嬉しいのに嬉しくない
がんばります!
現代社会はとにかく縛りに縛られている。
もちろんある程度の自由はある。
ただそれはちっぽけなものだ。
小学校→中学校→そこからの人生は人それぞれだが、結局最終的に社会という悪魔の中に入っていくのだ。
だからこそ僕は異世界転生の小説に心を惹かれた。
なんてし幸せそうなのだろうか。
なんて楽しそうなのだろうか。
なんて自由なのだろうかと。
みんなはそんな世界はない、結局妄想での話など言う。
しかし僕はこんな世界があるのではないかと思っている。
世の中はこんなに広いのだ、全然ありえる話だと思っている。
異世界というのを考えた人はもしかしたら本当に異世界に行ってきたのではないか、しかし何かしらがあって戻ってきたのではないかと。
僕はずーっとそんな淡い思いを描いている。
だからこそ社会人生活三年目、上司が三年は会社にいろと言っていたが、無理無理絶対意味ない。
そんなわけでそこのトラックさん、すいません。
「死なせて下さ〜い」
あとは天任せだぜ。
さあ来い異世界!
目が覚めると...天井が目の前にあった。
てことは、もしかして!
しゃー!って叫びたいけど赤ちゃんの姿っぽいし流石に声に出して言うわけにはいかないね。
とりま泣くか。
...泣き方っどうやってやるんだっけ?
「おんぎゃー」
そうそうこんな感じだ。
「まあ可愛い男の子が生まれましたよ」
「本当か!無事に生まれてよかった」
この人はお母さんとお父さんかな?優しそうなお母さんとお父さんだな〜、しかも言語は違うけど理解できる!こんな最高なスタートとは。
いやー前世でよく神様に祈っていたし、案外通じたのかな?
[おーい、聞こえるか?]
ん!?なんだ今の声
[わしだよ、わし神様]
神様?へーいたのか
[こうわしの声に向かって念じてみて]
[できた]
[うまいうまい、でわし神様]
[へー本当にいたんですね]
[随分と反応が薄いねえ]
[まあこんなことがあった今、もはやなんだって信じてますよ]
[そんなもんか〜、まあいいや]
[で、どうしたんですか?]
[まあ色々と言っとこうかなと思って、この世界について色々言っておかないとと思って]
[はいはい]
[あんた軽いな、えっとなまずはすまん。あんたの求めていた自由なスローライフは少し厳しいかもな]
[え?]
赤ちゃんとして急に泣き止んだ
[えーとな、あんたの生まれた家があるだろう。そこ割と地位の高い家でさこう爵なんだよね...]
[こうしゃくって...どっち?]
[公の方]
[どっちにしろ対して変わらないから、もはやどーでもいいんだけど]
[いやいや全然違うぞ、なにしろ侯爵なんて30家あるのに対して公爵は4家しかないのだぞ。しかも王家とも一番近いこともあるからトップにも慣れるのだぞ]
[じゃあ、もっとダメじゃねえか!王家と関わっていたらただでさえスローなライフが]
これじゃあ職場が変わっただけじゃないか。いやまて、そういうのって兄弟全員が出れるわけじゃないんでしょ?だったら多少の我慢をして大人になっ
[あんた長男だから絶対無理だよ]
[あんたは僕の残念がるどころを見に来たのかー!]
[そうかもしれんなあ]
せっかくここまで送ってきてくれたのは嬉しいけどこれじゃあただの職場が変わっただけ、むしろハードに...あんたを殺してやりてえよ
[まあまあ悪かったって、ただ悪意はないんだよ。ただわしがちょっと酔っ払ってしまったせいで手違いが...]
[あっでも別に僕が拒否して弟か妹に任せたら...]
[あーと、その親が次子供産むの五年後でさ、しかもあんたのお父さん病気で早く引退するからあんたはうーんと...まあ最低でも七年はやらんと無理だね]
[ん?人のこれからの人生わかるんですか?]
