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人生を自由に謳歌したいのに!  作者: スローな人間
4/8

王女様はヤバいやつ

さあさあ今日は王女様が来る日だ。

精一杯のおもてなしを心がけよう。

と少しでも思えていた方が気が楽になるのかな〜。

まあそんなことを思う日が来るなんて一生ないだろうな。

やっぱり堅苦しいというか立場とかあって、人にペコペコすることは嫌いだよ。

ちなみに今は家族と朝ごはんを食べている。

すると父が

「今日は王女様が来るから精一杯のおもてなしを心がけてくれ」

「今日は少し緊張するわね〜」

「はい」

「はい」

アムとカムはしっかりものだし、大丈夫だろうね。

僕はニコとだけ笑った。

これで嘘はついてない。

精一杯の心がけだけは絶対にできない自信がある。

まあそれなりにはしますので、それでどうか。




◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆




あっ来た。

「王女様、ラジェ家にようこそお越しくださいました」

随分と華奢なお嬢さんが出てきたな。

顔立ちは整っており、どこかカリスマを感じさせる雰囲気があった。

なんだか随分性格キツそうなんだけど。

あの創造神、嘘言ってないだろうな。

そういやなんか言いかけていたけど、それが今目の前のこれろ関係しているのかな。

「お出迎えありがとうございます」

「お久しぶりです。王女様」

やべ、そうだそうだ

「私がラジェ家の長男ラジェ・ラドと申します」

「双子で長女のアムと申します」

「双子で次男のカムと申します」

親二人は前に会っているから、カムの自己紹介が終わったら、

「シャルロット・マリーです。将来的には一緒にこの国を引っ張っていく者たちとしてこれからも頑張りましょう」

内気ねえ、本当なのかな。

もしくは僕と同じで何か隠してる?

まあ確かにカリスマある性格の方がみんなついていきそうだし、その可能性の方が高そうだな。

「どうぞ、お屋敷の方へ」

父のその一言で全員が屋敷に移った。

応接室で父と王女様が話してる。

あの二人は興味津々で応接室の近くで話をどうにか聞こうとしている。

二人とも公爵家の人間なんでしょ。

母は3歳の娘と話している。

妊娠中でもあるため、安静にしている。

ちなみに3歳の娘の名前はラジェ・リナ。

かわいいよ。

おっと無駄に長い話が終わったのだろうか。

父が出てきた。

「おいラド。王女様が呼んでる」

はい?めんどくさー。

まあ僕に拒否権なんてないんだけどね。

ははは。

そんんわけで僕は応接室に入った。

おーおー優雅に紅茶飲んでるね。

正直こんなところで創造神が嘘をつくとは思えないし、少し洞察をしてみるか。

「王女様、改めましてラジェ家の長男ラジェ・ラドです」

「ええ、よろしく」

「それでご用件はなんでしょうか」

「あなたはラジェ家の長男でしょ?てことは将来的には一緒に仕事をするのだからどんな人なのかを見たくて」

多分一緒に仕事はしませんけどね。

あなたの父が存命の間に僕はトンズラするので。

「あなたとは仲良くなっておきたいのです」

仲良くねえ。

べつに関わることなんてそんなにないし、むしろスロー生活に影響を与えるかもしれないいし、仲良くなりたくないな。

んーどうしたものか。

そういや内気とか言ってたな。

そんな性格を隠しているその皮を剥がせば、少なくとも良い印象はないな。

むしろ関わりたくない、それって最高じゃねえか。

そうとなれば

「ええ、私も王女様とは仲良くなりたいと思っています」

「まあ、本当ですか!」

王女様は急に笑みを浮かべる。

公爵家の長男といえど、仲良くなりたいって言われたからって、王族があんなに喜ぶかあ?

