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両親と兄と親友と

無事にトルディア家からキッシュ家へ帰ってきた。


久しぶりに娘の顔を見た両親は、涙を流しながら強く抱きあった。

その様子を見ていた兄とそのペアのキャステルは微笑んでいた。


とりあえず、屋敷へ入ってからにしませんか?と執事に促されて、みんなハッとなり、

「そうだな、クラナも着替えてからサロンへおいで。」

とお父様に言われてクラナも、ミリーとカリナに連れられて部屋へ向った。


ササッと楽なワンピースに着替えさせてくれた侍女ズに感謝。


サロンへ向っていると、懐かしい声が聞こえてきた。

「で、ヒイロったらまた違う国の辺鄙なところの伝統菓子の研究に夢中なんですよっ この前なんて私とのお茶会もすっかり忘れて研究室から出てこなかったんです!!

研究と私どっちが大事なの!?なんてことは言いませんけど・・放って置かれると寂しいんです。

わがままでしょうか?」

アミカがヒートアップしている(苦笑)

「うう~アミカごめんってば~これからは気をつけるから!

僕だってちゃんとアミカのこと大事だと思ってるんだよ~」

と泣き言のように謝っているヒイロの声が聴こえる。


あははっ

アミカってば、ヒイロに振り回されてるのね(笑)

ヒイロも相変わらずね・・

私はお菓子どころじゃなかったから、羨ましい・・


よし、久しぶりに会うから少し気合を入れる。


「ヒイロ、アミカ!久しぶりね。」


クラナの声に、2人同時にバッと振り向いた。

その顔は心配を滲ませたような苦しそうな笑顔。

羨ましいって思った自分を叱りたい・・親友が大変な目に合っているのだ、心配しなわけないんだよね。

私が逆の立場でも同じように心配するもの。


心の中で2人に謝りつつも、笑顔を向ける。


「「クラナぁぁぁあ」」


「心配したんだからねっ、もっと私たちにも連絡してよぉ~~」

とぎゅっとされながらもアミカからは文句いただきました~

「ほんとだよっ、僕だってどうやってクラナを元気づけられるかなって色々なお菓子の研究したんだよ!

ただ作るだけじゃなくて、オリジナルのデコレーションとかも考えてたんだからね!」

と何気にいつものヒイロと変わらないのでは??とツッコミそうになりながら甘んじて受ける(笑)


2人ともとっても心配してくれて本当に有り難い。


チラリと横を見ると、両親と兄とキャステルがニヤニヤしていた・・


まったく・・


「とりあえず2人とも座りましょう、ね?」

2人を抱きしめながら言う。

アミカとヒイロも”うん”と頷いて席に座ってくれた。

私も座ったところで、

「みんな、改めて・・ただいま戻りました」

と伝える。


「「「「「おかえり」」」」」


みんな待ってくれていたのがわかって嬉しくて泣きそうになる。


掌をぎゅっと握りしめて、事の顛末を伝えた。

モンス伯爵とシェリアーナ夫人のことについても。


お二人のことについては、お父様とお母様も知らなかったらしくて、とても驚いていたけれど、無事なこととモンス伯爵に嫁いで幸せになっていること、クラナと友人になってくれたことに喜んでいた。

トルディア家とモンス伯爵が親戚だったことにも驚いていたけれど、

これから色々と付き合いが出来そうだなと言っていた。


お兄様とキャステル様からは、私が寝込んだりしていたことも聞いていたと、体の揺らぎや精神の安定に良いラベンダーやカモミール他薬草を調合したハーブティーをいただいた。


薬や食事との飲み合わせの相性は悪いものはないから、と毎日寝る前に飲むことを勧められた。

リラックス効果も美肌効果も追加してくれたとのことで、お母様も欲しがっていた(笑)


そうだっ!!


「みんなに伝えておきたいことがあるんです。」

??

「「「「「なに?」」」」」

みんなの視線が集まる。


「えっと・・

実はリオル様と良い関係が築けていて、トルディア家も私のことをみなさん気に入って受け入れてくれています。

帰り際に、私がトルディア家に嫁ぐのは決定事項だと言われて、私も異論がなく了承してきました。

リオル様も同意のことです。

そして、3つの約束をしてきました。


その内容を聞いて、みんな口が開いたままだった(苦笑)

わかるけど~お母様まで・・・


「んんっ、クラナ・・トルディア家とのこともお前の気持ちもわかった。

けど、まだ嫁に出してはいないからな。

ちゃんとこちらでの生活も忘れてはならないよ。

何より、私たちだってまだ娘と楽しく過ごしたいんだから。」

とお父様。

「そうよぉ~私だって、娘と楽しいことも教育だってしてあげたいわ!

なんなら、こちらでお茶会を開いてみなさんを招待しましょ♪」

お母様が素敵な提案をしてくれた。


「それいい!!賛成~私もみなさんにお世話になったお礼をしたいです!」

と伝えた。

みんな”うんうん”と頷きながら、自分たちも参加するから!とゴリ押しされた(笑)


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