拡張現実ガンマンゲーム
ロボ天使アン・エンジェル
この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
----- 第五話 「拡張現実ガンマンゲーム」 -----
ぼくは、小学6年生の男子で、名前は、翼 太郎。
「拡張現実のガンマンゲームがやってみたい」
アンに思いついた事を言ってみる。
アンは、またお腹のあたりのポケットをあさっている。
「拡張現実ゴーグル!
前回と同じゴーグルです」
ゴーグルのような機械がポケットから出てきた。
「銃は出してくれないの?」
ぼくは早速、ゴーグルをかぶる。
アンは、首をかしげながら答えた。
「銃も出せますが、ゲームの設計は基本的に
太郎がやってください。今回は私が代わりに
やってみましょう。銃の代わりに弾を発射する
イメージを持って音を出してください。
それだけでペイント弾のようなものが出ます」
こうかな? 指で銃の形を作り声を出す。
「バンッ」
指の先から弾のようなものが出て飛んでいった。
続けて地面に向けて弾を出す。
「バンッバンッ」
弾は地面に当たり、ペイント弾のように
地面に色がついて広がった。
「こういう事もできますよ」
アンはそう言って、腕を伸ばして
指パッチンをすると、腕の先から弾が出た。
「へー、すごい、ぼくもやってみる」
ぼくも指をならそうとやってみるが、
音がならない。
「だめだー、音がならないよー」
「あきらめて、口で言ってください」
「そうするー、バンッ、バンッ、バンッ」
なれてきたぼくは、アンに弾を当てたくなってきた。
「そろそろガンマンのように弾を当てるゲームを
やろうよ!」
「よいでしょう。受けてたちますよ!」
「いっくよー!!!
バンッ、バンッ、バンッ、バンッ、バンッ」
ぼくは、数撃ちゃあたる戦法で弾をいっぱい出した。
アンはそれを軽くかわしている。
「指の軌道と声でどこに撃つかまるわかりですよっ」
アンの反撃が始まる。
指パッチンで音を出し、ぼくの体に弾があたる。
弾が当たっても、ぼくは勝負を続けた。
「まだまだっ、バンッバンッバンッ、
バンッバンッバンッ、バンッバンッバンッ」
声を出しながら動いて息切れもしてきた。
「はあ、はあ、はあ、バンッ、バンッ、バンッ」
弾は当たらない。
アンの反撃が次々にぼくの体に当たる。
パッチン、パッチン、パッチン。
ぼくの体は、弾の色で塗りつぶされる。
「バンッゲフォ、バッ」
ぼくの喉はとうとう痛くなってかれてきた。
「はあ、はあ、はあ」
ぼくは息を整え反撃の機会をうかがう。
「そろそろ終わりにしませんか。喉もかれて
きてますよ」
アンは、後ろから声をかけてきた。
ぼくは、振り向きざま弾を撃つつもりで
振り返ろうとした。
ブッ!
我慢していたオナラが出てしまった。
するとお尻から弾が出て偶然、アンに
弾が当たった!!!
「これは予想外です。一本取られましたねっ、
グッジョブです!」
「うぐぅ、あんまり嬉しくないよー、オナラで
弾を当てるだなんてっ」
「今日は、ここまでにしましょう。音で弾を
出すゲーム設計は、太郎に不利でしたね。
最後の一発だけは、幸運でしたけど、ふふっ」
「やめてよっ、言わないでっ、次からはちゃんと
銃も出してよねっ!!」
「はいはい、わかりました。次からはそうします。
ですが、太郎は私に一発も当てる事はできなく
なるでしょう。勝てる方法も設計に入れて
考えておいてください」
「はーい、どうやったら勝てるんだろう?」
うーん、ぼくは考えながら家へ帰った。




