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【第12話】『女子テニス部員の○○○○個別レッスン 宇野莉乃』

ノクターンノベルズの内容を一部改変して投稿しています

今日は記念すべき日である。

何故なら、僕がこの映画製作部で初めて監督としてメガホンを取り、撮影を行う日だからだっ!


僕が世界に羽ばたく為の貴重な第一歩……ここから伝説が始まるのだ……!


……とまぁ大層な事を言ってみたものの、蓋を開けてみると、監督とは名ばかりで、撮影及び編集は沖田部長に丸投げしているのが現状だ。

僕が担当しているのは企画と台本、そして男優役である。


僕はまだまだこの手のことは初心者……。

いくら企画や台本が良かったとしても、素人が肝となる撮影や編集まで手がけてしまうと、全てが台無しになってしまう……。


これは自己満足な自主制作映画ではない……僕の映画予算1億円を少しでも多く稼ぎ出す為の、ヒットを賭けた命がけの戦いでもあるのだ!



そしてこの撮影で一番重要なのは……ヒロインの存在である。

今回のヒロイン……それは勿論っ、宇野さんだっ!!!!!

もうこれはこの部活に入部した時から心に決めていた……最初の撮影は、何が何でも宇野さんと撮ると!


クラスでは相変わらずまともに会話すらしてくれない彼女だけど、部活で……しかも○○○な撮影で好きなだけ絡むことが出来る!

ありがたやありがたや……。



また、今回のテーマについてだけど、色々考え抜いた結果“テニスコスプレ”という内容に決定した!

理由はシンプル……個人的に、体育会系の部活動コスチュームで○○○するのが憧れだったって事が大きな要因である。

その為に今日僕達は、学園敷地内のテニスコートに来ているのだ!



「……お待たせしましたー」


ラケットバッグを背負った宇野さんが、コート脇の入り口からトコトコとやってきた。

彼女が身に纏うのは、白と水色を基調としたテニスウェア……ベンチに座り上着を脱ぐと、中からは半袖の白シャツ&水色のスコートが現れた!


ヤバい……めっちゃ可愛いっ!

宇野さん……前の下着もそうだったけど、水色が好きなのかな……?

やっぱり清潔感や透明感があって……凄くいいっ!


「う、宇野さん、今日はよろしくね! ……そのコスチューム、凄く似合ってるよっ!」

「あ……映くん、ありがと……。ねぇ、今日ってまずはここでテニスをするんだっけ?」

「そうそうっ! まずは軽く試合風景を撮影するんだ!」


そう、このテニスコートに集まったのは、ここでエッチな事を撮影する訳ではない。

ビデオの冒頭部分……コーチ役である僕と、生徒役の宇野さんがテニスのゲームをしているところを撮影する為だ。


映画製作部の部員たる者として、ただ単にコスチュームを身につけ○○○な事をするのは気が引ける……。

そこで、ちょっとでもリアリティを出す為、コート上での演出を考えついたのである!


「宇野さん……アップは大丈夫? ここで怪我しちゃうと大変だからさ……」

「うん、大丈夫だよ。さっき裏で体操してきたから、バッチリ♪」


宇野さんの体調を確認したところで、僕たちはお互いラケットを持ち、コートの対面で構える。

これから7ポイントのタイブレークマッチを行う為だ。

サーブは僕から……ウエイティングポジションに入り、ラケットの面でボールを何回か地面に突く。


ふふふ……宇野さんビックリするだろうな。

実は僕、中学時代は硬式テニスで関東ジュニア出場経験もあるのだ。

僕のかっこいい一面を見て、惚れちゃったりして!


「う……おらっ!」


頭上に高くボールを投げ、ラケットで擦り上げるように叩く!

回転力を重視する為、あえて威力を落として打ったサーブは、僕の狙い通りに宇野さんのフォアサイド側へと向かっていく。


僕が放ったのは“スピンサーブ”。

横回転の“スライスサーブ”に対し、このサーブは縦に回転かかかっている。

それが地面に着くと……


ばしゅっ!


「やぁっ!」


宇野さんの身体へ向かって食い込むように跳ね上がるのだっ!

きっと彼女も驚いて……って、あれ?


「やったね! これで1一0♪」


可愛くポーズを決める宇野さん。

なんとボールは……僕のコートへと返球されていた。


……見間違いかな?

ボディに跳ね上がったボールを、彼女は上体を傾けながら、掛け声と共にフォアハンドでリターンしていたぞ……?

そのボールはそのまままっすぐネットを超え、ダウンザライン……リターンエースを決められてしまった……。


「じゃあ、次は私のサーブだね!」

「……あ、うん」


手持ちのボールを要求され、僕は戸惑いながらも彼女へと渡す。

器用にラケットでボールをつきながら、宇野さんはサーブの構えをとった。


え……待って。

何も聞いてなかったんだけど……宇野さんて初心者じゃないのかよ……。

いや、初心者があんなリターン打てるはずない……。

ひょっとして物凄く上手いんじゃ……?


「……やっ!!」


ぱぁんっ!


「うわっ!?」


宇野さんが放ったフラットサーブがセンターラインギリギリを捉える!

なんとか返球をした僕だったが……


「……やあっ!」


前へと詰めていた宇野さんによって、ボレーを決められてしまった……。


さ、サーブ&ダッシュだって……!?

こんな芸当初心者には出来るはずがない!

……彼女は間違いなくテニス経験者だっ!


「う、宇野さんて……テニスやってたんだね……?」


特に自身のプレーに驚く事もなく、次のポイントに向けて平然とベースラインへと歩く宇野さんに、恐る恐る尋ねてみる……。

彼女は振り向くと、ニコリと笑顔を見せた。


「うんっ♪ 去年は全日本ジュニアでベスト8だったよ!」


……えええっ!?

ぜ、全日本ジュニアベスト8だって!!?

僕なんかより全然凄いじゃないかっ!?


待て……待てよ……。

宇野って苗字……何処かで……あっ!

さ、昨年隣の地区でNo.1になった人が確か“宇野”って聞いたけど、それがこの子なんじゃないか!?


てかよく考えたら、宇野さんがテニス用品一式揃えて持ってきてる時点で気付けよ僕っ!!

家に用具一式あるからって言われて、お母さんのかな? なんて考えてたけど……ガチで本人のだったって事か……。


「じゃあこれで2ー0だね。次のサービス行くよー♪」


間髪入れず次のサーブモーションへ入る彼女……。

まずい、これ以上ポイントを離されるわけにはいかないっ! 気を引き締めなければ……


「やっ!」


デュースサイドから、宇野さんは今度は僕のボディへ向けてのフラットサーブを見舞う。

……しかし、僕はこれを読んでいたっ!


「……らぁッ!!」


バゴォンっ!!!


バックに回り込んでから、逆クロスへと思い切りボールを叩き込む!

宇野さんは僕が回り込んだ時点で、リターンはストレートと読んで移動しかけていたから、上手く逆を突いた形だ。

球はサイドラインギリギリを通過……見事リターンエースをお返ししてやった!


「わあ……凄いね、映くん! まさかバックに回り込むなんて!」

「ふふ……まぁね」


確かに実績は僕より遥かに上……。

だけど、宇野さんは女子っ!

球のスピードや威力は負けていないっ!


それに、役柄上、コーチという立場からしても絶対に負けるわけにはいかないのだっ!

(演出だからといって、彼女に“手を抜いて”なんて恥ずかしい事、言えるはずないしね!)


これでカウントは1一2……だが次は僕のサーブ!

ここから、一気に流れを掴んで勝ってみせるっ!!!


なぜいきなり12話にすっ飛んでいるのか。

理由は簡単……この前後の話は、とてもじゃないですが改変できません!

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