表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染に好かれる、なんてのは幻想です  作者: 卯佐美 佳
第一章 どうやら俺は、トラブルには好かれるらしい
10/70

仁美の言ういい物は、本当にいい物かどうか怪しい

何となく書き始めた小説が、今では生活の一部になりつつあります。超楽しい。

翌日の朝、いつものように鈴井の折檻を受け、自席でラノベを読んでいると


「晃!聞いて聞いて!いい物貰った!」

突然仁美が話しかけてきた。


「ん?なんだ?卵サンドか?」

「違うよ!もっといい物だよ!」


卵サンドよりいい物なんてそうそう無いと思うが。


「ジャーン!これ!オーシャンパークのペアチケット!しかも二組!」

「へー、確かにいい物だな」

「そうでしょそうでしょ!スーパーのガラガラで二回当たったんだ!」

「へー、そいつは凄い」


イケメンだけでなく美女もクジに好かれるらしい。


オーシャンパークとは、県内最大のテーマパークで、水族館と遊園地が一緒にあるという、なんとも贅沢な施設だ。


「でねでね!私と晃と勝樹とあと一人誘って、四人で行こーって事になってね!」

「俺は行く前提なのか…」


最近俺に選択肢がない気がする。


「だって大丈夫でしょ?晃予定なさそうだし」

「確かに無いけどさ…」


休日は家に引き篭もってるだけだけどさ…


「で、いつ行くんだ?」

「明日!創立記念日で休みだし、平日だから人いないし!」


そういや明日休みだっけか、すっかり忘れてたわ。


「ん?お前ら部活は?」

「休み。先生達もお休みが欲しいんじゃない?」


創立記念日って職員も休みなんだっけ?まあどうでもいいや。


「それで、あと一人誘える人いない?」

「友達がいない俺に聞くのか…」


いじめかな?泣いちゃうよ?俺。


「あ、ごめん…」


気付いてなかったか〜。それはそれで傷つくなぁ…


ん?待てよ、チケットは別にいっぺんに使う必要はないんだから…


「お前ら二人で行ってきたらいいんじゃないか?」

「ん?え?どゆこと?」


なんで理解できないんですかねぇ…


「ペアチケットなんだから二人で行けばいいだろ。デートって事で」


我ながらこのアイデアは秀逸だと思う。…誰でも思いつきそうだな。


仁美は何かに気が付くと途端に顔が赤くなっていく。相変わらず分かりやすいなこいつ。


「ちょ!晃!変なこと言わないでよ!もう!」


ポカポカと肩を殴ってくる。全然痛くない。


「で、でも、晃だけ仲間外れなんて…」


変なところで優しいなこいつ。


「俺の事なんて気にしないで行って来い」

「で、でも、なんて誘えばいいか分かんないし…」


俺だって知らんわ!誘い方ぐらい自分で考えろ!


「普通に誘えばいいと思うぞ。なんか聞かれたらその時は俺に断られたとか言って」


あいつなら理由も聞かずに飛び上がって喜ぶだろうがな。


「そ、そんなんで大丈夫かな…」

「平気だって、心配しないでやってみ」


名前で呼び合う仲なんだ。遊びに行ったってもう不自然じゃないだろう。


「で、でも、初デートだし、どうしたらいいかよくわかんない…」


乙女か!乙女だったわ。ちなみになよなよした男を乙子という。(嘘)

まあ確かに初めての事って、大抵不安が付きまとうもんだよな。しょうがない。


「あいつの好きなこと大体わかるから、一緒にプラン考えてやろうか?」

「え?ほんと!?」


眩しい!笑顔が眩しい!


「ああ、手伝うって決めたからな」

「ありがとう!晃大好き!」

「おう俺もだ。だがそれは勝樹に言ってやれ」


すると仁美は、真っ赤になって慌て出した。


「え、えっと…違うの!さっきの好きは友達としてで他の意味は無いの!」

早口で捲し立てる仁美。


「いや分かってるから。俺もその意味だから」


今更何も勘違いしねーって。


「そ、そうだよね。友達としてだよね。あーびっくりした」


他にどんな意味があるというのだ。


「あ、あと、もう一つ、お願いしてもいい?」

「ん?なんだ?」

「えっと、デートの時、ちょっと見守ってて欲しいな〜、なんて」


ん?それってつまり…

「デートが成功するように指示を出してくれってことか?」


俺が言うと仁美は小さく頷く。マジかよめんど過ぎる…

まあ手伝うって決めたからにはやるんだが…


「どうやって俺からの指示を受け取るんだ?不自然にならないか?」

「チャットで送ってくれればバレない様に盗み見るよ」


最近のJKすげーな。そんな高等テク身につけてるなんて。もうスパイとか皆JKに頼めばいいと思う


「だからお願い!」

「…まあいいんだけどさ」


「ねぇ、ちょっといい?」


突然隣の席から声をかけられた。


「何度も言うが俺はお前の姉ちゃんじゃねーって。今話してるから後でいいか?」

「いや、その話についてなんだけど」


成瀬が俺達の話に入ってくるだと…?


「お前、ほんとに成瀬か…?」

「ちょっとそれどうゆう意味?」

めっちゃ睨まれた。超怖い。


「恵ちゃん、話って?」

「あ、うん、それなんだけど」


成瀬は視線を逸らし、恥ずかしそうに身をよじる。


「あたしにも、手伝いをさせてもらえない?」


「………………え?」


「多分女子からの視点の方が手伝える事も多いと思うから、その…あたしで良かったら…なんだけど…」

「ううん!大歓迎だよ!ありがとー恵ちゃん!」


今の状況に頭が追いつかない。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。成瀬、なんでお前が?」

「別に、ただの気まぐれだし」


そう言って髪を弄る。


「気まぐれって…面倒事が嫌いなお前が?」

「だから気まぐれって言ってるでしょ!しつこい!」


怒られた。でもなぜか怖くない。


「それでも、お前が手伝う理由が無いだろ」

「俺なら何とか解決出来るかもしれない。なら、助けるのが普通だろ」

「うぐっ…!」


俺が言った言葉をまんま言いやがった。反則だろそれ。つーか、相当恥ずかしいこと言ってんな、俺…


「え?なにそれなにそれ!」

「ふふっ。内緒」


笑いながら俺をちらっと見る成瀬。お前もドSかよ…

「それで、あたしも手伝うってことでいい?」

「はい…それでいいです…」

「よろしくね!恵ちゃん!」


そうして、明日のデートに助っ人として、成瀬も加わることになった。ついでに、デートのプランについても一緒に考えている。

明日が憂鬱だ…

ブクマ数400、そして総合ポイント1000突破!本当にありがとうございます!前にも言いましたが、ここまで多くの人に見てもらえると思ってなくて、これ本当に俺の小説か?と、疑ってしまうほどです。それもこれも、読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