【プロットタイプ】散々な一日
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
今日はもー何も頑張らない。
ふて寝するか、人が楽しんでる動画だけ見て終わろう。
夏休み最後は何時もこんなもん。
雨の中出かけて行った同居人が、随分と早く帰ってきた。靴の先に土が着いて黒ずんでいる。服の裾が湿気っている。そして表情は、何も映して居なかった。ただ何処か苦しげな、陰鬱とした空気を静かに纏っている。
彼奴と俺は何も言わなかった。ただ黙って自分の部屋に撤退すると、そのまま浴室に直行した。今響いているのは、雨音なのか、シャワーの水音なのか、分からない。
ただ全てを終えた鏡花は、湿気った肌のまま疲れ果てた様にごろ寝をした。特に話す事も無いので、雨音を聞きながら、本を読む。
暫くすると、目の前から寝息が聞こえてきた。昼寝をする事が出来ないと最近ボヤいていたが、今日は疲れ果ててしまったのか、床を布団にして眠ってしまったらしい。
近寄って様子を確認する。黒髪を此方側に散らし、ただ何か言う訳でもなく、寝息を立てている。適当に流された髪からは雨上がり花の様な香りがした。
俺は彼奴の寝室から羽毛布団を一枚持ってきて、そのまま被せてやる。良い夢を。
今日という日は非常に無駄が多かった。自分の意思を貫き通せば、こうはならなかったとは思う。だが其れをする為の気力が、私には全く存在してなかった。
雨に打たれて靴は濡れ、骨董品の鑑賞ところではなかった。食べたかったソフトクリームも、傘を差しながら食べたくはなかった。目的としていたファミレスは、あの場所からは離れ過ぎていた。もう戻りたくはなかった。靴が濡れるのも、人とぶつかるのも、勘弁して欲しかった。
結局、全ての憂さを晴らす為に、喫茶店でお茶を嗜むだけで終わった。紅茶は何故か金属の味がした。茶葉の味よりも無機物の味が強く、値段ばかりが加算で行く。
何もかもが上手くいかない日だった。最初以外、全て最悪。
だから予定より早く家に帰ってきた。この濡れた足裏をどうにかして元通りにしたかった。全てが、鬱陶しかった。
「…………?」
目が覚めると、私の体には羽毛が掛けられていた。寝る前の事は結構はっきりと覚えている。風呂に入って、床を布団にふて寝をした。羽毛は掛かってなかった。
後ろを振り向くと、瑠衣が本を読んでいた。
「布団、有難う」
何も答えない。
「……今日は散々だったよ。良かったのは匂いだけかな。雨の日って花の匂いが強くなるから」
その時、瑠衣は顔を上げて、じっと此方を見詰めて来た。けれども何か口に出す事はなく、また視線を逸らした。
不貞腐れた鏡花の一日。
一つ上手く行かないと、全てが上手く行かない。
だから今日はもうお終い。さっさと帰ってふて寝〜。
という状態。
瑠衣が鏡花を見たのは、鏡花が言った『花の匂い』と同じ匂いが鏡花の髪からしたから。
添い寝してそうだな。髪に顔を埋める様にして。