[まあわかるけど、あんたは地球で生まれたから知らんよ]
どゆことですか?]
[あんたは霊...まあその精神は地球で生まれてきたから色々と知らんのよ]
[地球は別の人がいるんですか?]
[いるいる。でそこの創造神が、あっわしも創造神ね。でまあ地球の創造神が熱心に祈り続けてくれる人がいるからってことで、あんたを紹介してもらったのよ。わしとしても面白そうだしこうやってこっちの世界に送ってもらったのよ]
[少し話は変わりますけど、それって言い方は悪いけど操り人形みたいなものですか?]
[まあ、そう捉えることもできるね。ただ人が生まれてきて、その人の人生がどう動こうくのかを決めるのではなく、その人の人生がどんな風なのかを先に見るだけ]
[先に見るだけですか?]
[そそ。別に善人だろうが悪人だろうがそれがこの世界で起こってしまう運命だから。もちろんこの世界を壊そうとしたりするやつは排除するけどね]
管理者みたいなものなのか〜
[でもそれって、僕を入れていいんですか?もしかしたらこの世界を壊そうしちゃいますかもよ?]
[でーじょうぶ、でーじょうぶ。そこんところは地球神が見てくれるし。そもそもあんたはスローライフを目指しているんでしょ?だったら壊すわけないしね]
まあ確かに壊すことはないけど、しかし人ってそんな感じなのか〜、熱心にやって良かったとは言えど、こんな人が創造神なのか...
[悪かったな、こんな創造神で。まあそんなことで悪いからあんたには色々としてあげようと思ってたな]
まてなんか知らんけど嫌な予感がする
[とりあえずチート能力に容姿端麗だろ。あとは...]
[ストープ、ストープ]
[ん?なんだよ]
[いやいや聞いてました?スローライフですよ、スローなライフ!そんなチート能力だろうが容姿端麗とかどうでも良いんですよ]
[えー、俺つえーーーーとかしなくていいの〜?]
[だー!スローなライフにそんなものいりませんよ、少し強い程度で]
[じゃあ能力とか抜いといてあげるよ、少し強い程度ね]
[少しですからね!]
[はいはい、あっても容姿端麗とか外見はもう無理だから]
[外見も普通ぐらいでよかったのに...とりあえず七年間?でしたっけ。そこから弟か妹に譲ればいいんですよね。そしたらもうゆっくりしていいんですよね?]
[まあそん時の状況次第だね〜]
てことは適当に公爵としての仕事をすれば怠惰として
[あーとね]
もう嫌な予感がする
[てきとうに仕事をするとそれはそれで汚名としてスローどころじゃないもっと過酷な仕事をさせられるし、普通に仕事すると別に弟に譲らなくても良いと周りが判断するから、めちゃくちゃ仕事できる人間にならなくちゃダメだね]
[でもそれも公爵としての仕事をまっとうしてるから、それこそ譲らなくてよくないですか?]
[いやっさー、この世界って天才はちょっと頭おかしいやつが多いんだよ。いや多すぎるんだよ。それに公爵家でめちゃくちゃ頭いいやつができると国家を乗っ取りとかもあったりするからさ、案外嫌われているんだよね]
めちゃくちゃ目立つと思ったけど、よくない形で目立つのか。しかも公爵家としては泥をぬることはない。
[まあそんなわけであっちの世界って中の中から上の中ぐらいが好かれているんだよね。上の中でもちょっとダメかもしれないけど]
はあ、マイペースで楽な仕事を送るはずがいきなりハードとかまじ勘弁って思うわ
[まあまあ、あっちと違ってこっちの平均寿命は3倍だし、暇な時間だけならこっちの方が長いよ]
[あっそうなのですか?]
[急に丁寧な口調になったな、とにもかくにも貴族として仕事頑張れ〜、わし案外暇だから適当に呼んでくれ]
随分軽いなあ、でもこの世界に連れてきてくれたのは感謝だ。目指すぜスローライフ!