、というのが活動内容だ」
「漫画とかラノベでありそうな設定だなぁ…」
もう定番中の定番だ。
「そもそも相談に来る奴いるか?」
「恋愛相談なら貴様の名前を出せば一発だ」
「あ、そうだったわ…」
未だにあれこれ聞かれるからなぁ…さっさと誤解を解きたい。
「では我はそろそろ部活に行って来る。監督に怒られそうだからな…」
「マジかお前…」
責任者が真っ先に退室するとかありえねえだろ。
「ではあとは適当に仲良くやってくれたまえ。サラダバー!」
野菜食べ放題と言い残して去って行った。マジなんなんだよあいつ…
これからどうするか…まずは新部なんだから定番のあれをやるか。
「えっと…まずは自己紹介から…」
「じゃあ私から。一年B組 成瀬 恵 です。よろしくお願いします」
「お前、敬語使えたんだな…」
「ちょっとそれどういう意味?」
めっちゃ睨まれた。超怖い…
「え、えっと、じゃあ次は…」
「わ、私が。二年C組 天使 桜 です。よ、よろしくお願いします」
自己紹介すら癒される。もう国宝に認定してもいいんじゃない?
「じゃあ一応俺も。一年B組 白峰 晃って言います。よろしくお願いします」
そして、場が静まる。何なんだこの空気は…
「そ、そういえば、部長は誰なんだ?」
空気を変えるために、成瀬に声を掛ける。
「灰田に聞いてないのね。ほんとあいつ適当…」
いつの間にか呼び捨てになっている。何があったというのだ…
「部長はあんたよ晃」
へー、俺なのか。
「え、俺?」
「そ。灰田があんたにやらせるって。まさか何も言ってなかったとは思わなかったけど」
「あいつ、俺がやらなかったらどうするつもりだったんだ…」
とりあえず今度あいつのシャー芯全部折っておこう。
「創部申請書とかはどうしたんだ?」
「全部灰田が書いてた」
「俺の証印はどうしたんだよ…」
「あたし達三人は拇印だったけど、何故かあいつ、あんたのシャチハタもってたわね」
「このためだけに買ったのかよ…」
百円とはいえ、そこまでやるか?普通。
ん?そういえば、もう一つ気になる事があったな。
「天使さんは、なんでこの部活に入ろうと思ったんですか?」
天使さんがこの部活に入った理由が分からなかったのだ。成瀬?暇だったからだろ?
「えっと…楽しそうだったから、です」
「「…え?」」
俺と成瀬がハモる。何これ恥ずかしい…
「こうやって、誰かと一緒に何かをやるって事が、今までなかったので。だから、楽しそうだなって…」
恥ずかしそうに俯く。可愛い(錯乱)
「…………」
何故か成瀬が天使さんをガン見していた。
「…どうした?成瀬」
「……可愛い…」
その意見には激しく同意したい。
あとお前が言うと、ほぼ全人類にとってはイヤミになるから気をつけろ。
「白峰くんは、どうして入ってくれたんですか?」
あなたがいるから。なんて言えるわけない。
「まあ、健に言われたからですかね」
「それってどういう事?」
「健って、面倒事ばっかり持ってくるんですよ。でも、最終的に全部いい方向に進んでて。ほんと意味わかんないですよ。まあ、今回も最終的にはなんかいい事があるんじゃないかって。そんな感じです」
「そうなんですか。灰田くんを信頼してるんですね」
「前から思ってたんだけど、あんた達ってほんとに高校から?」
多分高校からだと思う。
そして、また沈黙が訪れる。
健、帰ってきてくれ…
「まずさ、この部活は人助けを目的とするんだから、宣伝のためにポスターとか作って掲示するとかやるといいんじゃない?」
「ナイスアイディア」
成瀬って意外と鋭いよな。
「デザインはあたしがやる。あとは内容と文字だけど…」
「文字は私がやります。内容は、白峰くん、お願い出来ますか?」
「やりましょう!」
二つ返事で了承した。天使さんに頼まれてやらない男はいないだろう。
「やっぱり一発でいいから殴らせてくれない?」
「とりあえず、使えそうな紙もらってくる」
「あ、ちょっと、待ちなさいよ!」
さっさと紙もらってこよう。でも少しのど渇いてきたから、少し遠回りして自販機まで買いに行こうかな。うん、そうしよう。
図書室に戻ってくると、天使さんの隣に成瀬が座り、仲良く話していた。俺も隣に座った事ないんだぞ!羨まけしからん!
「どうしたの?遅かったじゃん」
「ああ、飲み物買ってた」
そう言って、飲み物を取り出す。
天使さんには、ミルクティーを渡す。なんか似合いそうじゃない?
「どうぞ。好みじゃなかったらすいません…」
「あ、ありがとうございます。好きなんですよね、ミルクティー」
え?何これ?女神?天使だったわ。なんかもう…生きてて良かった…
成瀬にはカフェラテを渡す。
「ほれ、これでいいか?」
「なんか格差ない?ありがと…」
照れてる成瀬は凄く可愛いんだよなぁ。ずっとそうしてればいいのに。
「ところで、なんの話をしてたんだ?」
いちご牛乳を飲みながら尋ねる。たまに飲むと超うまい。
「ん?ああ、少しデザインとかの話をしててね。大体固まってきたから、あとは内容だけ」
もうそこまで進んでたのか。というか、二人が仲良くなってくれて嬉しいよ…
「成瀬さん、目立たせるコツや、綺麗な色使いなど、沢山の事を知ってて、凄く助かりました」
「天使さんも見やすい構成とか、いい感じの掲示場所とか知ってて、凄く尊敬します」
「いえいえ、成瀬さんの方が…」
「いやいや、天使さんこそ…」
尊い…美少女の尊重合戦、尊い…
それから一時間、俺がポスターの内容を考え、成瀬が絵などを描き、天使さんが文字を書く。いい具合に役割分担が出来ており、とても効率よく作業が進んだ。
下校時間間近になりようやくポスターが完成する。
「中々いい出来じゃない?」
「そうだな。あとはこれをどこに掲示するかだが…」
「職員室前の掲示板がいいと思います。スペースも余ってたはずですし」
「なら俺が先生に言ってきます」
「え?いいんですか?」
「一応部長なんで。少しはカッコつけさせてください」
そう言って、颯爽と出て行こうとする。俺カッケー!
ん?待て?誰に言えばいいんだ?
「成瀬。うちの顧問って誰だ」
「くふっ…ダッサ…あたしらの担任の福田…」
成瀬に笑われてしまった。うん、死ぬほどダサいと思う。
幸い、天使さんには笑われなかった。いや、むしろ笑われた方が良かったかも…
職員室で福田に、掲示場所の許可をもらう。意外とあっさりもらえた。相変わらず適当だなぁ…
はてさて、これから依頼は来るのだろうか…面倒だからこないで欲しいなぁ…
自転車で盛大に転んで、左手がやばい事になってる私です。執筆には、影響はさほどないので、ご安心を。
今日昼食べたつけ麺が美味しくて、未だに余韻に浸ってます。おかげで執筆ががが…




