意味が分かると怖い話 殺し屋
今回は長いです
一応まだまだ怖い話しシリーズを続けたいと思いますので
更新が遅くなっても見てください!!
それでは存分に恐怖しちゃってください!
その日、ソイツが家にやってきた。
黒い衣を羽織り、不気味な笑みを浮かべて。
「こんばんわ、って……ん?
今は昼だから、こんにちわでしたか?
まぁ、どっちでもいいでしょう。
別にそんなことどうでもいいコトですしね」
ニッと笑うソイツは、ゾットする程コワイ。
目元が笑っておらず、片側だけ口を釣り上げていた。
冗談を言ったつもりなのだろうか。全く面白くない。
「ああ、そうですね」
登場の仕方に面を食らいながらも、ソイツを見る。
……たぶん男だと思う。
オソロしく整った顔は、性別が判断しずらい。
その上、髪が長いときた。
まぁ、男だろうが女だろうがどっちだっていい。
関係あるのは、コイツが本当に殺し屋なのかどうか。
ということだ。
「それで、貴方は殺し屋ですか……?」
「はい。依頼を受けに来ました、殺し屋です。
――正真正銘の。
って言っても、証明は出来ないんですけどね……。
ハハハハ」
「はぁ、そうですか」
「信用してます……?
信用してなさそうなんで、
僕のとっておきのモノを見せますよ」
そう言って彼は、
懐から刃渡り50センチを超える出刃包丁を取り出した。
「まぁ、これが僕の相棒なんですが。
たぶん、これでも信用してませんよね」
慣れた手付きで、出刃包丁を振り回す殺し屋。
「取り敢えず、玄関で話すのもなんなんで。
家に上がってください」
「あ、ここで大丈夫です。
話しは簡単に済みますんで」
「そうですか、分かりました」
「で、お依頼は●●さんを殺せばいいのですね?」
「はい……。お願い出来ますか?」
「ええ、もちろんです。
但し、ただではヤリません」
「……お金が必要なんですか?」
「いえ、お金とかではないんですよ。
『代償』が必要なんです。
でも、今回は特別なんで無しでいいですよ」
「『代償』……?」
「ええ、聞きたいですか?」
「いえ……いいです」
何となく嫌な予感がしたので、僕は聞かないでおいた。
「では、お依頼を遂行します」
静かにそう告げて。
殺し屋は、持っていた出刃包丁を――
僕の胸にズブリと刺した。
瞬間、ビュッと血が噴き出る。
「今回は大変面白い依頼でした。
これで二人の依頼を叶えられました。
面白かったので、特別に代償の意味を教えます。
本当は、企業秘密なんですよ?」
彼の声が、意識が遠くなっていく。
そんな中、彼は楽しそうに話す。
「代償っていうのは……
臓器をもらうコトなんですよね
ハハハハ」
その言葉を最後に、僕は視界がブラックアウトした。
そして、これは僕の知らないコトなのだが。
殺し屋によって殺されるはずだった●●さんは、
確かに殺されたのだが、
殺された場所が、僕の家だった。
それも、彼は僕が倒れた直ぐ横にいた。
二人は口論の末、互いに心臓を突き刺し、
死んだものとして警察によって受理されたのだった。