チーズケーキの口どけ
喫茶 ハル
緑の看板に白い文字でオシャレな字体、私たちの世界にもありそうだがこの街の雰囲気にどこかあっていた。
ルルは常連のようで、定員と仲良さそうに話していた。私たちは大きな花の絵が飾ってある壁の近くの丸いテーブルの2人席に座った。
少しすると表面をこんがりと焼かれたベイクドチーズケーキが運ばれてきた。いい焼きめがついて美味しそうだ。
「ルルの友達なら無料にしてくれるって!よかったね!!」
「ほんと?すごい!この店よく来るの?」
「うん。まぁね。」
「それで、話なんだけど、まず、さっき話したようにこの世界はひとつだけ無いものがあってそれを見つけられたら帰れる切符がもらえる。」
「うん。あの電車の切符だよね。」
「そう。それで、この世界には由実の世界から来た人もいるの。由実と同じようにして。」
「えっ。その人たちはどこにいるの?」
「この後行くけど、別の世界から来た人のための宿?というか寮みたいなものがあるの。そこに居るわ。」
「じゃあ私もそこで過ごすの?」
「そう。その人たちももとの世界に帰れないから由実と同じようにこの世界にないものを探してるの。だから、その人たちと一緒に探してほしい。」
「分かった。みんなで探すほうが早そうだしね。」
「うん。でもなぁ、あの人たちなぁ。」
「え?そんな変な人たちなの?」
「うん。由実とおなじくらい頭が硬い。」
「うるさいな!」
口の中に入れたチーズケーキがすっととろけて消えた。ルルに少し頭に来ることを言われてもその気持ちとチーズケーキが一緒に無くなる。美味しい。
ふとルルの方を見た。ルルもチーズケーキを美味しそうに食べている。よく見ればルルは少し幼いような気がする。
「ところでさ、ルルって何歳?」
「あれ?言ってなかったっけ?11歳だけど。」
「11歳!?小学生じゃん!働いていいの?」
「んんんん!由実ちょっとは頭が柔らかいじゃん!」
「え、、あ!この世界には決まりがないの!?」
ルルは笑いを噛み殺していた。
「あとちょっとー!まぁ、この世界は自由なところもあるけど決まりがなかったらこの辺交通事故だらけだよ!」
「そっか。」
やっぱり、ゆっくり探したほうが良いのだろうか。難しい。
口の中でとろけるチーズケーキはあっという間になくなった。
「じゃあ、会いに行く?」
そう言って私達はお店を出た。
この時まだ私は知らなかった。
この世界にあの人も来ているということを。




