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新たなる友人

3人で意気投合して盛り上がっていると、誰か近づいてきた。


いいところなのにぃ~というのが3人の意見。

声をかけられるわけでもなく、ただ側で佇んでこちらを見ている。


まったくもって面倒くさそうだと思ってしまうのは、私達だけではないはず・・


仕方ないので、とりあえず1番爵位の高いアミカが率先して声をかけてくれた。


「あなたどうしたの?こちらに何か用かしら?」


本人は自覚無しの行動だったのか、声をかけられて はっ!!となった。


「あ、ご、ごめん・・えっと君たちが楽しそうにしていて、その・・羨ましかったんだ」

少しモゴモゴしながらで聞き取りにくい。

「えーっと、あなたはお友達作っていないの?私達だってさっき友達になったばかりよ?」

冷静に対応してくれるアミカが心強い。


「そうなんだ??えっと・・もしよかったら僕も友達になって欲しい。・・ダメかな?」


「私は・・まぁ、いいけど?二人はどうかしら?」

「そうね、私もいいけど~」

「うん、僕もいいよ~」

「ほ、ほんとに!?ありがとう~僕、ルティ伯爵家のマトワっていうんだ、よろしくね。」


「「「よ、よろしく~」」」

よろしくと挨拶はしたけれど、実は3人はあまり面白くないと感じていた。


マトワは一見、無害そうに見えるけど、目が・・なんか笑ってないんだよねぇ。


特に可愛いわけでも、カッコいいわけでもない、平凡な子に3人はあまり興味がなかった。

ただ、平凡とかけ離れたあのグレープ色の瞳だけは少し不気味だと思い、子どもながらに何かを感じていたのかもしれない。


まぁ、そんな自分たちも子どもだから決めつけるのは良くないという思考で、とりあえず友人程度ならと許した。


まさかあーんなことになろうとはねぇ・・





一方リオルは。


とうとうこの日が来てしまった・・


俺も参加したけど、今日はクラナが参加する番だ。


俺は考えたくなくて、1日中予定を入れてわざと忙しくしていた。


なぜか・・

ここまで言えばわかるだろう?


俺はクラナが好きだから。

出会ったのは俺が9歳くらいだったかな、友人のサリエル・キッシュの家に遊びに行った時に妹だと紹介されたんだ。

兄と同じ淡いラズベリー色の瞳とミルキーホワイトのふんわりした髪の毛。

ちなみに兄の髪はホワイトベージュだ。


クラナはまるで、ショートケーキみたいな子だと思った。


俺には兄弟が居ないから、サリエルが羨ましかった。

しかも、こんなに可愛い妹ならそりゃシスコンにもなるってもんだと納得。

キッシュ家に遊びに行くたび、ちょっとだけど相手をしてあげていたら懐かれたらしい。

いつも俺のことを歓迎してくれるし、料理長に習いながら作ったという手作りのお菓子までくれるようになった。

これがまた美味しくて、それすらも目当てになったのは内緒(笑)

月日を重ねるごとに、クラナと会う時間も増えていったのは必然と言ってもいい。

俺がそうしたかった・・


サリエルには見抜かれてたけどね(苦笑)


ある日、釘を刺された。

”もうクラナと離れるべきだ”と・・分かってはいたんだ。

俺にもペアがいる・・気は進まないけど、一応1ヶ月に1度の交流会なるものもしている。

相手のことを好きにはなれないまま。


俺はクラナがいい。


だけどいまの時点でペアの解消を進言することは出来ない。


だから機を待つしかないんだ・・



クラナは可愛いし、マイペースでのんびりさんだけど読書好きでお菓子作りが好きで、話しも聞き上手だしペアが決まらないことはないだろう、こればかりは仕方ない。


どんな奴がクラナと・・


伝えられない想いを胸に、急に曇ってきた空を眺めてため息だけが落ちる。


友人とは・・定義は難しい。


相手のことを見定めることも常に難しいことですね。


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