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拡張現実

ロボ天使アン・エンジェル



この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。



----- 第四話 「拡張現実」 -----


 ぼくは、小学6年生の男子で、名前は、翼 太郎。


「バーチャルリアリティーは、体に悪そうだから

 拡張現実がやってみたい」

 アンに思いついた事を言ってみる。


 アンは、またお腹のあたりのポケットをあさっている。

「拡張現実ゴーグル!!!

 拡張現実をゴーグル型にしてみました」

 ゴーグルのような機械がポケットから出てきた。


「わーーーい!!!

 運動にもなるし楽しそー」

 ぼくは、早速、ゴーグルをかぶる。

「どうやればいいの?」

 ゴーグルから周りの風景を見ながら聞く。


 アンは、首をかしげながら答えた。

「ソフトウェアの設計は、太郎自身で行ってください。

 設計のための概要を教えます」


「わかったよ! ライトセイバー出して!」

「気が早いですね。まず、ライトとその概念から

 教えましょう」

「えー、まあいいや、教えて!」

「光には3原色があり、赤、青、緑の光で黒以外の

 色が作れます。赤と青を合成すると紫、

 赤と緑で黄色、

 青と緑で水色、

 赤と青と緑で白です。それらの配分で色々な色を

 作る事ができます。やってみた方が早そうですね。

 空中を2回つつくとライトが作成できます。

 その後、赤、青、緑のパラメーターを入力し

 光を作成してください」

「へー、やってみるよ」

 ぼくは、空中をつんつんと指してみた。

すると、空中に光が現れ、パラメーターを入力する

スライドバーが現れた。適当にどんどん色んな色を

作ってみる。

 辺り中が光でいっぱいになった。

「キレイだけど、もう飽きた、次は空中に絵を描いて

 みたいなっ!」

「いいでしょう、自分で設計を行う意欲が出てきましたね。

 それでは、ライトセイバーならぬ、ライトブラシをどうぞ」

 アンは、指パッチンをしてぼくの手に、

ライトブラシを出した。横のボタンを押しながら動かすと

空中に光が残り光の絵が描ける。

「色は変えられないの?」

「底のボタンを押すと変えられます」

 さっそく、色々な色に変えながら絵を描き始める。

「わーい、面白い、これ作ったぼくって天才?!」

「残念ながら、誰でも思いつくアイデアで

 既に実用化されています」

「がーん、残念」

 ぼくは、がっくりとうなだれた。

「落ち込んでいる暇はありません、ついでに数学の概要を

 理解できるかわかりませんが教えましょう。

 一般常識には間違いがあり、時間を短縮するため

思慮から離れたものがあります。例えば、

1+1=2などの数式ですが

2進数を使っていない事の前提や

複雑化してはいけないなどの暗黙の了解でかかれたものがあります。

Xの0乗は1というのは、一般的ですが、

答えは、不定、未設定となります。

0乗というのは0回掛けるという事で答えの変数は未設定で

あるためです。

 他の理屈としては、根拠となる答えが1になる式が改変されているため

指数部分をn+1としてXのn+1乗をXで割っているのですが、

これを元のXのn乗と同じとする根拠がありません。

nが-1の時を考えましょう。

国語でいうトートロジーが現れています。

 また、指数がマイナスの場合も定義を拡張しなければならな

かったりして結論は、計算するロジックによって異なる

という事になります。

 理解できましたか?」

 ぼくは頭がくらくらになりながら答えた。

「う、途中までしかよくわからなかったよ。

 もっと大人になってからにしよう……」

「了解しました。いきなり難し過ぎましたね。

 難しい問題があるという事を知っておくのも良い事です」

 ぼくは、頭くらくらになりながらゴーグルを外し、

疲れたので、もう寝る事にした。


0乗の説明部分を修正しました。


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