地球
捜索から何日か経った。子供は一人しか見つからなかった。
「仕方ない、打ち切って戻ろう……」
長が決断した。皆も無言で答える。
捜索から何日か経った。子供は一人しか見つからなかった。
「仕方ない、打ち切って戻ろう……」
長が決断した。皆も無言で答える。
集落に戻った……ら、なんと! 子供達は戻っていた。一人残らず。そしてキン・タマダスは居なくなっていた。不思議な【モノ】と、共に。
集落にいた者の話だと、キンはバスターの治療薬を持って来ると言い残し、消えたと言う。
いなくなった子供達の中に、神殿に行けた子がいた。
「バスター、飲んで! 神水だよ!!」
ゴクゴク。バスターは一息に飲み干した。そして、寝てしまった。
「こら!! 神殿から聖杯を持ち出すなんて!!」
「ごめんなさい〜」
「まぁ、いいじゃん?取り敢えず休もうよ?皆疲れたろ?」
惑星グリーンに夜は無い。休息の申し出に長も従った。見張りをたて交代で寝る事になった。
小一時間が経った。バスターは回復してない。すると空から複数の【何か】が複数やって来た。
「おーい!」
キン・タマダスだ。戻って来たらしい。バスターを治してくれるのか?
「みんな【地球】に来ないか?」
突拍子もない言葉に、皆、唖然とした。
「ちきゅうって何?」
「わたしのうまれそだった【星】だよ」
「ほしって何?」
どうやらグリーン人は原始的過ぎ、日々の生活と神水やらの事しか分かっていないらしい。
「ま、まあいい(野蛮な奴等め)とにかくきてみなよ。そのこをかんちさせてみせるよ」
「ふむ、よくわからんが、旅をしようと言う事かな?バスター・オルを治してくれるなら、旅もいいかも知れない」
長の言葉に皆同意した。キンの目論見を知らずに……。
グリーン人は惑星グリーンに点在し、集落を築いている。グリーン人全員を集める事はできるのか?
ところが、神殿以外建物も、木や山、谷などはこの惑星には無く、キンの乗ってきた宇宙船なら楽に探し出せた。その為の複数の宇宙船だ。
キンの宇宙船は一人乗りだが、他は何十人も乗せられる大型宇宙船の為、一人残さず宇宙船に収容できた。
勿論、グリーンに残りたいと言い出した集落や人はいたが、バスターの集落の長が説得した。
「旅は知恵を授けてくれる。未知の経験は我々の将来に役立つはずだ」
しぶしぶ皆着いてきた。ビュンと飛び、一気に暗闇になると皆驚いた。ワープした時は腰を抜かした。そして着いた。灰色の星。地球。
しぶしぶ皆着いてきた。ビュンと飛び、一気に暗闇になると皆驚いた。ワープした時は腰を抜かした。そして着いた。灰色の星。地球。