兄と妹の作戦会議
「では、お兄様!どうしたらいいと思いますか?」
「うん、そうだなぁ。
いままでは、3人で会っていただろう?
だから、今度はクラナから2人に別々に会いに行って、いつものお喋りのついでに気持ちを聞き出してみるのはどうかな?
まぁ、クラナから会いに行かなくても、うちに呼んでもいいと思うよ。
その際には、お父様とお母様、使用人みんなにも2人にはそれぞれに呼び出すことを言わないように口止めをしておいたほうがいいね。」
「いいですね。会いに行く口実はどうしましょう??なかなか思いつかないです。」
口実かぁ確かに難しいな。
うーん、うん?
あるじゃないか。
「クラナはお菓子作りが好きだろう?それを利用して、この国以外のお菓子を作ってみたいけど一人では大変だから、一緒に作らないか? ということで、まずはサマントス伯爵子息を呼び出しては?
確か、彼もお菓子作りをするんだよね?興味あると思うよ?」
さすがお兄様ね。
「ヒイロはそれで呼び出せると思います。でも、アミカはどうしましょう??」
「それは簡単さ。僕くらいの年齢になると、女の子達は女の子だけのお茶会、通称女子会と言われている会を開いているんだ。
基本的には、同じ年齢くらいの女の子で気の合う子だけで集まってお喋りや情報共有したりするみたいだよ。
まぁ、僕は男だから参加したこともないし、詳しいことはわからないけどね。
そこはお母様が詳しいと思うよ?」
なるほど!
秘密の会みたいで楽しそう。
3人でももちろん楽しいけど、女子でしか話せないこともあるだろうし。
そうして、お兄様と相談した結果、夕食の時間にみんなに話してを求めることにした。
夕食時、ダイニングでは家族揃ってと決まっている。
どんなに忙しくても、お父様もお母様も絶対に時間を合わせてくれる。
どこの家族でも、誰かしらいない夕食時間ってあるあるだと思おうのだけど、うちはせめて夕食だけはと両親が取り決めたのだ。
そのおかげで、この時間には絶対に両親と会えるし、今日あった事を報告したり相談事を持ちかけたり出来るのでありがたい。
特に親が忙しい貴族の家では、1日両親が不在で顔も合わせられないというところも多いと聞いて、お兄様と私はとても恵まれているのだと、心からそう思えった。
「ほぉ~クラナは友人のことをちゃんと見ているね。
それで、私達は何か協力して欲しいことがあるのかな?」
・・・
「お父様・・実は~」
と、お兄様と考えた計画を話した。
「なるほど、ではいまのところ私達はヒイロ殿とアミカ嬢には何も知らないということで通せばいいのだね?」
「はい、そういうことになります。
2人の気持ちを聞いて、またその後どうするかを考えたいのでその時はお兄様やお父様、お母様に相談したいのですがいいですか?」
「なんだ、もちろんいいよ!一人で抱え込むのはやめてくれよ?」
ニコリと微笑んで優しい顔を向けてくれる。
「まずはヒイロ殿に手紙を出してはどうだろう?
アミカ嬢との女子会?だったか?それは、先にミエルに色々と聞いて一緒に計画を立ててから誘ったほうがいいのではないかと思うんだが、どうだね?」
「!!お父様、ありがとうございます!お母様、お時間のある時にお願いします!」
意気込んだ表情をしてお母様を見ると、ふふっと微笑んでくれる。
「もちろんよ、クラナ。お母様にもお手伝いさせてね♪」
「僕も、いつでも相談してよね」
「クラナのことも、サリエルのことも私達はいつでも力になるからね」
「「はいっ」」
最高の笑顔を向けて、元気に返事をする兄妹は愛されてしかるべき・・
平和だなぁ。
さてと、作戦会議は一旦終了。
楽しい夕食は最高♪




