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5 前世と変わらない問題

「こっちの世界にもいるんだな」

 呆れるしかなかった。

 死んで再び生まれてきた世界。

 そこでもこういう奴等があふれてるのに驚き嘆く。



 転生する前も、直接的な作業や努力しか評価しない連中はいた。

 そういう奴等のせいで、しなければならない作業が滞る事があった。

「そんな事してねえで、こっちをやれ!」という声を何度も聞いた。

 それこそ手を抜けない作業をしてるというのに。



 そんな世界での人生を終えて再び生まれ変わったこの世界。

 いわゆる、剣と魔法のファンタジーそのままの場所。

 そこで生き残るために、怪物ひしめく迷宮に挑んでみたのだが。

 前世と同じように見てわかる事しか評価しない連中が多くて呆れた。



 特に迷宮探索者は裏方の作業などを全く理解しない。

 分かりやすい戦闘力だけを重視する。

 なので、支援魔術のような見ただけでは何をしてるか分からないものを侮蔑する。

 理解のある者もいるが、それは一部だけだ。



 しかし、転生してきた使い手は支援の必要性を理解している。

 なので、出来るだけ支援魔術を身につけていった。

 幸い、こちらの方面で才能があったらしい。

 様々な支援魔術を身につける事ができた。

 効果も一般的なものよりも高い。

 もっとも、チートと言われるような強大なものではない。

 あくまで人間の能力の範囲で優れてるというだけだ。



 逆に他の方面はさほど秀でたものはなかった。

 特別悪いわけでもないが、優れてるとは言いがたい。

 平々凡々といったところだ。

 しかし、支援魔術のおかげで転生者はそこそこ上手くやっていけた。

 自分の能力を強化する事で、人並み以上の成績を残せた。

 そんな転生者を見て、誘う者達も出てきた。



 しかし、一緒に行動するとすぐにケチをつけられるようになった。

 戦闘力を見込んで誘ったのに、その当てが外れるからだ。

 転生者は支援魔術で仲間を強化していたのだが。

 また、怪物の能力を低下させていた。

 なので、戦闘はかなり楽に進んでる。

 しかし、そこに気付く事もなく、戦闘に参加してたかどうかだけを見るのだ。

 そこしか見ないし、それ以外の事は理解できないからだ。



 転生者はその後追放された。

 誘ってきた連中は転生者を見限り、二度と誘わなくなった。

 それだけなら仕方ないと割り切れたのだが。

 その後、転生者の悪評を流していった。

 あいつは戦闘に参加しない、役立たずだと。

 それが転生者の活動を大きく阻害にする事になった。



(これじゃ駄目なんだな)

 転生者もすぐに悟った。

 この業界、こういう悪さをする連中ばかりだと。

(じゃあ、しょうがないか)

 即座に対策をとる事にした。

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