表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

#006「秋の始まり」

「おはよう、福島さん」

「おはようございます、金谷先生。八月も、もうすぐ終わりですね」

「夏期講習も、今日でおしまいね」

「一日には始業式ですからね。あぁ、でも、大学は夏休みが続くんですよね?」

「十九日までは夏季休業期間になってるわ」

「羨ましいです。九月からは、何か予定はあるのですか?」

「そうねぇ。せっかく第二外国語を学んだことだから、旅行に行くことにはしてるんだけど、それ以外は白紙ね」

「どちらに、お出掛けですか?」

「台湾、香港、マカオ辺りを、一週間くらいで回るつもり」

「へぇ。良いですね。楽しんできてくださいね」

「ありがとう」

「素朴な疑問があるんですけど」

「何かしら?」

「書写の宿題中に思ったんですけど、鉛筆書きのことを、毛筆に対して硬筆と言いますよね?」

「そうよ。それが、何か?」

「でもボール・ペンのほうが、鉛筆より硬いと思いませんか?」

「たしかに、黒鉛より金属のほうが硬いわね」

「だから、ペン字のほうが硬筆だと思うんです」

「なるほど。言葉の意味からすれば、そのほうが筋が通るわね。面白い着眼点だわ」

「美咲ちゃん。お勉強は進んでるかしら?」

「あ! 天宮のお姉さん」

「はじめまして。従姉の天宮陽子と申します」

「こちらこそ。家庭教師の金谷直美です」

「お噂は、かねがね。――来る途中に、いつものパン屋さんに寄って来たの。中には、美咲ちゃんが好きな白餡入りメロン・パンが入ってるわ。終わってから食べるのよ?」

「はぁい」

「ここは、先生にお預けしたほうが安全ね。金谷さんの分もありますから」

「ありがとうございます。いただきます」

「わたしは伯母さんとお話があるから、またあとでね。――失礼しました」

「それでは、昨夜のニュース報告を始めてください」

「はい」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