少なくとも公爵家のうちはそんなことない。

すごいどんどん僕の中で確信に変わっていくわ。

「ええ、王女様。そのため」

僕は一拍置いて

「王女様もそのかわ…本来の性格で喋ってくださいよ」

僕は笑った。

こうすれば相手は初対面のはずなのに急に性格をあてて楽しんでる、というヤバいやつという印象を持つからだ。

素晴らしい、完璧だぞ、ラド。

「な、なんのことですか?」

「いえいえ、内気で気弱で臆病なお嬢様がなぜあんなにもカリスマ溢れるような“雰囲気”を出していたのかとても気になって」

「な!」

ここまできたらもはや印象サイヤクでも良き。

そして僕はニヤリと笑いこむ。

「う、うう、私は、私は」

最後の押し込み!

「なぜなんですか!」

完全に小さくなってる。

「な、なぜそれを、し、しっているの」

うひょー最後の方は声が小さくなってるぜ。こりゃいい!

「わたしの、こんな性格を、なぜ」

えーと

「見てればわかりますよ」

まあこれでなんとかなるだろ。

もはやこれは印象最悪!

二度と関わりたくないはずだ。

「まあ、別に他の人にバラすつもりとかないので」

というか言っても嘘だと思われるのがオチだけど

「は、はは、あなたさんは随分と人を見るのが得意なのね」

「まあ」

「そうよ、あなたの想像通りあんなのは私じゃないわ」

「今更ですけど、隠さなくて良かったんですか?」

「どうせ、隠しても無駄、なんでしょう。初対面の人に、見破られちゃ、誤魔化しても、無駄」

まあ通じんな〜

「でもなんで、先ほどはあんなにもハキハキ喋れていたんですか?」

「お母様が、そんな性格だったから、真似を頑張ってしたの」

真似ねえ。

あれはもはやプロレベルだけど

「あはは、こうやって、仮面を被ってでしか、私は、王として、みんなが着いてきてくれない」

まあ気弱な王とかあんまりついていきたくはないなあ。

「だからこそ、あなたにバレてしまったなら…」

「?」

なんかやばい予感が

「ちょっとばかし、眠ってて」

するとマリー王女は突然殴ってきた。

危な!

ひーグーパンチこっわ。

「避けないでよ、気絶させるだけ」

いやあのパンチは間違いなく顔が潰れるな。

間違いない、こいつはイカれてる。

まずいまずい

えーと、えーと

「待ってください!ここで僕を殺しても揉み消しは不可能ですよ。いくら王家といえど公爵家をの情報をもみ消すことなど不可能です」

「う、確かに。揉み消せない…」

やっぱりこいつ私のことを殺す気だったんだな。

「そもそも私がバラしてもどうせ誰も信じませんよ」

たしかにとした顔でこちらを見てくる。

「…あなたとは今後とも仲良くしていきたいですね」

急に性格変わるなあ。

ふつーにこえーって。

「あはは…」

もう二度と関わりたくねえよ。

それからマリー王女はアムとカムともお喋りをした。

そして

「本日はとても楽しかったですわ。是非ともまた来日したいです」

「そう言っていただて、とても光栄です」

満面の笑みで答える王女と父。

僕は王女の顔を見た時なんか強い笑みでこちらを見られた気がする。

「ラド君とは有意義なお話ができましたので、是非とも後日、王家にもきてください」

げっ

「あら、いつでもお貸しいたしますので、是非」

と余計なことを母が最後に言う。

はあ疲れた。

本当に性格気弱か?あれ

にしては殺そうとしてきたりと創造神が言う性格とちょっと違う気がしたな。

創造神が微妙なことしか言わないのが悪い。

うんそうだ。

とにかくあのお嬢様とはもう関わりたくねえな。

お互いそんな気持ちだろ。



ーーーーーーマリーサイドーーーーーー


「…」

「どうかれましたか?」

執事のカフが言う。

「いえ、別に…」

「そうですか」

カフはなぜ王女様がニヤリと笑っているのかが少しだけ気になった。


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